チリの風 その1039 2023年4月10日ー16日

先週の最高気温は30度でしたが、今週は何と21,22度に下がっています。秋の気配より秋の真っただ中と言う感じのサンティアゴです。栗の実を拾って茹でて栗ご飯にしたら美味しかったです。

フルティジャールの旅を終えて戻って来ました。4日の旅でしたが、2日は雨、2日は太陽が出ました。マラソン練習はしませんでしたが、連日、街の中を丘の上まで歩き回りました。
もう10回ほど訪ねているところなので、ほとんど知らないところはありません。遠くにオソルノ山を見ながら湖の周りを歩くのは快適です。町の中心の「湖劇場」の中の喫茶店でコーヒーを飲むのも習慣になっています。カバーニャと呼ばれるログハウスに泊まりました。そして不動産屋に案内してもらってあちこちの家を見ました。それをいつか買うかもしれません。
戻りの便は満席で、係員にもし明日の便に替えるならホテル・食事代のほか幾らか費用も払うと言われました。座席数より多く航空券を販売したのでしょうね。
それほど国内便も動きが出てきたわけですね。コロナ問題の前に戻ってきたわけです。
土曜日のサッカー教室は参加者数は9名と少なかったけど最後の練習試合まで楽しく実施しました。
日曜日のマラソン練習も仲間と走りました。出発時間を待っていると、通りがかったおばさんにそんな服で寒くないのと言われました。気温は10度ほどで私は半そで半ズボンでした。
今週もいつものように幸せでした。

(政治)

1)ボリッチ動向
犯罪をどう抑えるかが現在のチリの緊急・最大の問題ですが、今週も事件が続いています。その対策がまるで右翼対左翼の争いという雰囲気です。犯罪グループを抑え込むために首都圏のいくつかの区を特別地区にして警察・軍隊を派遣する動きがあります。その作戦の名称は「暴力のない通り」ですが、もちろん首都圏だけでなくチリ各地で同じ動きをしています。対象の区(市)は首都圏の22区、各州の州都、それに第8州の3市です。
南部のマプチェ問題と北部の違法移民問題の対策と似たようなケースになります。それを新左翼共産党は良く思わないので揉めます。
その特別区に入らなかった(つまり犯罪が少なく正常と思われる)プロビデンシア区の区長が、その方針を批判し、その特別地区の犯罪者が私のところに流れ込むでしょうとコメント。どうなるかな?

評論家のコメントですが、「ボリッチは全く大統領として機能していない。何がしたいのか何ができるのかわからない」確かにそうですね。4年の任期を完了できないかな?
その論文ではボリッチの終焉は新左翼共産党の没落と連携するだろうとしています。私がいつも感じていることと同じです。
それから共産党員のサンティアゴ区長が病院を購入した件で不正があったと問題になっています。チリで初めて区が病院を所有して区民に提供するとされていましたが、正常価格よりかなり高い金額でその病院を購入したので、その差額がどこに行ったのかというわけです。その契約は取り消されたようですが、区長は区の人事に手を付け大幅な人事異動を考えているとか。もっとも彼女の辞任を要求する声が大きくなっています。彼女は共産党のシンボルの様ですから、大事件ですね。
共産党はまたいつものように右翼が私たちに場違いな非難をしているとコメントしています。
2)選挙
憲法委員会の選挙はもう一か月を切りましたが。全く盛り上がりません。3年半前の社会騒乱の時は新憲法がチリを変えると国民が熱狂したのですが・・・
昨年の9月の新憲法是非の投票でノーが圧勝しましたが、政府として国民が新憲法を承認すると信じていたボリッチはその結果に関し、何が間違ったのかを見極めることが出来ず、はっきりした見解を出しませんでした。今回もどっちが(誰が)勝つか分かりませんが、国民の熱気はありません。
右翼側は今までの統一グループのチレ・バモスとそれに対抗するグループの共和党に分かれ混沌としています。共和党は先の大統領選挙で右翼代表になったカストが率いるグループです。
左翼側と同じですね。左翼は新左翼共産党と、従来の中道左翼に分裂していますから。

(経済)

1)チリ経済成長率の予想 
IMFはチリの今年度の成長率をマイナス1.5%と予想していましたが、それを変更してマイナス1%に変更しました。少し良くなるわけですね。当たるかな?
2)銅価格と為替
 何と銅の価格は1ポンド当たり4.11ドルとこの1か月で最高になりました。このため為替もペソ高になり1ドル795ペソでした。中国の3月の銅の輸入は前年同月の19%減少と厳しい状況です。
 この先どうなるのかな?
3)リチウム
それから,人気のリチウムですが、イメージと違って価格が急激に下がっています。昨年末は1トン8.8万ドルでしたが、先月は4万ドル。半分以下に落ちています。需要供給がどうなっているのかな?
それはともかくSQMソキミチ社は20%のシェアーで昨年度世界1位の座を確保しました。
3)インフレ
チリの大きな問題がそれですが、電気代が10-16%近日中に値上がりします。冬に電気ストーブを使えなくなる人が出ますね。

(一般)

1)犯罪行為
先日警官が殺された事件に関連して2名が逮捕されました。しっかり調査してどんな組織が警官を狙っているのか明らかにしてほしいですね。そのほか、それからまた警官が負傷する事件が起きました。
その殺人事件の葬儀の席でボリッチは警官の母親を固く抱きしめ、政府として警官を保護・援助すると確認しました。しかし、以前の社会騒乱の時、警察は暴力をふるって国民を傷つけるとボリッチはコメントしていました。
つまり彼の仲間の新左翼はボリッチに俺たちを裏切るなと言うわけですね。
それから盗難された車が見つかり、その車を捕獲しようとするパトカーとの競争になり、その盗難車が停車していた車など数台にぶつかるなどの大事故になりました。犯人はその時、麻薬を使っていたとか。
つまり犯罪を抑える政策が緊急に必要ですね。
検察庁の高官が、何かの理由で逮捕された外国人が(交通事故でも強盗事件でも)チリの身分証明書を持っていなければ、不法移民ということですが、裁判の結果を待たず、すぐに刑務所に入れるよう指示を出しました。これが実施されるとまた揉めますね。
南部のマプチェの問題ですが、カニェテで家屋の放火がありました。家屋が2軒燃やされ、マプチェのパンフレットが置かれていました。
チリからの海外送金は昨年はその前年の23%ダウンでした。しかし歴史上では2番目の数字。外国から来た移民が本国に収入の一部を送金するわけですね。麻薬の売り上げの利益も入っているのかな?
上記の警官殺害事件の犯人がベネスエラ人と言われていますが、それに関連して新聞にベネスエラ人移民の特集記事が出ました。彼らは以前はチリ人に温かい目で見られ、歓迎されていたが、今はひっそり生きていくしかない状態で、恥ずかしい・悲しい気持ちが大きくなり苦しい毎日とか。大変ですね。
2)コロナ問題
毎週のように新規患者数と陽性率が減少しています。もうチリでは病気はコントロールされたのかな?


(スポーツ)
1)サッカー
国内リーグ戦ですが、今週の話題はコロコロとカトリカが対戦したことです。でも0対0の引き分けで盛り上がらず、両チームのファンはがっかりして帰路につきました。
首位は10試合が終わった段階でワチパトが首位、2位はカトリカ、人気のチリ大学は4位、コロコロは6位です。

以上