(政治)

1) 与党グループ「新多数」の分裂
公務員のストはもう2週間目ですが、政府案の賃上げ3.2%を組合は認めず国会に圧力をかけています。
先週、国会で政府案を議員全員が否決と言う前代未聞の出来事がありましたが、それを受け、政府と与党側が面談し合意に達しました。賃上げ額は変わらないがボーナスを上乗せするとかして色をつけました。それを今週の下院で採決することになりました。
今週の最大の話題は、その討議の途中に組合側が騒ぎ出し、議長が彼らに退場を命じました。それを無視してさらに喚き続けたので、警察が彼らを力で排除。
その時、労組の議長が大蔵大臣に商売女の息子など卑猥な言葉を投げかけるのが報道されました。彼女は「社会党の大統領を持つチリが、労働者の代表を暴力で国会から排除するなど理解できない」とクレーム。しかしこの共産党の女性は9月の組合選挙で負けたはずなのにまだトップとして振る舞い、力で勝負する姿勢を変えません。国会を尊重しないから退場処分になったのに、それを批判するなんて理解できませんね。
大蔵大臣は、「民間と公務員の給料の差は以前とは異なり、ほぼ均一、来年度の予算を考えれば、公務員の賃上げはこれが限度」と説明しています。確かに今年度の一般賃上げ指数は3.4%が記録されています。
彼は自分から辞任することはしないと固い決意を見せています。               
今週行われた経団連の食事会にバチェレットも出席しましたが、(昨年は欠席ですから、バチェレットも少し柔らかくなったのかな?)その席で経団連の会長は大蔵大臣を高く評価するとコメントしました。バチェレットはこれでは大蔵大臣を罷免するのは困難な状況ですね。
で、新多数に属する政党は国会で3.2%の賃上げを認める方向だったのですが、共産党が全員、反対票を投じ、また問題に。
新多数で決まったことを守らないなら共産党は新多数に所属する必要はないのではとなってきました。共産党は、「その他の政党も全員が賛成したわけではなく、各党にも反対票を投じた一部の議員がいるわけで、共産党だけを責めるのはおかしい。もし共産党に与党グループから出て行けと言うならここではっきりせてほしい」と切り返すと、そこでまた他の党はこそこそした動き。はっきりせいやと言いたいところです。
この週末、土曜日、日曜日と政府側・組合側が面談しましたが、合意に達せず、ストは継続です。政府の運営の拙さが際立っています。組合側は4%、政府側は出せる額は決まっているから、便法として例えば給料の少ないグループは4%、多いグループは2.8%でどうかなどと持ち出しているようです。
バチェレットはいつものように一般の集まり、例えば観光促進のバケーションの集いなどに参加し、にこにこしながらチリの魅力をもっと知ってほしいですと宣伝しますが、労働組合のストについてはコメントしません。与党側もバチェレットを評価する、頼みにすることを止めたようですね。
2) バチェレットの選挙資金
彼女の選挙資金を集めていたのはマルテリですが、検察に呼び出され尋問を受けました。彼は前内務大臣のペニャイリジョから指示を受けていたと彼の役割も話した様子。バチェレットの足元まで波が来そうですね。