チリの風 その1104 2014年7月8日ー14日

なんでも過去20年で最も寒い冬になったとかで最低気温がマイナスになっているサンティアゴです。
月曜日、チリ大病院に血液検査に行き、その後、いつもの市内散歩をしました。ラ・ベガ中央市場の前を通りました。そこは最近犯罪が増えているとテレビのニュースによく出ます。きっと麻薬関係の事件でしょう。もちろん私は中に入らず近くを歩きました。ホームレスの人もいました。
たくさんの人が働いていましたが、幸せな人も不幸な人もいるのでしょうね。
土曜日の登山教室は9名の参加者で第4展望台に上がりました。低学年の子供が文句も言わず、急こう配の登り道を歩いていました。
長い間、雨が降らないので下の街はひどいスモッグに覆われていました。
ラソンもちゃんと二日走り、1回は10キロを完走。まだ走れると言う喜びを感じました。
2週間後に妻と南部のフルティジャールに遊びに行くことになりました。そこは私たちの移住目的地です。
毎日、こうして忙しく楽しく生きています。

(政治)

1)ボリッチ動向
北部のカラマに飛び、チュキカマタ鉱山を訪問。そして国営化53年記念の儀式に参加しました。その銅鉱山はアメリカ企業の会社でしたが、アジェンデが国営化したのです。その後、軍事革命が起きましたが、その鉱山の国営化をピノチェットも利用しました。
そして首都圏のキンタ・ノルマルの学校を訪問し、PACEシステムの10周年記念のお祝いに参加しました。それは高校生が大学教育を受けられるように援助するシステムで、これに登録した高校生の82%が翌年は大学に進級したとか。
2)大統領選挙
まだ2年も先ですが、与党グループ代表が国会のレストランで集まり、そこにバチェレットを招待しました。中道左翼政権時の社会党キリスト教民主党そしてPPD党、さらに新左翼共産党でした。何とか与党グループが統一候補を立てることが出来たら、次回も勝利は間違いないとの考えです。
右翼側は中道右翼と極右の共和党に分かれそうですから。
もっとも左翼側も共産党が大問題を抱えています。共産党内でボリッチ政権の中堅として現体制を維持する責任を果たそうとするグループと自分たちの権利・要求を正面にすると言うグループの対立です。同じ与党の中で社会党が政権から共産党を外そうとするコメントも出しています???
南米左翼大統領の団結がないと言われますが、コロンビアの大統領ペトロはチリ共産党のハドゥエ区長が刑務所に入れられている件に関し、ボリッチに彼の釈放を図るよう要請しました。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド4.39ドルと先週とそれほど変わりませんが、為替は1ドル909ペソとペソ高になっています。
2)株式市場IPSA
6544ポイントとかなり上がってきました。
3)零細者援護
零細所得の人をいろんな項目で政府は援護していますが、年間でその費用は6億ドルになるとか。今回の電気代値上げの援護が、それに更に上乗せされることになるのですね。なんでも125万人がその申請をしているとか。

(一般)

1)公共運送の値上げ
首都圏のバス・地下鉄の運賃が今日から値上げになりました。当初20ペソの値上げになるとされましたが、また値上げ反対の社会騒乱が起きないように10ペソに抑えられました。
ところで、久しぶりに係官がバスに乗って運賃を払ったかどうか調べると30%ほどの人が無賃乗車だったとか。もちろんその人は罰金を取られます。
時間によって運賃は違いますが、800ペソとすると10ペソの値上げは約1%です。無賃乗車の人が30%もいるなら、それを取り押さえ罰金を取るようにすれば1か月もしないうちに無賃乗車は無くなります。その方がバス会社にとって有利なのははっきりしていますが、どうして係官を毎日すべての路線で働かせないのでしょうか?
4年前の社会騒乱は地下鉄代の値上げから起こったのですが、デモ隊が街を破壊しまくったとき、デモ隊の一人がピオノノ地区で川に落ち怪我をしました。その人を川に落としたとして警官が一人逮捕され裁判になりましたが、今週それが結審になり無罪でした。無実の警官を逮捕し、裁判にかけた検察官に批判の目が向けられています。その頃、警官は市民を殺すのを仕事にしているのかとクレームしていたのがボリッチなどのグループでした。

2)ベネスエラ問題
元ベネスエラ軍人オヘダがチリで殺されましたが、彼の家族はチリを出てアルゼンチンに移住するようです。チリ内務大臣のトアは事件の解決をチリで見守っていてもらいたいとしています。チリにはマドゥロを応援する共産党がいますからね。彼を殺した犯人とみられる男がチリを脱出しましたが、今週コスタリカで逮捕されました。チリは強制送還をしてほしいと要請しています。ベネスエラ政府も送還を要請しているようですが。
3)チョコレート
アメリカの農業省の発表ですがラテンアメリカ諸国の中で一人当たり一番チョコレートを消費している国はチリだとか。しかしそれはチリ人にとって心臓まひなど幾つもの病気の増加の原因になっているとされています。

以上

チリの風 その1103 2024年7月1日ー7日

最低気温がマイナス1度になるほど朝晩は寒いサンティアゴですが、太陽が出ると午後はポカポカします。太陽の当たるベランダの椅子に座って新聞を読むのが楽しみです。老人ポイかな?
今週の登山は仲間と第3展望台に登りました。先週より寒くて厳しかったです。下りてきて、公園事務所の所で麓歩きをすると言う赤ちゃんを胸に抱いた二人の女性と出会い、話し始めました。楽しく展望台まで歩いてきたと言うと、年齢を聞かれ、答えるとえーっと驚かれた後、私たちもあなた方のような元気な年長者になりたいですとコメントされました。仲間は私より3歳年長です。
今週も10キロ走りました。その前の夜、「明日は走る、必ず走る」と決めてベッドに入ります。大袈裟ですねと言われそうですが、今の私にはそれほどの大事な項目です。会社員をしているころ仕事を終えて帰宅し服を着かえて10キロを走っていたのですが・・・。今日も寒い朝、仲間と軽く走りました。冬休みに入っているので、学校の前を走っても中から子供の元気な声は聞こえません。
土曜日は学校でサッカー教室をしました。10数名の参加者でしたが、小さな子供が毎回上手くなっていくのを見ると嬉しくなります。冬でもスポーツを楽しめます。
仲間にお祝いをするプレゼントを買いました。そうして喜びを分かち合えるのが幸せです。
いつまでこの幸せが続くかな?

(政治)

1)ボリッチ動向
チリで初めて作られた砕氷船進水式に参加。
南極問題でしょうね。アルゼンチンの大統領は任期中に戦争を始めるかもしれませんから。南極問題なら相手はチリ・イギリスかロシアでしょう。
ボリッチは年金と電気代の大きな問題を抱えていますが、すぐに解決する可能性はないです。
この2か月間、世論調査でボリッチを支持するは28%から少し上がり、36%まで行きましたが、ここに来て電気代問題がネックになっています。
電気代の問題は2019年から国民に胡麻をするやりかたで値段を据え置いたのが原因ですが、貧困層に援助請求をするよう呼び掛けています。大半に値上げをして一部は据え置くと言う
手段でしょうか。大衆迎合主義ですね。
それから新左翼が合併・統一について動いていますが、自分の基礎になった仲間について、ボリッチは後ろからいろいろ援護しているようです。
統一して力を合わせるのが新左翼の進む道でしょうが、上手く行くかな?
2)人権委員会
数年前の社会騒乱の時、人権委員会はデモ隊員を守る立場で警察などを訴えました。しかし今回、国会でその委員会のトップ2名を更迭することが決まりました。その不正の理由はよくわかりませんが野党側の訴えが議会で決定されるのは不思議です。新左翼共産党人権委員会を援護しないのかな?
それから軍事政権が終わってから、軍隊関係者の人権問題で、有罪になった人間を通常の刑務所に入れずプンタ・ぺウコと呼ばれる特別刑務所に収容しました。
もう政権が民主化して30年以上ですが、まだその刑務所はあります。それを廃止して、中にいる囚人を一般刑務所に移すと言う動きが出ました。もちろん右翼側は反対しますが今までの政権でできなかったことをボリッチが達成できるか注目されています。
似たようなケースですが、現在一般の刑務所に入れられている麻薬の組織犯人を収容する特別刑務所が考えられています。
一般の刑務所に入れれば、金と力を使って、組織犯が刑務所を支配していくと言うことが起きているからです。
3)大統領選挙
2年も先の事ですが、次の選挙の候補者で一番人気のあるのはマテイ(プロビデンシア区長)、次いでバチェレット元大統領。3位に共和党のカストが入っています。
私には3人とも特に素晴らしいとは思えませんが、他の候補者がまた出てくるでしょうね。右翼間のマテイ対カストの争いがどんどん大きくなっているとか。そのカストは今週、ブラジルを訪問しましたが、そこで「国民に選ばれてボリッチは大統領になったが政権の実質はチリ共産党が握っている」とコメントしました。
毎週、共産党は与党か野党かと書いていますが、彼らは何でも自分たちのやりたいようにするわけですね。人気のレコレタ区長が刑務所に入れられると早く釈放せよと声を上げます。次のベネスエラ大統領選挙で現職のマドゥロをチリから応援します。チリで殺されたべネスエラ元軍人オヘダの事件は捜査が進んいるように見えません。ボリッチは共産党とぶつかるのと基盤の新左翼の分裂で毎日頭が痛いでしょうね。

(経済)

1)銅価格と為替
今週の銅価格は先週までよりかなり上がりました。1ポンド4.45ドルです。いつも言われるように、この価格の上下は需要供給の関係ではなく投資家の動きで変わるのでしょうね。理由はともあれ、銅価格の上昇はチリの援護になります。このため為替も1ドル937ペソと少しペソが高くなりました。
さて5月のイマセック指数が発表されましたが、何と1.1%と予想よりずっと低いものでした。しかし財務大臣は今年のチリの経済成長は、この5月の低い数字にもかかわらず、年間では2.7%に達するだろうと明るい見通しを発表しました。
アルゼンチンで新リチウム鉱山が始まりました。チリの場合は、あまり進みませんが、それはコデルコ問題などがあるので、鉱山の権利を取得するのが複雑です。
ガソリン価格が少し動いています。93オクタンが少し下がって1315ペソから1299ペソになりました。
2)新車の販売
1-6月で14.2万台と前年から10.5%減少しました。
3)ワイン
5月の輸出は6.9%の上昇。1-5月の合計では対前年で量は14.3%、価格は7.3%それぞれ上昇しました。

(一般)

1)不正移民
ペルー・ボリビアの国境から不正に移民が入国しますが、その数は毎年数万人です。そして入国してきた人はチリで仕事を捜しますが、上手く行かないときはホームレスの生活になります。一時、北部の中心の町イキケでその人たちが公園にテントを張って大量に住んでいましたが、それを止めさせるのに近くに移民用宿泊所を作りました。それを近日中に取り壊すことになったそうで、その人たちはどこに行くのか話題になっています。
今週、サンティアゴで二人組が強盗をしようと襲い掛かりました。しかしその人は私服警官で、所持している銃を取り出し発砲。二人とも死亡しました。どちらもベネスエラ人でした。
もう700万人がベネスエラから他国に移住していますが、その多くは犯罪に関連しているのでしょうか。私は運があってチリに住んでいますが、もしかしてベネスエラに住み着いた可能性もあるわけですから、彼らのニュースを聞くと悲しくなります。もっともアメリカでチリ人グループが忍者グループと言われるほど派手に窃盗事件を起こしていると話題になりますが。

(スポーツ)

1)テニス
ウィンブルドン大会で2回戦を勝ち抜いたタビロ(atp19位)は3回戦で同12位のフリッツに敗れ敗退しました。

以上

チリの風 その1102 2024年6月24日ー30日

先週と違ってほんの少しの雨しか降らなかったサンティアゴです。そのため、土曜日に大気汚染の注意報が出ました。
私の毎日は先週とほとんど同じ毎日でした。同じことを繰り返す事ができるのは喜びですね。
スポーツは山2回、マラソン2回。そして友人を読んで昼食会を楽しむ。それから銀行に行って問題を解決とか。
先週と異なったことは歯医者に行ったことくらいかな。
今週の登山は木曜日に第3展望台でしたが、街が向こう側まではっきり見え、アンデス山脈だけでなく海岸山脈も雪で真っ白でした。
予想したほど寒くもなく、楽しく歩きました。週日に楽しく登山なんて贅沢な楽しみですね。
今朝も軽く走りました。気温は低かったけど、太陽が出ていたので、日に当たるとポカポカしました。
そうそう新しい仕事の話が来て、少しづつ進んでいます。
毎日、幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
水曜日から5日間、チリ最南端部のマゼラン・南極州に飛びました。州都プンタ・アレナスで図書館のオープン式や120軒の簡易家屋の贈呈式に参加しました。
同地区の議員から大統領の訪問はありがたいが、行事予定・日程を知らせてもらえないかと要請(クレームでしょうか)が出ました。
大統領府の報告ではボリッチの同地区の通常事項のみ書かれています。
アルゼンチン問題は特別事項なので全く秘密にしているのでしょう。フエゴ島の太陽パネルを取り外した場所に行って両国の国境線を明確にするとか話し合ったと思いますが。
それからボリビアで今週、軍事革命が起きそうになりましたが、それに関しボリッチは現大統領に問題が解決して良かったですねとお祝いのコメントを送りました。
政府内の争い
今週、内務省で一人が仕事を失いましたが、彼は共産党員だったので同党の党首が、政府は共産党外しをするのかとクレームしています。社会党の議員が、その職員の仕事について大統領府が評価するのは当然で、それを反共産党の動きとするのは間違っているとコメントしました。いつも同じことを書いていますが、共産党って与党ですか野党ですか?
同党のエースのレコレタ区長が刑務所に入っていますが、早く釈放しろと共産党は怒っています。次のベネスエラの大統領選挙で現職大統領を助けようとしています。
電気代値上げ
これが最近の最重要項目です。過去5年間、毎年の適切な値上げが行われず、先延ばしになっていたので、電力会社の赤字が60億ドルになりました。それで議会は値上げを決めました。
州や使用量によって異なりますが、7月から値上げ額は20%から40%くらいだとか。この寒いのに電気代が上がったら暖房できないわと庶民がクレームすると、今年末の選挙に悪い影響を与えるかもしれないと政府内でどう取り扱うか揉めています。値上げを延期するのは今まで毎年やってきたことで、隣国アルゼンチンの前政権の方針です。
新左翼は値上げを抑えるため、電気の使用量が大きい企業に増税すればと言っています。新聞の社説に正常な価格を徴収するのは当然で、それを政治的にいじるのはいかがなものかと
書かれています。太陽光パネルをもっと使えば将来の値上げは少なくなると言われますが。
2)地方選挙
候補者選択に関し61の地区で右翼側の3党グループ(チリ バモス)の同意が出来たとか。しかしそのグループの他に共和党とかありますから、まだまだ先は遠いですね。
一番、話題になるのは首都圏のサンティアゴ区の区長でしょうね。今は共産党員が区長です。
新左翼の一部が合併することを決めたとか。どうなるかな?

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド4.30ドルと少し下がりました。為替は1ドル951ペソとペソはかなり下がっています。
株式市場のIPSAも6457ポイントと少し下がっています。
失業率は3-5月で8.3%になり、12か月前より0.2%下がりました。ほとんど変わっていないですね。
明日、5月の経済成長率イマセックが発表されますが、2.6%の予想とか。そうなら順調に進んでいますね。
2)生活価格
世界の中心都市で生活にかかる費用が比較されました。最も高いのはシンガポール、次いで香港でした。東京は23位でしたが、何とその上の22位はサンティアゴでした。
私がチリに入った軍事政権時はチリは南米で最貧困国の一つでしたから、東京より生活費用が掛かるなんて想像もできませんでしたが・・・

明日からチリの最低賃金は50万ペソになります。

(一般)

1)鉄道スト
乗務員2名が死亡したことから国鉄職員がサンティアゴだけでなくバルパライソコンセプシオンでもストに入りました。
2,3日のストの後、何とか解決しましたが、問題の根源、それをどう解決するかの詳しい点は良く分かりません。上級職員の更迭が言われています。

2)大雨災害
 南部のアラウカニア州は今週も大雨で道路が冠水し、床下浸水の家屋が多く出ています。首都圏は今週はほんのわずかの雨で、この先2週間ほど雨はないとか。
 そうそう首都圏の上水道の貯水池エル・イェソが数年ぶりに満タンになりました。同じ様に干上がっていた湖が以前の様に戻ったと言われるところもあります。その住民が20年ぶりに湖が戻った。もう私の人生で湖を見ることはないと思っていたけれどと喜んでいます。もっとも専門家は来年もこんな雨が降ればよいが、また乾季になればその湖はすぐに消え去る
だろうと。 
しかし首都圏の道路には補修が必要な箇所が50万か所もあるとかで、連日、車が大変な苦労をしながら走っています。車軸が折れたりしたら、補修不能かもしれませんね。ボリッチ頑張れと言いたいですね。がけ崩れで大きな被害が出たビーニャのコンコン地区の高級マンションの売れ行きがピタッと止まったとか。当然でしょうね。

全然関係ありませんが、ボリッチが今週訪問したプンタ・アレナスは街中が凍結とか。最低気温がマイナス14度まで下がりました。彼はその街の出身です。何と土曜日に寒中水泳の大会があり、その海に多くの人が入りました??

3)住みやすい街のランキング
世界ランクが発表されましたが、1位はウィーン、2位はコペンハーゲンでした。私にとってウィーンは欧州の中で最も好きなところです。まだ2回しか行ったことはありませんが。
そして南米のトップはサンティアゴでした。嬉しいと言うか、犯罪も増えて、それほど住みやすい所ではなくなっている気もしますが。今週の世論調査で、市民の最も心配することとして治安問題と子供の将来の二つが挙げられています。
4)国勢調査
来月末まで調査は継続ですが、6月末で96%の家庭を訪問したとか。残りの4%が難しいのですね。
さぁどんな結果になるでしょう。
5)同性愛デモ
土曜日は世界の同性愛の日でしたが、チリでも各地でお祝いのデモがありました。サンティアゴはイタリア広場の集合から始まりましたが、なんでも12万人が参加したとか。チリの同性愛者は他国より多いか少ないか知りませんが、ニュースで見るその数の多いのに驚きました。

(スポーツ)

1)サッカー
チリにとってアメリカ杯は終わりました。1次リーグ戦3試合で一つも勝てませんでした。チリが勝てる国はないと言う私の悪い予想が当たりました。
ペルーとカナダ戦は引き分け。アルゼンチンは敗戦でした。次のワールドカップ戦も同じようなことになりますね。がっかり。


以上

チリの風 その1101 2024年17日ー23日

20日冬至の日でした。チリでは先住民の日として祝日です。それはマプチェがその日を新年としてお祝いするからです。
雨が降らなかったので、その日、私は山登りをしました。最近の大雨で地面は緑一色でした。道路に小さな草が侵入?しています。道路が緑色になり、いつも歩く道なのに道を間違った感じになります。もちろん頂上の方は真っ白です。近くの丘歩きもしました。
天気予報が当たって、火曜日と金曜日は雨になりました。特に金曜日はチリの中部・南部で大雨となり、サンティアゴも場所によって80ミリの雨量でした。
その雨の中、買い物に行きましたが、ゴムの長靴を履いていたので川のような道路を歩くのは問題なかったですが、雨水でズボンが濡れました。床上浸水のなどの被害の家庭は大変ですね。その雨で土曜日のサッカー教室は中止になりました。残念。
ラソンは雨の降らない日に何とか2回走りました。遅いけどちゃんと10キロを1度走りました。
今週も友人を招待して昼食を一緒にしました。
私は毎日が日曜日の年金生活者ですが、こうして毎日何かすることがあります。幸運です。
冬至が過ぎたのでこれから毎日日照時間が増えます。嬉しいです。

(政治)

1)ボリッチ動向
フランスでマクロンとの面談などの行事を終え、チリに月曜日に帰国しました。翌日の朝、ウルグアイの大統領とモネダ宮殿で面談。その後南部の水害地に向って出発。
しかし素晴らしい体力ですね。欧州外遊から戻ってまったく一日も休まず次の仕事を始めるなんて。
外交問題
スペインのチリ大使が政府方針と異なった言動をすると言うのが問題になりましたが、ボリッチの2年の期間でそれは初めての問題ではありません。ということは彼と外務省は各大使の任命・コントロールを上手くやれないと言うことになりますね.。ところが今回の外遊で、欧州側からボリッチの外交はピントがずれていると言うコメントがどこかから出たらしい。若いと言うこと、経験がないので学生運動をしていた時の考えが直ぐに出てしまうのでしょうか?
冗談みたいですが、今回彼が訪問した各国でチリ人グループが反ボリッチのデモをしたとか。チリの国内だけでなく国外でも人気が無いのですね。
最近、毎週問題になっているベネスエラ問題ですが、彼らはまたチリを批判しました。これに対しチリは反応しないことにしたとか。そのベネスエラから始まった南米最大の麻薬グループは「アラグアの汽車」です。今週、ペルーで同グループの犯人が520名も逮捕されました。半端じゃない数ですね。警察・軍が手を組んで全国の彼らの基地を同時に襲い掛かったので大量の逮捕者が出たらしい。ベネスエラ政府はそれをベネスエラと結び付けて私たちを批判するのは同意できないとクレームしています。
ペルーが出来たことをチリが出来ないわけがないと言う意見もありますが、ボリッチはどう出るでしょう。
アルゼンチンとの問題
南極でチリが領土と主張する区域はアルゼンチン・イギリスも領土権を唱えています。
さてそれとは別に今週はフエゴ島のチリ領土にアルゼンチンが太陽光パネルを建設しました。その島は両国が分割して自国としています。
ボリッチはアルゼンチンに即時に取り外しを要求し、それが実施されなければ自分たちが撤去するとしました。ミレイはそれを受けて取り外しをしました。
わざとチリ領土に入り込み、ボリッチの対応を見たのでしょうね。
それが進むと一触即発になります。私がチリに来てから両国間の戦争が始まると言われたことがありました???

2)地方選挙
10月の地方選挙に向けて応援の動きが始まりました。右翼側は極右の共和党(カスト)とそれ以外の党(マテイ)が各地で自陣の候補者を助けます。ところで、そのマテイは左翼政党の麻薬関連は認められないとコメントしています。トア内務大臣は彼女のコメントの根拠が分からないがそういう発言で相手グループのイメージを汚すのは認められないと反応しました。また政府関係者がマテイの財政に不正がないか銀行口座を調べると言うコメントをしています。政治家は右も左も同じですからね。
社会党の議員エスピノーサがチリが民主化して以来、左翼・中道が手を組んで政権を担ってきたとしました。つまり、共産党新左翼はそれに入っていなかったわけです。それが今回のボリッチ政権はその2グループが中心になって出来たわけですから従来とは雰囲気が大きく変わります。彼は次の地方選挙、そしてその後の大統領選挙に新左翼などと手を組む可能性は少ないとしています。大きな分裂が起きそうです。
3)最高裁判所
裁判官が自分たちの中で、そして知人・友人に裁判に関するコメントをしているのが漏れて問題になっています。保有権力の悪利用になるのでしょうか。裁判官が分裂しているらしい。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド4.34ドルと先週より少し下がりました。為替は1ドル928ペソでした。
株式市場のIPSAは6489ポイントで1か月前の6700台ポイントからかなり下がっています。
2)リチウム
コピアポ内陸部に位置するマリクンガ塩田でコデルコが計画するリチウム鉱山は54の外国企業とコンタクトがあります。
コデルコが51%、他の企業が49%を保有する計画とか。
初期の段階では2万トンの生産ですが、最終目標は5万トンになります。全部で23億ドルの投資になるらしい。

(一般)

1)大雨
豪雨前線がチリを覆い、10州で被害が出ています。11000軒の家に被害があったとか。床下・床上浸水の家はしばらく落ち着けませんね。道路が湖になっている地区は来週に正常化するのか疑問視されています。警察のパトカーが水に流されているのをニュースで見ました。同じことが来年も起きますね。問題解決の手を打たなければ。
この大雨がおさまれば厳しい寒さが各地を襲うとか。どうなるかな?
2)SDR指数
社会安定指数が発表されチリは167か国中の32位で、ラテンアメリカの中ではトップでした。このまま落ち着いて継続可能な将来の安定を望みたいです。
3)汽車の事故
 首都圏南部で国鉄と私鉄の汽車が正面衝突し多数の死傷者が出ました。正規の路線を走っていなかった方の責任でしょうが、国鉄職員2名が裁判になっています。
 何かの思い違いか、機械の故障とかの理由がはっきりするでしょう。列車は試験走行で乗客はいませんでしたが、それが通常の運行なら死者は今回の2名でなく大惨事になっていたはずです。
国鉄総裁は他国のプロに状況の検討をしてもらうとコメントしました。

(スポーツ)

1)サッカー
アメリカ杯が始まりました。チリは初戦をペルーと戦いましたが、0対0で引き分け。試合を見ていて緊張興奮することはほとんどありませんでした。
チリの1次予選突破は難しいですね。


以上

チリの風 その1100      2024年6月10日ー16日

チリの風も今週で1100号ですね。もう20年以上、毎週書いています。私はパソコンのシステムが良く分からないのでその更新を日本の平岡さんにお願いしています。
長い間、お世話になっています。ありがとうございます。そして校正はチリの今村さんに助けてもらっています。感謝です。
さて今住んでいる住居を売りに出していますが、売れれば南のフルティジャールに移住します。
その時はブログを「チリの南風」にしましょうか?
天気予報が当たって、今週のサンティアゴは木曜日に大雨になりました。激しい雨の中、ゴム長靴を履いて買い物に行きました。
南に行けば、雨の日が多いですからね。

スポーツは何時もの通り。登山は雨の前に近くのサン・ラモン山岳公園で川巡りコース、そして雨の後に丘歩きでした。後ろのアンデス山脈は雪で真っ白、前の海岸山脈の上の方も雪をかぶっていました。ただ土曜日の登山教室は大雨で登山道がずぶぬれになったので中止にしました。
ラソンは先ず週日10キロを走りました。毎年・毎月遅くなりますが、それでも10キロ完走です。いつかその内、「以前は10キロ走っていました」と言うのでしょう。
60歳の時、フルマラソンを走っていますから。今日も軽く走りました。
そして日曜日の昼に妻の親せきの5名を招待して昼食。食事と会話を楽しみました。
いつも同じことを書いていますが、異国のチリでこうして毎日楽しく生きていけるのは最高の幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
欧州訪問のボリッチは先ずドイツを訪問し両国の交流を図りました。その次にスウェーデンに行きましたが、チリの大雨のため、公式行事を一部中断してチリの様子を調べました。
「私や大臣がチリにいなくても、チリの一大事を取り扱う仕事はちゃんと実行されている」とコメントしました。
外交関係ではスイスで行われたウクライナ平和会議で各国首脳と面談しました。もちろんウクナイナ大統領との面談もありました。ボリッチはロシアを厳しく批判しています。
明日、フランスに向って出発します。

ところで彼がベネスエラ政府と揉めていることに関し、チリ共産党はボリッチを批判しています。共産党は与党ですか、野党ですか?
ベネスエラ政府にすればチリで殺された元軍人の事件はベネスエラ国内の問題だからチリは口をはさむなというのでしょうか?
共産党のシンボルのレコレタ区長は刑務所に収容されていますが、有罪になるまで自宅待機にさせてほしいとする要求は拒否されました。
スペインのチリ大使がチリ政府のイスラエルに関する姿勢を批判していますが、それに関し外務大臣はチリはイスラエル・ベネスエラに関する姿勢は明確で揺るぎはない。
チリ政府に同意しないのならその大使の継続をどうするか考えるとしています。その大使は大学闘争の時からボリッチの仲間でした。
ボリッチはイスラエルのガザ攻撃はロシアの場合と同じく人権問題の犯罪行為だとしています。
もちろん、そのうち南極問題でチリはアルゼンチンと対立するでしょう。

奨学金CAEの問題は放置されたままです。
2)年金改革
現在より年金基金に蓄える金を給料から多く引き抜くことが以前から議論されていますが、結論が出そうです。
しかしそれとは別に、またその基金から各自が金を引き出す案が出されています。その議員は私は皆さんのために働いていると言いますが、そうして何回も基金を引き出せば、年金をもらうようになる時、雀の涙になるのは明白です。そんな議員は議会から消えてほしいですね。
3)予備選挙
先週に10月の地方選挙の各グループ代表を選ぶ予備選挙がありました。テレビを見ているとほとんど投票者がいませんでしたが、その投票が行われた60の選挙地区の投票者の割合はなんとわずか6%でした。誰も興味を示さなかったと言うことですね。無駄な選挙でした。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド4.37ドルと少し下がりました。このため為替は1ドル919ペソとペソ安になっています。
2)GDP
世銀の発表ですが、今年のチリの数字は年初考えられていたのより上向くだろうとのこと。順調に上昇しているのですね。
しかしチリの株式市場IPSAは3%と4月以来の大きな落ちで今週6480ポイントになりました。

(一般)

1)大雨
南部地方はもう連日大雨でした。ビオビオ州の州都コンセプションも道路が使えなくなったりして通常生活に影響しています。サンティアゴは地区によって雨量は変わりますが約60ミリの雨になりました。
全国で3300件の家屋に被害が出たとか。
来週、何ともう2度雨の前線が来ると言われています。サンティアゴは火曜日と金曜日に40ミリの雨が予想されています。このためGDPが予想より少し下がるとか。大雨被害ですね。
日本も沖縄で洪水被害があったとチリのニュースに流れました。
2)犯罪
刑務所の警備員が12名逮捕されました。なんでも麻薬・武器の販売に手を出していたとか。
先日、警官が商店から警備費用として金をとっていたことが見つかりましたが、チリもそういう犯罪が増えましたね。4年半前の社会騒乱より昔は無かったのに。

(スポーツ)

1)サッカー
来週からアメリカ杯が始まります。チリ代表は今日アメリカに出発しました。チリは初戦を21日にペルーと戦います。
その大会を前に行われた練習試合ですが、今週パラグアイサンティアゴの国立競技場で45000人のファンを集めて対戦しました。結果は3対0で勝利。
まだチリより弱い国があるのですね。
アメリカ杯で1次リーグを勝ち抜けるかな?

以上

チリの風 その1099 2024年6月3日ー9日

先週と同じように今週もそれほど寒くはなりませんでした。
しかし何とこの土曜日の夜からサンティアゴはかなりの雨でした。来週も何日も雨になり100ミリほどの雨になるとか。

カマラの事務所で8月の講演の相談をしました。かなり方針が確定したので、毎日一人で頭に入れたストーリーをぶつぶつ喋って練習しています。
今年度2回目の家屋税の支払いをしました。後半にあと2回が残っています。
スポーツは何時ものように実施。登山は木曜日に今月の登山教室のルートを下見で歩きました。上から街を見るとスモッグがひどかったですが、その日は大気汚染の警報が出て車両の走行制限がありました。そして丘歩きもじっくり楽しみました。
土曜日はサッカー教室でいつものように楽しく練習しました。
ラソンは週日の10キロ走はばっちりでした。日曜日も少し短いけど走りました。
それから旅行代理店に行きました。ガイドの仕事がまた少しづつ始まりそうです。
友だちの日本レストランに仲間と行って、楽しくそこの料理を楽しみました。そこのウェートレスのチリ人女性は日本語を自分で勉強したとかで流ちょうに話していました。私はもうここに45年もいるのにまだチリ人の様には話せません。
毎日こんな風に日程が入っていてそれを楽しく実行していますが、幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
先週の議会で発表した教書が与党側の議員の混乱を起こしているとか。彼の言うとおりにやれない・やりたくないと言うことでしょうが、ボリッチの考えが一般の左翼とかなり差があるのですね。一番の話題は妊娠中絶を認めると言う方針です。社会党の党首が「中絶問題は国民の最大関心事ではないが、ボリッチはそれを年末の選挙の票集めに使おうとしているのでは」と冷たい反応です。

週の初めに北の国境の町アリカに行って住民保護の施設を見学し、地区の人と話し合いました。
外交ではベネスエラ と中国問題があります。先日、ベネスエラ反政府活動をしているオヘダがチリ国内で殺されましたが、その犯人の後ろにベネスエラ政府がいるのではとされ問題になっています。それをベネスエラ政府に問い合わせたところ、先方の検察は一つの事件を利用してベネスエラを批判するとは何事かと逆にチリを糾弾しました。ボリッチは事件の更に詳しい状況を知らせ問い合わせるとか。もっともそこと外交関係を切断するとまでは行かないらしい。もう一つは中国からの鉄鋼製品に特別関税をかけた件で、中国政府は我が国は中国製品の輸出に特別の支援をしているわけではなく、正当な価格で販売している。それに特別関税をかけると言うことはチリの市民に悪い影響を与えると言うことだと批判しました。つまり黙って中国製品を使えとするのでしょうね。
それから市民調査で彼を支持するは31%。しないは61%でした。
今日、欧州に向けて飛び立ちました。外に出るとホッとするのでしょうね。
2)予備選挙
今日の日曜日に、10月に実施される地方選挙の前段の予備選挙がありました。全国60か所で行われましたが、テレビのニュースを見ているとほとんど投票する人はいませんでした。
政府がこの選挙を成功させようとする応援をしなかったと批判していますが、野党でなく与党というのがおかしいけれど、先週のテレビのニュースでこの選挙のことはほとんど報道されませんでした。つまり政府だけでなく誰も興味がなかった無意味な選挙となりますね。6時に投票が終わり、開票されますが、普通なら全テレビ局が報道するのに今日はただの1局でした。
予選で勝った候補者の所属する党ですが、やっぱり新左翼共産党もいました。根強いファンが入るわけですね。
3)ハヅエ区長収監
サンティアゴのレコレタ区の区長ハヅエが汚職の疑いで裁判になっていますが、裁判所は有罪になる前に彼の収監を決めました。共産党は怒り狂って政府を批判しています。
この裁判は政治活動として共産党をいじめるだけだ。政府はそれを認めるなとしました。ボリッチは裁判に関して政府がコメントすることはできないと知らん顔です。
共産党と同じくボリッチを支える新左翼の中心グループRD党が北部のアントファガスタで「民主主義は生きている」というグループを作り貧困層に政府援助で住宅を供給するとする運動を始めましたが、政府から出た寄金を自分たちのものにしていたと訴えられました。今からちょうど1年前の事です。ボリッチ政権の基礎はボロボロですね。

(経済)

1)銅価格と為替 
銅価格は1ポンド4.46ドルと少し前に5ドルを超えていたのに下がってきています。為替は1ドル910ペソと少しペソ安です。

ところでロイヤリティ税が前年対比14%減少しました。この理由は主に銅の価格の低下とか。
これとは関係ありませんが、中銀発表の経済成長イマセック指数率4月は対前年3.5%アップで順調です。
2)物価上昇率IPC
5月の指数は0.4%、過去12か月で4%でした。落ち着いてきていますね。ただ電気代がかなり上がる可能性があるらしく、その時はIPCに少し影響しそうとか。

OECD加盟国の正規雇用従業員の中で社員になってから1年以内の人の割合がどれくらいあるか調べたところ、チリは31%でトルコ・コロンビアに次いで3番目の高い数字でした。
コロコロ変わるわけですね。

(一般)

1)犯罪
裁判官連合が、仲間の裁判官が脅迫されていると発表しました。その裁判官は逮捕された麻薬組織グループの「アラグアの汽車」メンバーを釈放しました。
その釈放された犯人が再び、犯罪に手を出したからで、裁判官は犯罪グループの仲間なのかとするわけです。コロンビアとメキシコは麻薬組織が勢力を保持し社会問題になっていますがチリもそんな雰囲気が出ています。犯罪組織を抑えるためには、警察・検察そして裁判所の努力・協力が必要となりますが、チリはどうなるでしょう。
2)がけ崩れ
この週末の雨でバルパライソ州の崖のそばに建てられた高級マンションの基礎部分ががけ崩れになりました。昨年も同じ問題が起こっています。そのような場所は海に面した絶景で広いベランダから沈みゆく太陽を見れるのですが、雨でビルの下が削れると崩壊の可能性が出ます。またそこの住民は退去の命令を受けるのでしょうか?
サンティアゴでもサン・ラモン断層の山の中腹に建てられたマンションが、次の大地震で崩れると言われています。

(スポーツ)

1)サッカー
今月末からアメリカ大会が開始されますが、今回の開催地はアメリカです。チリはその中でAグループに入り、アルゼンチン・ペルーそしてカナダと対戦します。
その前兆で、来週パラグアイと親善試合をします。一時はチリがアメリカのトップだったこともあるのですが、今はどこにも勝てないと言う雰囲気です。 

以上

チリの風 その1098 2024年5月27日ー6月2日

いつものようにチリ大学病院に血液検査に。朝早い7時前の地下鉄で出発。それは患者が混まないうちに採血して医者の来るのを待つため。9時ころ正常と判断された検診も終わって外に出た。その日の散歩は中央市場を通ってセントロのモネダ宮殿へ。そこで警察音楽隊のパレードに出会った。さて市場の近くは人であふれ、労働者の熱意が感じられた。もちろん彼らが正規雇用者か非正規かは分からないし、最低賃金で働いていれば、毎日の生活が厳しいのは自明だ。それは安易な生活ではない。それからその日はホームレスには会わなかった。
スポーツは今までと同じ。登山は仲間と第1展望台に行ったが、驚いた。今まで山は枯れた草で覆われていたのに、先週の大雨で、麓だけでなく上の方まで下草の緑が覆っていた。
そして丘歩きも一回楽しむ。マラソンは2日走ったが、そのうち1度10キロを走った。私の年齢では4日スポーツをできるのは本当に幸せだ。
この幸せがいつまで続くかな?
少し前、最低気温はマイナスまで下がったが、今週はそれより数度高く、それほど寒くはなかった。広葉樹の赤や黄色の落ち葉が公園に満ちている。

(政治)

1)ボリッチ動向
今週の話題は3回目の年次教書の発表だ。1回目は夢の公約の連発。2回目は失敗・反省のコメント。さて今回は?
土曜日の朝11時に議会で演説が始まったが、その日テレビは朝9時から特別番組で彼や周りの動きを報道した。
その中継を見たが彼は落ち着いて話を進め、議場の拍手を受けていた。例えば、「チリは民主主義が定着し、約束を守ることが知られているから外国からの投資が年々増加しているのは素晴らしい事実だ」「先住民の権利を守るのは当然だが、マプチェの犯罪グループを警察・軍隊の協力を得て抑え、この2年間犯罪数が減少している」
彼は2時間45分の講演を堂々と終えた。私は講演で45分話すと疲れてヨレヨレになるが、さすがに若い彼は3時間も話続けることができるわけだ。
年金について、「もらっている年金だけでは生活できない方が多くいる。その方々がお亡くなりになる前にその改善をしようではないか?」とコメントすると会場の大拍手を受けたが、もっともそれをどう実施するのか言わなければほとんど意味はないだろう。
市民の安全は最重要テーマだが、それに関してはそれほど新しい対応策はコメントされなかった。経済の発展も中心テーマだが、この1年間、政府は延々と努力して成果が出ていると
発表した。新聞の社説にこの2つの主要テーマで新しい提案はされなかったと冷たい評価が書かれた。
問題になったのは妊娠中絶関連で、ボリッチはその自由化を進めたいとすると最右翼の共和党議員はそれを拒絶して退席した。もとろん与党内でも新左翼共産党は賛成でキリスト教民主党など中道左翼は反対となっている。
さて大統領府の案内では欧州外遊のボリッチは6月9日に先ずドイツに向けて出発とか。
彼はパレスチナを支持し、イスラエル糾弾を繰り返しているが、従来のチリはアメリカ・イスラエル側についていたので大きな変化と言われる。
なんでもイスラエルとチリの軍隊は兵器などの交流などもあったとか。今回の教書の中でもイスラエル批判を取り上げていた。

世論調査
ボリッチを支持するはまた下がって29%だけ。これからもっと下がるだろう。
しかし注目されるのは次の大統領選挙の候補者とされる左右2名づつの4名が国民に大きく嫌われていること。
与党側は現内務大臣のトア、元大統領のバチェレット、右翼側は前候補のカストとプロビデンシア区長のマテイだが、世論はその4名ではなく他の候補者に投票したいとか???
来週の日曜日(9日)に地方選挙の予備投票があるが、市(区)によっては選挙のないところもあり、自主投票になっている。
南極問題
大臣と一部議員が南極に飛んで現地視察。チリ政府としては現在チリ領土と主張しているところに現在よりさらに大きな基地(事務所・住居など)を建てたいとか。
予算は140億ドルとか。奨学金CAEの取り消しなど無理だろう。新聞の投書にCAEの件より年長者の家屋税支払いを助けてほしいとあった。ボリッチの演説ではこの奨学金問題をどう進めるかについては詳しい話はされず、新しいシステムを考えたいとされた、逃げ腰だ。
政府分裂
首都圏のレコレタ区長ハズエが汚職の罪で裁判になっている。共産党のエースの彼を党首は全力で支持するとコメントしている。ボリッチを支えるのは新左翼共産党だが、新左翼はすでに住居補助金問題で裁判になっており、今回は共産党員が裁判になったことからメンツ丸つぶれ。
トア内務大臣は与党内でもう分裂感が拡大しているとした。無理もない。その内務大臣はバケダーノ将軍の銅像をオリジナルのイタリア広場に戻すのか聞かれたところ、それを怖がっていると答えた。それは4年半前の社会騒乱の時、その銅像は反政府デモで壊されそうになったことから違う場所に移された。
それをもう一度、オリジナルの場所に戻してはどうかと質問が出たわけだ。ボリッチの仲間の暴力デモですね。

(経済)

1)銅価格と為替
銅価格は先週よりかなり下がって1ポンド4. 53ドル。そのためか為替もペソ安でなんと1ドル918ペソ。大きく落ち込んだ。
それからリチウム関連の件でコデルコ銅公社とソキミチSQMがリチウム関連の合意事項にサインした。落ち着いて共同事業が進みます。
来週発表の今までのGDPの数字はかなり明るいと予想されている。さぁどうかな?

(一般)

1)犯罪
毎日のニュースは犯罪関係が中心です。見ていてもう飽きたと言う気がする。今日のニュースで非番の警官が強盗犯を見て逮捕しようと発砲した事件が報道された。
教書で犯罪抑制の話は出たが、毎年・毎月良くなっているとは思えない。
個人犯罪と犯罪グループの二つの問題があるが、しっかり手を打ってほしいもの。
2)インフルエンサ
病院の緊急病棟の空きベッド数がほとんどなくなる(使用率94%)と言うかなり厳しい状況だが、国が呼び掛ける予防注射は目標の85%にはまだ遠い72%が接種したとか。
死亡者数は5月までで昨年は171人、今年は201人と増加傾向です。
それとは全く関係ないが、自分の子供が難病にかかり、その薬の価格が莫大なもので通常の家族では支払えない、何とか政府の援助は得られないかと一人の母親が南部のチロエ島からモネダ宮殿を目指し歩き始めた。そして1000キロを歩きモネダ宮殿に到着。ボリッチ大統領は彼女に挨拶した。その歩きの途中、市民が彼女を応援し、隣町まで同行するとか寄金を渡すとかして励ました。同じ病気の子供が国内に数百人いるとかだが、意地を出してそれを完成させたその女性は素晴らしい。子供さんの病気が良くなるのを祈ります。
3)アタカマ天文台
東大がチリ北部の5640メートルの高地に世界1と言われるアタカマ天文台を完成させた。素晴らしい結果が発表されるのを期待したい。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦は前半終了です。人気チームの結果は、チリ大学(1位)とカトリカ(3位)とコロコロ(4位)は敗戦でした。
今月末からアメリカップが始まるので来月までリーグ戦はお休みになる。
さてチーム別の南米大会リベルタドール杯に参加の3チームの内コロコロとワチパトが1次リーグを勝ち抜きベスト16に入った。

以上