チリの風 その1092 2024年4月15日ー21日

三温四寒です。週日、最高気温が30度近くに上がりましたが、週末はそれが20度ほどに下がりました。晩秋の雰囲気のサンティアゴです。
今週もいつもと同じようにいろんなことがありましたが、一番大きな出来事は友人の手術のための入院でした。日本から見るとチリは医療システムが低いレベルと思われるでしょうが準備の段階から本番までいろんな面談・予備検査があります。用意が整ってから手術に入りますが、そのレベルはかなり高いと感じます。
彼の手術はうまく終わって無事に退院できました。
そのため時間が無くなり登山はできませんでしたが、マラソンはいつもの通り2回走りました。10キロも一回走っています。
それから土曜日に大きなパ-ティがありました。妻の友人が南部から来たのですが、その彼女の誕生日の祝賀会に首都圏に住むその人の家族・友人が20名も集まりました。
私の住居でそんな大勢の人が集まったのは初めてです。リビング・テラスにいすを並べ飲んだり食ったり。私もギターを出して歌を歌いました。
それで疲れたので日曜日は妻と近所のレストランに行きました。
他にも毎日いろんなことがありました。そんなことが起きる・楽しめるのが幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
全国を回って、いろんな行事に参加しています。
しかし新聞に主要企業の多くの代表がチリの現状は経済の成長に足かせになっているとしているが、政府はそれを不愉快に思うのではなく、問題点の解消・改善を図っていくべきだろうとする記事が掲載されました。私はその通りだと思います。さらに78%の企業は今年に用意されていた投資を中止・延期すると発表しています。
2)共産党の動き
国会の上院議長共産党議員がなりました。私は見る目がないですね。共産党議員のカリオラが選ばれると思いませんでした。
副議長になった議員は新左翼ですが、彼が秘密をばらしました。
大統領府長官のエリサルデが 彼の所に来て、新左翼が議長に共産党員を推すようにしてほしい。その場合は副議長に新左翼の君を選びたい。
結果は何と76対75のわずか1票の得票差でカリオラが選ばれました。右翼左翼に属さない独立派の議員の投票がこの場合のキーになったとか。
野党側はかんかんですね。政府と議会は独立した組織で口をはさむのは許されないとしています。確かに新聞にこうした問題を解決・軽減するために政治組織の改編をすべきだとのコメントがでましたが、各組織は自分の勢力以外を見る目は無いのですね。
ところで、そのエリサルデは経営者にチリの将来に関して、右翼・左翼の政治的感覚を入れないで判断してもらいたいとコメントしました。
それから共産党員でレコレタ区長のハズエは不正問題で裁判になっています。その彼がベネスエラ政府に招待され、出国しようとしましたが、それが司法から拒否されました。
彼の弁護士がかんかんになってクレームしていますが、まさか彼はベネスエラに出てそのままそこに永住するつもりではなかったでしょうね。
ところでチリ政府はベネスエラ人で強制送還になった囚人を5月の始めにその母国に送りますが、その便の到着を同政府は認証したとか。ボリッチとマドウロはその内、ビデオ面談をするでしょう。
チリにはベネスエラからの移民が100万人を超えていると言われます。
3)外交
アルゼンチンの外相がチリ北部のイキケを訪問し、そこでイランに応援されているテロ組織ヒズボラがここで活動していると発表しました。ボリッチはそれを否定し、同政府にクレームしました。アメリカの議員が同じようなことをコメントしているので、何か根拠があるのでしょう。チリの私服警察PDIはチリにそんな組織は存在しないとしています。
その後、アルゼンチン政府はそれは間違いだったと謝罪しました???その発言の根拠がそのうち発表されるでしょう。
ボリッチは大統領についた時、外交を重要項目とし、頻繁に諸国を訪問しました。チリをラテンアメリカの新しい中心にしたいとしたわけです。しかし彼の動きは全く評価されず逆に混沌とした状況に陥っているように見られます。

(経済)

1)銅価格と為替
銅の価格は1ポンド4.42ドルと異常な高さになりました。供給難とAI需要がその原因と言われますが通常ではないですね。
しかし不思議なのは銅価格が上がると普通チリペソも強くなるのですが、今週は逆で1ドル958ペソと先週よりペソ安になっています。
それから製鉄産業で中国品がチリに流入し、ワチパト製鉄が倒産する危機にありますが、その状況はチリだけでなく世界各地で起きているようですね。
そのためチリでは中国品に25%の特別関税をかけることになりそうで、倒産が避けられるように思われます。ボリッチは中国よりチリを優先したのかな?
その特別関税の詳細は分かりませんが、今夜のテレビのニュースでそれを喜ぶ製鉄関係者が報道されました。
2)最低賃金
CUT中央労働者連合はボリッチ政権中に63万ペソまで上げるよう要求を出しました。これが通ると中小企業の財政に瞬時に影響しますから。失業者数の増加が心配されます。
そこは共産党系が組織の中心を占めています。

(一般)

1)ホームレスの増加
現在、チリには21200人ほどのホームレスがいるとか。前年より6%の増加ですが、コロナ問題の前の2017年と比較すると2倍になっています。これから冬が近づくと首都圏でも最低気温は零度になるわけで、ホームレスの人には厳しい環境です。
2)犯罪
麻薬組織ツリニタリオはドミニカ共和国から来た組織ですが、サンティアゴに根を張って活動しています。今週、そこに手が入って組織の基盤が揺らいでいます。
そのまま組織が崩壊するまで警察の攻撃が継続してほしいですね。

(スポーツ)

1)サッカー
今週の話題は人気チームのコロコロとカトリカが対戦しコロコロが勝って7位に上昇しました。カトリカは10位です。

首位のチリ大学は2位のパレスチーノと戦いましたが、引き分けで首位を守りました。

以上