チリの風 その1085 2024年2月26日ー3月3日

私にとっていろんな約束事のある希望の3月になりました。夏休みが終わって、車の通行量が目に見えて増えました。
最高気温は30度を超えていますが、朝晩は秋のように涼しくなってきたサンティアゴです。
今まで長い間マラソン練習をしていますが、数回転倒して負傷しました。2週間前も顔・膝に怪我をしましたが、ほとんど治ってきて今週また10キロを走りました。まだ走れるとほっと一安心です。
登山は今年の最高目標のアポキンドの滝に仲間と3人で。7時間歩きを達成して楽しく戻って来ました。
原稿もちゃんと書いています。こうして毎日することがあって幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
夏休みを終えてこの金曜日からモネダ宮殿に戻りました。最初の会議でこれから政権の後期が始まるが、新しいことを始めるのではなく、今までの公約を全部実行すると言う方針でやっていきたいとしました。
そしてアメリカの財務担当のジャネット・イエレン議長と会議しました。中東問題でアメリカ寄りの国はイスラエル、逆の場合はパレスチナを応援していますがボリッチ政権は明確にパレスチナ側です。さて今回の会議でアメリカはチリに何を要求し何を提供したのでしょう。リチウムなど鉱山関係の事項でしょうか?
市民調査ですが、彼を支持するは少し上がって35%。チリ国民は新聞・テレビのニュースにちゃんと反応しますね。
今、政府内で最も問題になっているのは政府を支える党の中心の社会党共産党の争いです。チリが民主化して以来、社会党は常に政府の中心でしたが、共産党は入れませんでした。しかしボリッチが新左翼共産党をベースに政権を取ったので、現在は社会党共産党は対等の立場で、共産党は自由に自分の意見をボリッチに受け入れさせようとします。
ベネスエラ人殺人事件を含め、共産主義共産党)を批判する声が大きいが、それはいかがなものかと論争を抑える方針の様です。それから与党グループに10月の地方選挙で、仲間を敵のように扱う現行方針を直したいとしました。

2)ベネスエラ問題
ベネスエラの元軍人でチリに政治亡命したオヘダが行方不明になっていましたが、同政府は自分たちはその事件に全く関与していないとコメントしました。
政府の記者会見の時、この件に関し、与党の共産党は仲間のベネスエラを犯人扱いするなと言っているようだが、政府はそれをどう扱うのかと聞かれました。政府の大統領府長は、政府として必要なことはすべて行う。共産党のメンバーがベネスエラ事件についてコメントするのは個人の見解で、共産党として意見を出しているのではないとしました。しかし週末に彼の死体がマイプで発見されました。新聞にはチリの警察力がそれほど高くないと言えると厳しい批判が出ました。さらに彼の書いた文章が見つかりました。遺書ではなく自分が置かれた状況を書いています。彼を殺したのはベネスエラの麻薬組織ではないかと言われています。
3)その他
新左翼の統一運動が始まりました。いくつかの党が新左翼組織を形成していますが、素人の私にはそれらがどう違うのか、どの党に誰がいるのかなどよくわかりません。そして革命民主党など裁判問題になっているところは党の存続も疑問視されます。
ゴンサロ・ウィンテル(CS党議員)は新左翼勢力がなぜ生まれたのか、それをどう伸ばしていくのかボリッチはちゃんと国民に伝える義務があるとコメントしています。金持ちの好きにはさせないぞと4年前の社会騒乱の時に、社会党などの中道左派とは違ったことを叫んで生まれたグループですからね。
アタカマ州の教員組合は学校施設に問題があり、通常授業が出来ないとクレームしていますが、学校の始まる前の今日、教育大臣がすべての工事が終わっているわけではないと批判を受け入れました。ボリッチはどう反応するでしょう。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド当たり3.81ドルと先週と大きく変わることはありません。為替は1ドル970 ペソと先週より少し良くなり、1000ペソの大台から離れました。
2)経済指数イマセック
先週の予想を大きく上回り、中銀の発表の1月のイマセック指数は2.5%の上昇でした。今年は順調に行けるのかな?もっとも新聞にボリッチは国債軽減のための増税を検討しているが、今がその時期かは疑わしいと書かれています。

3)株式市場IPSA
今週のIPSA指数は過去最高の6482ポイントまで上がりました。日本のケースと同じですね。素人の私には日本とチリが同じ時期に同じように過去最高を記録するのが不思議です。どちらも過去に比べて景気が良くなっているとは思えませんから。

(一般)

1)山火事
 今日、発表された数字ですが、燃えたのは12976 ヘクタールで、現在延焼中は11か所です。
2)犯罪
 毎日、テレビのニュースは犯罪関係が中心で飽きますが、今週のケースです。首都圏の家に泥棒グループが入りました。オーナーは正式に許可を受けた銃を所持していたので、それを犯人に発砲し一人に当たりました。残りの犯人は逃走しましたが、撃たれた犯人は警察に逮捕されました。彼は以前にも同様の犯罪を犯していたとか。一向に良くならない証拠ですね。
3)スーパー月曜日
 夏休みが終わって、学校・会社が正常化しますが、その最初の日が次の月曜日です。そのスーパー月曜日をどうすれば大きな混乱がなく正常に動くかを政府は検討し、交通機関の問題を筆頭に各部門の協力を進めています。今日の日曜日に30万台の車が首都圏に戻ってくるとか。
それらの車は明日から首都圏を走りますからね。交通渋滞は大変でしょう。
4)出生率
チリは1.5人でラテンアメリカの中でコスタ・リカと並んで最小でした。赤ちゃんを持つのは責任・経済に大きな影響を与えると夫婦は考えるのでしょうね。
5)ビーニャ音楽祭
日曜日に始まり金曜日の夜に終了しましたが、連日、1万数千人が会場を埋めました。毎日満席なんてすごいですね。私は毎日、最初の出演者だけ見ていました。

(スポーツ)

1)サッカー
人気3チームの結果はコロコロとカトリカは勝利、チリ大学は明日試合をします。3戦目が終わった段階で3連勝のオヒギンスが首位です。
2)テニス
ATPのチリオープンが開催され、男子個人の決勝はチリのタビロ(世界ランキング51位)とアルゼンチンのバエス(21位)が対戦。残念、バエスの勝利でした。
ダブルスはチリのタビロ・バリオス組が優勝でした。


以上