チリの風 その1087 2024年3月11日ー17日

夏から秋へ季節の変化が見られます。最高気温は2度ほど下がりました。先週の30度が今週は28度です。街路樹の葉が少し色を変え始めたサンティアゴです。
交通渋滞はひどく、私の住居の前の交差点で朝7時過ぎに、信号が青になっても前の車が止まってしまって動けなくなります。すると後ろの車がクラクションを鳴らして抗議します。毎日です。
スポーツは先週と同じでした。登山は近くの丘歩きが一回と山岳公園の中が一回。もっともアポキンドの滝コースの半分の距離も歩きませんでしたが。
ラソンは3回でした。その内、1回は10キロで先週より早かったです。
月曜日にチリ大学病院に行って血栓症の血液検査をしました。そしてその後、いつものようにレコレタ区にある病院からセントロ(中央部)まで歩きました。大勢の人が張り切って仕事をしていました。依然見かけたホームレスはその日は見ませんでした。仕事をしていたのかな?
そして何と仕事の面接がありました。結論は分かりませんが、そういう話が来るのが嬉しいです。
日曜日は仲間を呼んで、妻が作った食事を楽しみました。
こうして毎日、いろんな楽しみがあって幸せを感じます。

(政治)

1)ボリッチ動向
ボリッチは南のマウレ州に行っていろんな行事に参加しました。例えば、クリコで新しい病院の開所を祝い、タルカで首都圏との間の高速鉄道の開始を祝いました。それからその近くの郊外地区で318家族に新築簡易住宅を渡す式をしました。2022年にその住宅の建設が始まり2年弱で完成したとか。
OECDの調査でボリッチを支持するとしたチリ人は29%でラテンアメリカ諸国の中では4番目に低い国とか。
しかし国内の動きとは別にイスラエル問題が深刻さを増しています。イスラエル大使がチリ政府の考えに抗議しています。
チリ国内ではユダヤ人よりパレスチナ人の方が多く、社会に根付いています。プロのサッカーリーグにパレスチナも入っています。その他にはスペインとイタリアの名前がついたプロチームがあります。日本がそれに入れば侍ハポンと言う名前になるかな?
それからボリッチは外務大臣・農務大臣と共に農産物の輸出関連事項の案件を確認しました。そしてチリ・中国の一層の協力に合意し、他の果物に加えてアーモンドの中国への輸出を拡大することが決まったとか。
新聞の経済特集の記事で、中国だけでなく近い将来にチリにとって重要な相手国はインドだとされています。
しかし世界の政治不安は拡大ですね。台湾有事が発生すれば北朝鮮が日本を攻撃するのは明白でミサイルが日本の原発に当たれば地震津波以上の大災害になるでしょう。人間は学習効果がないと言うのは歴史で証明されていますから、第3次世界大戦は近いかも。もちろんチリにも大きな影響が出るのは明白です。たとえ直接の爆撃は受けなくても銅の輸出が止まれば予算は激減するでしょう。

2)その他
国会でピニェラの追悼式が行われましたが、共産党はそれに出席しませんでした。左右の考え方の違いは当然ですが、亡くなった人の追悼を捧げるのは人間として当然のことで、それをできない共産党はかなり人間のレベルが低いですね。このため共産党員が議会の議長に選ばれそうだったのが疑問視され始めました。そしてサンティアゴ区長など共産党員が区長をしている区の地方選挙の候補者選びが深刻化を増しています。
チリでは警察は制服と私服の2組織に分かれ、同じ組織の一員として共同して働くことはありません。今回、その私服組織のトップが辞任しました。金曜日、彼の事務所に検察官が入り取り調べがありました???以前にその長官は自分の手に入った幾つかの極秘情報を知り合いの弁護士に流していたことがばれたからです。
来週の火曜日からこの件に関し裁判所が動きます。

(経済)

1)銅価格と為替
銅の価格は1ポンド4.04ドルと久しぶりに4ドルの大台に乗りました。このため為替は1ドル946ペソとペソ高になっています。
2)ガソリン価格が新記録
それを新記録とは言わないですよね。最近頻繁に価格が上昇していますが、この1か月で60ペソ上昇し93オクタンで過去最高の1340ペソになりました。
ドルの比較でチリのガソリン価格は南米で最も高いレベルです。これは管理費用が高いのと税金が高いことを表しています。
3)株式市場IPSA
12日に6502ポイントと新記録を更新しました。しかしそれに関与している会社の3分の2は昨年2023年の数字は一年前の2022年の決算より悪かったとか。
それでよく株価IPSAの最高値が更新されるものですね。
4)解雇問題
会社の必要性と言う理由で1月に解雇された従業員の数は52000人になり、2020年4月以降で(コロナ問題以降)の最も高い数字になりました。経済回復が言われますが、それほど安定しているわけではないのですね。
5)物価上昇率IPC
中銀が予想した数字より今年の上昇率は高く3.5%まで上がりそうとか。

(一般)

1)犯罪
 首都圏で犯罪が多い地区になっているマイプ区の区長がモネダ宮殿を訪問し、トア内務大臣と面談しました。彼は大臣に犯罪抑制のため軍隊を使用してほしいと要請しました。そうか、右翼の戦略かと思われますが、違います。そのボダノビッチ区長は新左翼です。ボリッチは軍隊の使用をどのように実現化するか検討しているらしい。もちろん共産党はそれを認めない方向で動きそうです。
ところでそのマイプ区に不法建築の地域があります。その地区の家は公用地か、私用地を不正使用をしたものですが、その場所から先日ベネスエラの元軍人の死体が見つかっています。そしてなんとその区長は軍の投入が決定される前に、区の重機を使って、麻薬やアルコールを売っている幾つもの家屋を壊しました。同じような問題がフロリダ区でもあり、その区長は不法建築の家が多い地区の問題をあげて住居省の大臣を批判しました。大臣は「その違法建築の家の住民は多くが移民で、そこを出てどこに行けるのかわからなければそこから出ていかないだろう」と答えました。首都圏の52地区で一か所でもそうした不法貧民街があるのは32地区とか。その住民はほとんど移民でハイチ・ペルー・べネスエラ人が多いとか。
これらに関してレコレタ区の区長は「自分の同僚の各区の区長の動きが悲しい・見苦しいと感じる。皆さんの安全を私が守ろうとしているのですと言うわけだが、選挙が近づくとそうなるのだろう」とコメントしています。
彼は共産党ですが、不正問題で裁判ですからね。見苦しいです。
 ◆マプチェ問題
 マプチェのグループCAMのリーダーのエクトル・シャイッツの裁判で25年の刑が要請されました。彼は「チリが独立したときアラウカニアはその領土に入っていなかった。その後、一方的にチリ軍がマプチェの領土に侵入し私たちの仲間を殺して土地を取り上げた。チリの森林会社の木材をマプチェが不法に伐採すると言われるが、私たちの森を自分のものとするその会社が間違っているのだ」と言っています。もちろん、歴史的には彼が正しいですね。
 先日オーストラリアで建国記念日があり、お祝いしましたが先住民にすれば、こいつらが俺たちの領土を奪い取ったと考えますね。世界中同じです。
2)山火事
延焼中は5か所で先週より下がりました。
3)ロラパロサ音楽祭
先日のビーニャの音楽祭に続き、この週末の三日間、首都圏でロック音楽祭がありました。大きな公園を会場にしてファンが溢れていました。

(スポーツ)

1)サッカー
 先週コロコロとチリ大学が対戦しましたが、その後両チームのファンが争って、サッカーをするのではなく殴り合って、一人が死亡しました。
 国内リーグ戦の結果は5試合が終わった段階でチリ大学は上位、コロコロは中位、カトリカは下部です。


以上