(政治)

1) 予備選
今年の10月に行われる地方選挙のための予備選挙が、この日曜日にありました。テレビのニュースで昼の一時ころ、投票箱管理の人に質問すると、「投票権を持つのは1043人で、投票したのは11名です」暇で仕方がないでしょうね。
投票締め切り後の発表で、投票者数は選挙権を持つ人の5%台(たったの5%ですよ)だったとか。予備選挙する必要あったの? 
地方選挙なら私も投票に行きますが、その選挙の候補者を選ぶ予備選挙を各政党、もしくは与党・野党側が独自に行わず国が前に出る必要性が全く分かりません。つまり個人的には金をかけるだけの全く無駄な予備選挙だったと思います。
2) オルピス上院議員刑務所入り
漁業法案作成時、漁業会社から賄賂を受け取ったとして裁判になっている右翼のUDI党のオルピス議員は裁判が結審するまで刑務所に収容されることになりました。
他の疑惑議員は放置されていますから、UDI党は野党と与党で疑惑議員の取り扱い方が違うとクレーム。私たちは彼の無罪を信じているとコメントとしました。
これが全員に適応されれば、国会議員の立ち居振る舞いが大きく変わるでしょうね。    
似たようなケースで、与党のPPD党員のハレスはフランス大使をしていましたが、そこの女性が彼がセクハラをしたと訴えました。
彼は大使を辞職し、チリに戻ってきましたが、PPD党首は彼の無罪を信じるとコメント。右も左も信じられないと言うことになりますね。
3) 労働法案
これが今週の中心話題です。今までの経過を書きますが、2014年12月に新労働法案が国会に提出されました。2015年6月に下院で成立し上院へ。2016年3月に上院で法案を改訂したものが成立。それを再度、下院に送付。同月、下院はそれを拒否し、上下院の合同委員会に。4月に憲法法廷がそれを違法と認定。新法律を設定するはずでしたが、風が変わり、大統領の特権としてその憲法法廷の判定を拒否(受け付けない)するようです。
喜んでいるのは労働組合共産党で、与党内でも労働組合を優遇すると企業の投資意欲が下がり、失業者が増加すると反対する意見があります。
閣僚の間では労働大臣の勝利と言われ、それに消極的だったバルデス大蔵大臣の敗北とされます。
先週、書いたように内務大臣と一緒に就任した大蔵大臣も飛ばされるのかな?中道のキリスト教民主党の影が薄れ左翼の共産党が光ると言ういつもの現象です。
昨年のチリから海外への投資は46億ドル。投資先はアメリカ、ブラジル、ペルーの順でした。アルゼンチン向けは無し(無理もないか)大蔵大臣はチリの新労働法案が稼働し始めれば、チリ国内に投資されるはずのものが外国に出てしまうと心配しているわけです。
4) 政府と軍隊
前陸軍長官の不正蓄財問題で、彼は3回にわたり検察の訊問を受けました。貰っていた給料と資産の関係ですね。そこに彼の夫人も疑惑があるとして、調査の対象になりました。夫婦ともに高級自動車を集める趣味があったらしい。???  妻もこの数年で1億円のほどの資産を手にした様子。夫から回ってきたのでしょうね。怪しい金が。
その他に元長官チェイレがピノチェットの時代に逮捕された左翼の拷問殺害に関与していたと取り調べが始まりました。バチェレットの第1次政権ではこうした問題にはタッチしなかったのですが、共産党が加盟したら政府の雰囲気が変わりましたね。
5) 前内務大臣は大臣を辞したことに関し、「バチェレットとのイザコザはなかった」としながらも、「モネダ宮殿の2階部隊とのネゴには疲れた。次期の選挙で国会議員になりたい」とコメントしています。2階部隊は何時も怪しい動きをしますからね。