チリの風 その1073 2023年12月4日ー10日

私の住居の近くの道は、街路樹にジャカランダの木が多く並んでいますが、その紫の花が地面におちています。
昔、南アフリカに年末に行ったとき、ジャカランダ・ロッジと言うホテルに泊まりましたが、庭にその花が咲き誇っていました。
チリも南アも同じ南半球ですからね。
頼まれていた原稿を書いて日本に送りました。季刊誌に掲載されます。いつも同じことを書きますが、こうして何かすることがあるのが嬉しいです。
今週のサンティアゴは連日30度を超す暑さで、今日は35度まで上がりました。
スポーツですが、マラソン練習はいつものように走りました。朝早く走り始めても暑さはきついです。
ただ山登りはいろんな事情で中止になり、近くの丘のぼりをしました。
土曜日は日本人学校でサッカー教室があり、10数名の参加者で楽しく練習しました。武村兄弟が帰国するので、日本での活躍を祈って胴上げをしました。
8日がキリスト教の祝日になったので、3連休になり、多くの車が首都圏から郊外に出ていきました。その日は妻の誕生日だったので日本レストランに行って和食を楽しみました。それから妻が助手を使ってチリ式クリスマスケーキを作りました。 それを知人・友人に配って喜ばれました。
それから「なるほどトーク」と言う番組をオンラインで見ました。ペルーが舞台でした。先月は私が講演したのですが。
毎日、楽しい日を送っています。

(政治)

1)ボリッチ動向
今日、アルゼンチン大統領の就任式があり、ボリッチはそれに参加しました。テレビで新大統領の演説中継を見ましたが。「過去12年間、インフレが急上昇し、GDPが落ち込むと言う厳しい状況が続いたが、それを何とか正常化すると言うのが、私の目標です」確かにそうですね。どうなるかな?
ブラジルの大統領はその招待を断りました。
ボリッチは土曜日にアルゼンチンに入り、就任式の後、日曜日の夜に帰国しました。
さて身内の新左翼の政府資金の不正使用をはっきりさせる必要がありますが、ボリッチはその対応を放置し、担当の社会党のモンテス大臣を交代させる事にも手を付けません。
2)新憲法
 次の日曜日が投票日ですが、全然盛り上がりません。気の狂ったように賛成・反対の旗を持ったデモ隊が街にあふれるのが通常でしょうが、今回はほとんど何の動きもありません。興味が無くなったのかな?
バチェレットがこの新憲法では女性の人権が現行より軽く見られるとし、反対に投票すると発表しました。すると賛成派の女性グループがその判断は彼女のエラーだと厳しい批判をしました。バチェレットは新憲法反対派グループを代表する役割をこれから実行するようです。
その賛否の意見より、私に賛成できるのは、「第一回新憲法が否決されて、即時に第2回新憲法委員会が出来たが、それ少なくとも何年かおいてから再実施されるべきだ」とする意見です。どうでしょうか。
反対派の意見ですが、「ピノチェットが1980年に作った現行憲法は変えたい。しかしこの第2回新憲法案はそれよりひどい。だから反対する」となるほど。
両グループの宣伝が毎日テレビで流れますが、今回賛成を唱える野党側の宣伝で、「私たちは賛成、ボリッチは反対」と言うフレーズが繰り返されます。

(経済)

1)銅価格と為替
残念、今週は銅価格が下がりました。1ポンド当たり3.72ドルでした。為替は1ドル874ペソと先週と似ています。
しかしリチウムの価格の変異は異常です。2022年11月に1トン81565ドルまで上がったのに、今週それが13400ドルまで下がりました。84%の減少です。
もちろんチリにそれは大きく影響しています。EV自動車の問題で需要が減少し、逆に供給は拡大しているのがこの問題の根源とか。
来年はまだ下がると見られています。こんな状況では誰もリチウム鉱山に投資はしませんね。
2)最低賃金
ラテンアメリカ諸国の最低賃金のドル比較がありました。一番上だったのはコスタ・リカ、次いでチリです。逆に一番低いのはベネスエラその上はアルゼンチンでした。なるほどと思われます。私がチリに来た頃はベネスエラとアルゼンチンはトップを争っていました。逆にチリは最下位に近いランクでした。そんな短い期間で上下が大きく入れ替わりました。国民が、実力があって努力をしても、運がなければ落ち込んでしまうと言う例ですね。がんばれチリ。
3)物価上昇率IPCと求人数
11月の物価は0.7%と予想より高い数字でした。求人数は18か月連続で減少しています。
 家屋の購入のための銀行金利が平均で5.3%になり2009年以来の高い数字になりました。家屋の販売は落ち込みますね。

(一般)

1)犯罪
 首都圏の一部の区が自分の区を特別区と認定し、元警官などを採用して、自分たちの手で犯罪から区内の安全を図ろうとする動きが先週、始まりましたがそれが輪を広げています。またそれらの区長がモネダ宮殿を訪問して政府と意見の交換をしました。しかし監督局の局長はそれを憲法に決められた方針ではない ときっぱり否定しています。
 犯罪グループの争いで銃の発砲がされ、近くにいた5歳の子供が死亡しました。ピノチェット軍事政権の時にはほとんど犯罪は無かったのですが。
 それから民主化した後も、4年前の社会騒乱が始まるまでは、チリはそれほど危険な国ではなかったです。
2)カトリックの祝日
 8日はカトリックの祝日でしたが、バルパライソ州のロ・バスケス教会にお祝いに駆け付ける信者が90万人を超えました。遠いサンティアゴから半日かけて歩いてくる人もいるとか。前日の木曜日午後から幹線道路交通が遮断され、信者優先になりました。毎年の事ですが、変わった習慣です。教会の前に着くとそこから膝まづいて歩いたり、寝そべって前に進む信者が出ます。苦しい思いで教会に入るのが信者の喜びなのですね。
3)山火事
その教会の近くのクラカビで山火事が起き、それがサンティアゴにも影響しました。木曜日の午後、首都圏の上空は雲で覆われました。今までに1000ヘクタールも燃えているとか。ヘリコプターと航空機の消火活動が行われていますが、まだ消化になるには遠いようです。かなりの家屋が火に襲われ、その近くの地区では家財を出して安全な地区に移動するのが多くなっています。
何か所もの山火事は収まる様子がありません。そして、それがもっと南の州にも移りそうです。もっとも高温からくる自然発火と人間の放火の可能性があるのですが。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦が終わり、先週2位だったワチパトが優勝しました。2位が勝ったのに首位だったコブレサルが負けたからです。
人気3チームの成績はコロコロ3位、チリ大学9位、カトリカは7位でした。
それから来年開催されるアメリカ大会でチリはアルゼンチン・ペルーと同じグループに入りました。もう一つのチームは未定です。
アメリカップに優勝した時代もあったのですが、今は参加するだけになってしまいました。


以上