チリの風 その1086 2024年3月4日ー10日

夏休みが終わり、通常生活が戻りました。テレビのニュースで「今まで10分で来たところが今日は25分かかった」「娘を学校に連れて行くのだがこんな渋滞だと遅刻してしまう」とか怒っているドライバーが出ています。数字の上では車の運行量は先週より10%、地下鉄の乗客は13%増えたとか。
もっとも私の場合はずっと休みだし、車もないので今週も先週と同じです。
最高気温は30度くらいですが、朝晩は涼しくなったサンティアゴです。
さてマラソンは2回練習。そのうち1回は10キロ走りました。先週のアポキンドの滝歩きの疲れか、記録は先週より悪かったですが、まぁええやん。
山登りは近くの丘歩きを1回と、遠くのマイプ渓谷に一回行きました。そこまで地下鉄とバスを乗り継いで約2時間かかりますが、もちろんスモッグのない青空は素晴らしいです。
土曜日はサッカー教室。暑い日差しでしたが、親子ともにプレーに熱中しました。
毎週書くように、いろんなことがあってそれを楽しめるなんて最高の幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
 スペインの大統領サンチェスがチリを訪問しました。スペインはチリに取って最重要貿易国の一つですが、商業以外にも緊密な関係を維持しているとか。
ところで、サンティアゴでもうすぐ航空見本市がありますが、イスラエルの参加はなさそうです。なんでもボリッチがその参加を拒否したと言われます。
それに関して前・元外務大臣がそれを咎める発言をしています。パレスチナ支援の姿勢とイスラエル外しがあまりにも派手だと言うわけですね。
 そしてベネスエラの亡命軍人が殺された事件で、ボリッチはチリ共産党と揉めないようにするため、その件に関してコメントを抑えているとか?その党首カルモナは殺された軍人が悪いと思っているみたいですが、その理由は殺された元軍人はベネスエラで大統領に反対する運動をしていたのだからとします。
 しかしこんなニュースが続けば、世論調査で彼の人気は下がりますね。今週でちょうど任期の前半が終わり後半に入りますが、新聞の特集で彼を支持するが一番高かったのは就任した時の2022年3月で50%、逆に低かったのは25%で、今は29%とか。逆に否定するは就任時20%だったのが最高70%まで上がりました。
 彼は2年間で15回も外国訪問をしています。そのうち4回はアメリカです。確かに旅好きですね。
 ところで共産党の件ですが、レコレタ区の区長(共産党員)は区が運営する薬局で出た利益が誰かの懐に入ったと訴えられ裁判になっています。彼は自分は何も不正はしていないとコメントしていますが、右も左も政治家は同じですね。
 
 さてボリッチは山火事が起きたバルパライソ州のビーニャで小学生に入学式の前に学用品のプレゼントを渡す式をしましたが、そこの市長がクレームしました。「学用品をもらっても、彼らは家の庭のテントの中で寝起きしているんですよ。簡易住宅の建設がどうして遅れているのですか?」その市長は野党でなく新左翼系です。

それから新左翼の政党が他の党と合併することの是非を問う投票が始まりました。さぁどうなるかな?
ところでキリスト教民主党は次の地方選挙に現在の与党グループと合意・同行する事を決定しました
2)ピニェラ死去1か月記念
彼が亡くなって1か月たちました。木曜日にその記念日の式典があり、多くの政治家が参加しました。ピニェラの名前を使って野党の宣伝をしているのでしょうか?ピニェラがいなくなったので野党側の大統領候補はプロビデンシア区区長のマテイが断トツです。もちろん最右翼の共和党はカストを担いで勝負にでるでしょうが。その前の地方選挙は与野党ともに内輪もめしています。ラス・コンデス区は現職が野党統一候補になりますが、共和党が元大臣の女性を候補にして激しい競争になりそうです。
 

(経済)

1)銅価格と為替1ポンド3.88ドルと先週より上がりました。それで為替は1ドル965ペソとかなりペソ高になっています。
銅とリチウムはチリの重要項目です。外国資本はそこに投資をする傾向ですが、チリ資本は逆に引き上げる様子です。もう魅力は無いのかな?
しかしリチウムの件でSQMに投資した中国資本がSQMと何か揉めていると報道されています。
2)株式市場
IPSA先週に続いて今週も新記録を出しました。
3)物価上昇率IPC
2月のIPCは0.6%でした。今年になって1.3%、過去12か月では4.5%です。今年になって1.3%は高いですから、中銀は公定金利を下げるのを渋っている由。
またインフレ問題が戻るのは避けたいですからね。

(一般)

1)犯罪
ブラジルの最大麻薬組織PCCがチリに入りました。今までベネスエラ(アラグアの汽車)など外国の麻薬組織がチリ国内で大きな勢力を持っていましたが、ここに来て南米最大の組織がチリ市場に侵入したわけです。
チリ国内に警察がまるで手が触れられないような地区が存在するが、政府は何をしているのかと言うコメントが出ました。貧民地区などで私服・制服の警官が入れないようなところがあるのでしょうか。

国際女性デー
世界共通ですが、国際女性デーは3月8日です。全国各地で毎年のようにデモがありました。サンティアゴの場合は中心道路のアラメダ通を封鎖してデモ隊が溢れました。政府関係者や議会の女性も多く参加しました。道路がデモ隊で覆われるのを見るのは久しぶりでした。チリの女性の権利はラテンアメリカの中では上位ですが、アルゼンチンやウルグアイより低いとか。このデモで大きな混乱はありませんでした。
2)学習
学力検査は小4と中2を使って検査が行われます。今年の数字はコロナ問題前のレベルに戻りました。学習の通常化が進んでいるわけですね。オンラインで勉強するのが長い間続きましたから。
3)山火事
今日の段階で火事は110か所で起きており、そのうち6か所で延焼中です。問題だったバルパライソ州(第5州)はすべて消えました。今まで燃焼したのは13,155ヘクタールです。
4)センソ(社会調査)
昨日から全国でセンソが始まりました。数か月かけて全家屋を訪問し調査します。
例えば、家に関しては何部屋あるか、自分のものか借り家か、また何人住んでいるかとかです。
そのうち私の所にも来ますね。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦でスパークラッシクと呼ばれるコロコロ対チリ大学戦が今日ありました。結果は 1対0でチリ大学の勝利でした。ベンチに座って何か読んでいると外の道を通る車が叫んでいます。携帯電話で見るとチリ大学のゴールでした。試合の後、チリ大ファンが集まって喜んでいました。
4試合が終わった段階で首位はイキケ、2位はチリ大学、先週トップのオヒギンスは3位になりました。

2)テニス
先週のチリオープンの結果、ATPランクでジャリーは24位、タビロは39位に位置しています。


以上