チリの風 その1089 24年3月25日ー31日

とうとう立秋の日が来ましたが、最高気温30度の日が続く暑いサンティアゴです。もっとも公園で木陰のベンチに座ると涼しい風が吹いてきて最高です。
そして街路樹の紅葉した葉が目につくようになりました。
さて今週は個人的な3項目に東奔西走しました。その一つは住居の販売です。知識と経験が足りないのでウロウロしました。
もちろんスポーツはいつものように楽しみました。マラソンは2回しっかり走りました。先週、もしかすると次のレースはハーフマラソンが走れるかと思い走る距離を伸ばしましたが、もう限界を超えているようで身体はガタガタになりました。それで今週はいつもの通りに戻しました。
登山はいつもの山岳公園と近くの丘歩きをしました。山は第1展望台で3時間の歩きでした。
毎年、カマラ(商工会議所)の月例会で講演をさせてもらっていますが、今年のテーマはラパヌイです。その原稿がとうとう完成しました。
中高年向けの予防注射が始まり、インフルエンザとコロナの2本の注射をしてもらいました。
このように毎週の通り、することが一杯あって今週も幸せな日が続きました。
この週末はイースターの3連休で30万台の車が首都圏から出ていきました。交通事故で三日間で20名が死亡したとか。
さて今年はほとんど雨の降らないサンティアゴですが、この冬はその異常乾燥が継続すると言う予報が出ています。

(政治)

1)ボリッチ動向
今週は何と6か国の新大使の信任届けの訪問を受けました。マルタ・ネパール・スリランカエストニアルクセンブルクそれにアルゼンチンです。
2)地方選挙
首都圏州知事キリスト教民主党のオレゴですが、それに対抗して共産党が候補者を立てるようです。共産党は先の上院議会議長に自分たちの仲間がなるはずだったのにそれが覆されたので、与野党全部に勝負をかけるつもりの様です???来週は下院議会議長の件でもめそうです。
さて、その件に関して、共産党は政府にもクレームしていますが、その姿勢は政府・与党内の分裂を起こすとするコメントが出ています。
その次の選挙は大統領選挙ですが、右翼側はUDI党のマテイを候補者にする方針です。彼女は現在はピロビデンシア区の区長ですから、この年末の選挙には立候補しませんね。もちろんもっと右の共和党は独自の候補者を立てますが。

(経済)

1)銅価格と為替
 銅の価格は1ポンド3.96ドルと先週とほとんど同じですが、為替は1ドル982ペソと少しペソ安になり、1000ペソの大台に近づいています。
コデルコ銅公社は昨年の生産は130万トンと前年対比8%のマイナスで、国に収めた額は14億ドルで前年より8.8億ドルの減額とか。国政に影響しますね。
2)リチウム
 この項目に関する政府方針が発表されました。アタカマ砂漠やマリクンガなどの地区で全部で26か所の鉱山区がオープンされますが、その中で重要な7か所は国営のコデルコとENAMIが運営することになりそうです。
こうした前向きな姿勢とは全く逆の事が起こっています。アタカマ砂漠の土地を所有するコルフォは、それをほかの会社に貸与しています。現在はチリのSQMとアメリカのアルべマルレ社ですが、そこから受ける金額が何と10億ドルも減少しました。その理由はリチウムの市場価格の減少です。つまりもっと多くの会社の投資を待ってもそれが大きな前進につながらないと言う証拠ですね。EV自動車がどうなるか、リチウム鉱山の将来ははっきりしません。
3)ワチパト製鉄
 経済大臣がその製鉄所のあるビオビオ州を訪問しました。テレビの経済番組に出た彼はワチパト支援を全力で行っているとしましたが、どうして中国品がチリに入って市場を抑えているのを見逃していたのかと聞かれると私は政治的な事ではなく従業員の将来のことが大事なのだとコメントしました。
しかし関税を上げれば問題は解決(もしくは軽減)するのは間違いないのにそのテーマが議論されません。
中国品は政府の援助を受けて安価で輸出できるのか、国内は競争が厳しいので輸出の方がしやすいと言うのでしょうか。
そしてワチパト製鉄の従業員の解雇が始まったようです。
中国製品に対する関税アップに反対するデモがありました。誰がそれを操っているのかな?しかしそのチリ産の製鉄産業ですが、中国品に品質・価格で対抗できないことに関し抜本的な対策・検討がされていなかったことは基本的なエラーではないでしょうか。
今日の新聞の経済面に中国とチリの接近として中国企業のチリへの投資に関する記事が掲載されました。
しかしどこを見ても中国・中国ですね。
4)果物の輸出
昨年度のチリの輸出はなんと世界5位になっています。ブドウ・梅・サクランボなどですが、一番ボリュームの大きいのはサクランボで前年より7.3%アップの30万トンを18億ドルで販売しました。(FOBベースです)輸出は中国向けが多いです。
5)増税
財務大臣は月給450万ペソ以上の人に増税する方針です。与野党でどう反応するかな?

(一般)

1)犯罪
マイプ区で女性が殺されました。夜中に彼女が叫ぶのを聞いて隣人が警察に連絡したのですが、女性は同棲者に殺されていました。毎週のようにこの種の家庭内暴力の犯罪があるとか。
それからひったくりですが、夜の道を歩いていると車が近づいてきて、それから下りた犯人グループが銃・ナイフで脅し鞄・財布や携帯を奪って逃げます。 安全カメラで撮影されたものがニュースに出ます。毎日の事件です。
この週末に青年闘士の日が来て、全国でデモがありました。昔は死傷者が出るほどの争いでしたが、今年はそんな大事件はありません。
なんでも逮捕者数は前年の半分だったとか。
それより高校などで校内の争い・喧嘩が大問題になっています。学生が争うのがビデオにとられニュースに出ますが、ナイフどころかピストルも持っています???
犯罪が多くなると通常の生活がしにくくなるわけで、そういう危険地区の中央駅区のマンションは約40%が空室になっています。地下鉄の駅やバスターミナル近くに完成したマンションが空室だらけと言うのは、まるで中国の問題のようです。チリでもそれは投資として購入され、それを貸して利益を得ると言う商売だったのですが、投資者は泣いていますね。

2)デング熱
112のケースがチリで見つかりました。そのうち16のケースはラパヌイです。しかしアルゼンチンでは今年になって13.4万人がかかったとか。
一桁や二けたの違いではありません。チリはまだその病気が始まってないようですね。

(スポーツ)

1)サッカー
国際親善試合でチリはフランスと対戦し2対3で負けました。その数字からすると惜敗の様ですが、試合を見ているとかなりレベルが違うことが分かりました。
FIFAの国際ランクでチリは日本より下ですからね。
国内リーグ戦は第6試合が終わった段階で 今までの延期になっていた試合はすべて実施され、6試合での勝ち点のトップはイキケとチリ大学。人気のコロコロは4位。カトリカは12位です。

以上