チリの風 その1074 2023年12月11日-17日

もちろん今週の話題は新憲法草案是非の投票ですね。
さて連日30度ほどの気温が続くサンティアゴです。もう夏です。
今週の登山は第4展望台の冒険コースを歩きました。下りに新しいルートを歩いたら道に迷って大苦戦でした。その他に郊外のマイポ渓谷に行きました。中心街で満席の小型バスが2台止まっていたので聞くとカヌーなどの川遊びのツァーでした。私は川より山が好きなので、そのバスには乗りませんでした。
ラソン練習ですが、週日の10キロは完走しましたが、日曜日は投票のため、練習中止でした。
それから血栓症の薬の検査に病院に行きました。戻る時いつものようにそのレコレタ区から中心地区まで歩くと道路がゴミだらけで、ホームレスのひとがあちこちに。私の住む地区とは全然様子が違います。
近くの公園でクリスマスコンサートがありました。演奏・コーラスそれにダンスです。しかし郊外のコンサートだったのに、すごく良い音響でした。機械が進歩していますね。昔は郊外のコンサートはうるさいだけでしたから。
こうして毎日忙しくて幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
山火事のための大型消火飛行機2機がチリに来ました。その受け取りの儀式にボリッチは参加。しっかり働いてねと頼んだのでしょう。現在の段階で30か所で火事が起き、そのうち12か所が延焼中です。多分来年の2月ごろまで全国各地で山火事は継続でしょう。
さて毎日、ボリッチの近辺の様子が悪くなっていきます。貧困層援護の住居省からの住宅建設援護金を新左翼グル-プの議員が不正に使用したと逮捕され、裁判になりました。それに関連してモネダ宮殿の2階部隊の重要人物も関連しているようです。
それから1年前に大統領が凶悪犯人を恩赦して話題になりましたが、その時、釈放された一人が、強盗や誘拐の疑いでまた逮捕されました。右翼の議員は大統領に自己批判をするよう要請しています。どうしてそんな人物を恩赦する必要があったのかです。
今日の投票のため、彼は南米最南端の町プンタ・アレナスに行きました。そこに選挙登録してあるからです。もちろん、その登録は簡単に現在の住居に変更できますが、彼はそれをしないで毎回投票の度に両親の実家に行くわけです。国の費用で小バケーションですね。彼のレベルが分かります。
それから彼が即刻対応すべき案件の一つは民間健康保険のイサプレです。それらの会社が倒産し始めれば、市民の医療に大きな影響が出ますから。
憲法案の投票が終わったので来週に内閣改造が起きそうとか。

2)新憲法投票
朝早く私が投票所に行くと大勢の報道陣が待ち構えていました。ピニェラ前大統領の到着を待っていたわけです。そういえば前回の投票時は彼を実際に見ましたが今日は10分ほどの違いで会えませんでした。
少し前にボリッチがチリのマスコミ批判をしましたが、それもあってか今週のマスコミは今日の投票について派手な報道をしませんでした。新憲法が成立すればどうなるか、拒否されればどうなるかなどの細かい分析はありません。私の所にどっちに投票するか質問の電話が来ましたが、そんな世論調査の結果もあまり報道されません。毎日、賛成派が増えているとすれば政府批判のようになるからでしょうか?
今週、新憲法反対派としてバチェレットが表面に出ました。彼女はもう一度、大統領職に就きたいのですが、この新憲法案は2回までと決めているので彼女は反対すると言うコメントがあります。じゃ3回までとなれば彼女は新憲法に賛成するのかな?もちろん、このニュースが本当か嘘かは分かりません。

さてその結果ですが・・・
何と、いや、やっぱり拒否が圧倒的に勝ちました。55%対45%でした。
4年前の社会騒乱の時、左翼グループがピノチェットの作った憲法を俺たちの手で替えると叫びました。右翼はそれを無視しましたが、左翼の勢いが大きく最終的に新憲法設置委員会の成立が決まりました。そして国民投票でその委員が選ばれ、その委員会の議長はマプチェの女性でしたから如何に通常の雰囲気と違うか分かります。しかし、その委員会が作成した新憲法案はかなりの差で否決されました。そして今回の第2回委員会の新憲法が作られたのですが、また前回と同じくかなりの差で否決されました。じゃ何のために新憲法案を作成しているのと言いたいですね。現行憲法を維持しましょう。
さっき出てきたレコレタ区の区長はこんな最右翼の共和党が中心になった新憲法案を潰すのは当然だと言っています。彼は共産党です。

ボリッチは投票から首都圏に戻ってきてテレビで演説しましたが、もう新憲法案は据え置きにしたい。他に重要案件が山積だからとしました。

(経済)

1)銅価格と為替
 今週は1ポンド3.84ドルとかなり高くなりました。すると為替も1ドル866ペソとペソ高です。
  専門家のコメントで「今まで考えられていたより生産が伸びない。従って需要・供給の関係から値上がりした」とか。それなら需要もそんなに増えているのですかと聞きたいですね。
  新憲法投票によって明日から為替や株式市場の数字が大きく動くだろうと言われています。
2)銀行金利
 家屋の購入のための銀行貸し出しの金利が少し下がって平均5.24%になりました。それでも2009年以来の2番目の金利です。

(一般)

1)犯罪
外人囚人の国外追放
最近、よく起きていますが、犯罪を犯した外人移住者を国外追放して、飛行機で彼らの本国に送りました。
経営者の不法行為
2400億ペソといまだかってなかったほどの規模の税金逃れの事件が見つかり、関係者55名が逮捕されました。それほどの規模のグループが同じ行動をするなんてよっぽど魅力あるアイデアだったのでしょうね。裁判が進むともっとわかってきますね。
モール内での犯罪
首都圏のニュニョアにあるショッピングモールで、大事件が起きました。銃を持った数人の犯人グループが商店を襲い掛かったとき、警察官がそれに対決しました。犯人グループはそこから逃げるのに従業員を人間盾として使い、警官が自分たちに発砲して来ないようにしました。ビルの前に待っていた車に乗り込み逃走しました。その事件の時、そこに社会党党首(女性)がいて、危ないから床に伏せるように言われたとか。次の国会で、彼女は犯罪防止法案を本気で推進しようとするでしょうね。
都内で車を強奪しようとした4人組に、車の運転手が発砲し、犯人の一人が死亡しました。その運転手は元警官で、正式に銃の所有を認められていました。
殺人事件にはならないでしょうね。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦より重要度は低いですが、チリカップ戦でコロコロが優勝しました。しかし大事なリーグ戦に勝たないとして監督が解任されました。
解説者がコロコロ・チリ大学・カトリカの有名チームは名前ばかりで力はないとコメントしています。


以上