チリの風 その1088 2024年3月18日ー24日

今週もいろんな行事がありました。月曜日に大使公邸で天皇誕生日の祝賀会がありました。昨年末に就任の伊藤新大使がチリ・日本の関係の現状を伝えてくれました。チリ側は政府関係者や議員が数多く来ました。いつもテレビに出てくる人たちです。多分、チリは日本を助けるから日本もチリによろしくと言うのでしょうね。ボリッチが中国一辺倒なので、それではいけない日本との友好が必要だとするのかな。大使の後に挨拶したのはチリの外務大臣でした。
それから木曜日に葬式がありました。先月、妻の父親が亡くなりましたが、今週は彼の妹でした。彼女はスペイン系2世です。 彼女のご主人はパレスチナ人1世で、子供の時両親と一緒にチリに移民してきました。彼はチリで商売で大成功しました。彼女はその手伝いと子供の成長を助ける仕事を見事にやりました。つまり現在のチリは世界のどこから来ても自由に力量を発揮することができます。私も日本人ですが、チリの会社で幹部職をしましたし、妻はチリ人ですから、チリ化しています。その葬式にはご主人と同じ苗字のレコレタ区の区長は来ていませんでした。大勢の人の参加で教会での葬式は荘厳に実施されました。
スポーツはいつもの通りです。登山は久しぶりに第4展望台に。その他近くの丘に2回登りました。マラソンは2回、どちらも先週より距離を伸ばしました。
ただサッカー教室は参加希望者が少なく中止になりました。
さぁ、いつまで私のこの元気が続くかな?いつもの通り、幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
今週は世界水の日になったので水関連の式に二つ参加しました。
先ず北部のロス・ぺランブレス鉱山を訪問しました。海水を軟化して鉱山地区で使用する 仕組みを見学しました。その鉱山が開所したとき、仕事でそこを訪問したのを思い出します。昔の話です。
それから首都圏の南に隣接するオヒギンス州のナビダ区で水源確保のための施設を見学しました。
2)上院議長
共産党議員が議長になるはずでしたが、与党の一部が反対したのでそれが覆り、結局野党の国民改革党RNのガルシアが選ばれました。今年末の地方選挙もそういう風が強く吹くでしょうね。共産党新左翼が落ちこみそうです。
3)PDI新長官
それから私服警察PDI新長官が発表されました。
前長官のムニョスは留置所に収容されました。彼とコンタクトを取っていた弁護士のエルモシジャも調べられますが、政府との契約は全くないとか。
ムニョスとエルモシジャの電話の会話が録音されていて、その一部がテレビのニュースで放送されました。どの情報が、どの仕事に使われたのか少しづつ明らかになるでしょう。しかしPDIのトップが収容されると言うのは国民の間で不信・疑惑が大きくなりますね。
ピニェラ政権時の大臣もこの事件に関連しているか噂されています。
4)アルゼンチン
かなり変わった雰囲気のミレイが大統領になりましたが、彼に任命されてチリに来た大使が次のような発言をして問題になっています。
それは「私たち(アルゼンチン)は農業国として発展してきましたが、皆さん(チリ)はやっと食べられるようになったみたいですね。」どうかな?

(経済)

1)銅価格と為替
銅の価格は3.96ドルと先週より若干下がりました。為替は1ドル972ペソとペソ安がかなり進んでいます。
昨年のGDPはマイナス数字と思われていましたが、意外に、ほんの少しですが0.2%のプラス成長でした。今年の予想も2-3%とプラス成長が見込まれています。もっとも建設業界はかなり厳しい年になりそうです。建設しても売れなければ・・・
2)IPSA株式市場
今週も6525ポイントと新記録を更新しました。いつまで続くのかな?
株と全然関係ありませんが、サンティアゴ国際空港の利用者がコロナ問題以降の新記録を出しました。正常化したわけですね。
3)ワチパト鉄生産工場
鉄の鉱山CAPが持つ製鉄企業のワチパトが生産を中止すると発表しました。チリで生産しても中国からくる鉄に価格で競争できず、常に赤字だと言う理由です。
直接・間接の人員約22000人が失業しそうです。その工場のあるビオビオ州では大問題になっています。
それなら中国産製品に追加関税をすればよいと言う意見もありますが、25%は追加する必要があるらしく上手く行っていません。
政府の最終見解が必要ですね。しかし高い運送費を払っても中国産の鉄はそれほど競争力があるのですね。
同地区の区長が政府は私たちを助けようとしないとクレームしています。

(一般)

1)幸せランキング
世界143か国のランキングが発表されました。いつも北欧の国が上位を占めますが、ラテンアメリカでは、メキシコが25位、ウルグアイが26位でした。チリはその下で38位。それでもアルゼンチンやブラジルより上位でした。もちろんそんな評価に意味があるのかと言われそうですが、いろんな基準で評価されチリが上位に入るのは嬉しいです。ただ日本が51位と言うのは不可解です。
それから同じような世界賃金ランキングで、最低賃金を現行のドルで比較をすると、世界のトップはアイルランドで3505ドル。日本は19位で1693ドル。
なんとアメリカは1257ドルで28位。物価が高いと言われますが、給料は安いのですね。チリは現行の46万ペソでは967ドルで32位ですが、この7月から50万ペソに上がりますから順位も少し上がります。アルゼンチンは753ドル、ブラジルは532ドルと下位低迷です。
2)犯罪
首都圏のメイ地区で60か所以上も家宅捜査が行われました。そして多くの商品が没収されました。薬品の場合、期限が切れているとか偽物とかです。まったく知りませんでしたが、チリで売られているたばこの約半数は不正にチリに入ってきたものらしい。正規の国境を通らず不正に入ってきたものですね。その方が正規の物より安いので消費者は露店で買うとか。
同じく中央市場地区でも大激戦です。それは道路で商品を売る露店同士の争いで、ここは自分の場所だと言い争うとか。

ベネスエラの元軍人の妻がPDIと話し合い
先日、反政府運動をしていたベネスエラ元軍人が殺されたのはベネスエラ政府の指示とするコメントがマスコミに出ますが、犯人が見つからないと結論は出ません。チリの警察の動きが注目されます。
3)山火事
山火事は終わったようですね。延焼中はゼロで、要注意場所が1か所になっています。これから簡易住宅の建設が急がれます。

(スポーツ)

1)サッカー
国際親善試合があり欧州遠征中のチリはアルバニアに3対0で勝ちました。試合をテレビで見ましたが、感激するほどの試合ではなかったです。火曜日にもう1試合がありますが、そのフランス戦に勝てば、次のアメリカ大会に夢がわいてくるでしょう。


以上