チリの風 その1026 2023年1月9日ー15日

今週の最大の話題は私の誕生日パーティです。チリ人と日本人の友だち10人近くが集まり楽しく騒ぎました。嫁さんがおいしい料理を作ってくれました。ありがとう。頂いたプレゼントの一つは剣道のショーでした。有段者の人が正式な胴着を着て刀を振りかざしました???。
それから南部に住む日本人の友だちが必要があって上京してきたので一日つきあいました。1年ぶりの再会でしたが、うれしかったです。
もちろん、その他はいつもと同じでマラソンはちゃんと10キロ走っています。そして日本人学校でサッカー教室。10数名が集まって暑い日でしたが、楽しく練習しました。
山歩きは仲間と第2展望台へ。途中、放牧されている馬に出会いましたが、そのうちの2頭が私に近づいてきたので頭を撫でました。頂上の近くで多くの兎の糞を見ました。高いところにも住んでいるのですね。スモッグで覆われた街を見ながら休憩。自然の中にいる楽しみを味わいました。
こうして毎日楽しい日を送っています。幸せです。

(政治)

1)ボリス動向
外交
コロンビアのペトロ大統領がモネダ宮殿を訪問し、国交200年のお祝いをしました。コロンビアは社会・経済ともに上手くいっているようには思えませんから、二人の話の内容はかなり厳しいものだったでしょうね。先住民との問題も両国にあります。
囚人恩赦
この問題は今年いっぱい続くかな?冗談ではなく、連日深刻化しています。大統領が恩赦の内容を全部、理解していなかったと言う説もでています。部下が仕上げて彼がそれにサインしたとか。彼の責任を少しでも軽くする作戦かな?
それでも彼が議員だったころ、「罪もなく刑務所に収容されている人間を助けよう」と言うパンフレットを持った写真が出ています。社会騒乱の時捕まった人間は右翼がでっち上げた罪で刑務所に入っているとするわけです。昔の彼の同志と言うことになります。今回恩赦で自由になった人の履歴が報告されていますが、その社会騒乱に関係なく数回の逮捕歴のある凶悪犯もいます。誰がそれを選んだの?
それだけエラーがはっきりすれば、今回の恩赦を取り消してボリッチが「エラーがありました。恩赦は取り消します」とすれば問題は一気に解消します。もちろんその時、ボリッチはレベルが低いと言われるでしょうが、その方が現在の混乱よりはマシでしょう。しかしボリッチはマスコミの前でこの件に関してコメントしていません。
法務大臣ルイス・コルデロが就任しました。彼はこの件に関し、大統領の恩赦に不法行為はない。ただそれに関して各自が異なった感触を持つのは自然だろうとしました。この作戦で逃げ切るつもりなのかな?
もっともこの問題の解決策の一つとして内閣改造が出ています。昨年末に大臣の中で問題があるとして法務大臣社会福祉大臣があげられました。法務大臣はもう交代させられましたから、次はボリッチの親友のジャクソンです。
もちろん、政権の色を塗り替えるなら新左翼共産党から大臣を選ばず、昔の政権を担っていた中道左翼から候補者を選べばイメージを変える最高の方法ですね。今まで頻繁に与党間の統一がないと書いていますが、今までの中道左翼 政権で中心党の一つだったPPD党のディバルディが新政権の新左翼共産党は私たちを嫌っているとコメント。イヤハヤですね。次の選挙で与党は二つに分裂する可能性があると言われますが、チリの風で毎週書いていることですね。日曜日の新聞にボリッチの孤独と言う特集記事が出ましたが、特に不思議な気はしませんね。世界でも珍しいでしょうが、チリでは野党が大統領を支援して与党が対立すると言うことがありました。今回の恩赦事件で野党は今までと違ってボリッチと距離を取りました。ボリッチ支持・応援をする勢力は無くなったのでしょうか。内務大臣・法務大臣大統領補佐官の3名を交代させましたからね。
世論調査で彼を支持する層が減少していますが、もう毎回同じなので新鮮味はありません。それでも不支持がピニェラの時はもっと高かったと言うコメントがありますが、就任1年目でこれほど不支持が高いのはボリッチがトップでしょう。
ボリッチはサンティアゴとビーニャの間に汽車を走らせると言う計画を発表しました。13億ドルをかけて2030年にサービス開始とか、到着までバスと同じ1時間半で運賃も現在のバスとほとんど同じらしい。今まで同じような計画が何回も出て完成していません。それを新幹線スタイルにして1時間半の代わりに30分で到着なら多くの市民に喜ばれると思いますが。

先年、各自が積み立てている厚生年金の一部を引き出すことを議会は認めました。それは何度も起きていますが、また今回、少し色を変えて自己貸与として自分に貸し出すようにする法律を新左翼の議員が出しました。大蔵大臣はそれをやると社会が混乱し、当然インフレは拡大すると拒否の声明を出しました。新左翼側は気にせず成立させようとしましたが、多数決で拒否されました。もう新左翼の顔も見たくないと思うのは私だけでないでしょうから、次回の選挙で大きく後退するでしょう。大統領は新左翼ですよ。彼は与党を全くコントロール出来ません。

チリの健康保険は国営のフォナサと民営のイサプレがあります。国営の保険は毎月かかるは費用は安いがサービスの質が落ちると言われていました。ところが最近、イサプレが調子が悪いと言われ始めました。システム全般に問題があるのか、その中の独立した運営会社の一部が経営難なのか分かりませんが、結構厳しい状況の様です。どれかの会社がつぶれた場合、その保険会社に入っていた人はどうなるのか、何ができるのかそのうち知らされるでしょう。健康保険と厚生年金は世界中、どこでも運営はむづかしいですね。

新検察長官
バレンシアがとうとう長官になりました。前長官が辞めて100日間の空白がありましたが、やっと3人目の候補者で組織が正常化。
モネダ宮殿で、その新長官はボリッチ、内務大臣、法務大臣と4名で話し合ったとか。社会の安全が最重要項目だから検察も頑張ってくださいと励まされたのかな?
しかし彼は就任して即時に幹部役人14名を更迭しました。一人は二人ではないですよ。
野党の右翼議員は国会で彼は自分が長官になれば大きく組織を入れ替えると発表したが、それを即時実現するとは素晴らしいとほめています。
就任後、直ちにテムコに飛んでマプチェ問題を取り上げました。確かにやる気のある新長官ですね。
同じく大統領府の次官にカルロス・ヅランが就任。恩赦事件で混乱していたボリスの部下も空席が埋まりました。
憲法
社会党は元大統領のバチェレットを招待して面談。新憲法委員会について話をしました。彼女に識者として委員になってほしいと要請したのでしょうね

(経済)

1)経済成長率
今年のチリのGDP経済成長率はマイナスが予想されていますが、今週の世銀の発表ではラテンアメリカでチリとハイチだけがマイナス成長になるだろうとのこと。チリはマイナス0.8%とか。ラテンアメリカで2位と聞くと普通なら良く頑張っていると思いますが、これに関してはがっかりですね。
しかし銅の価格がなんと今週4.13ドルまで上がりました。中国の復興が目覚ましいからと説明しています。私の見込みではこの調子が続けばチリの今年はマイナスではなくプラス成長になります。
そのため為替は1ドル822ペソと、すごいペソ高になりました。7か月ぶりのペソ高です。もちろんそれはインフレを抑える力になると喜ばれています。
このため、毎週のようにガソリン価格が下がっています。もっとも日本円にすれば1円くらいですが。ところで原油価格が上昇すると言う噂もネットで流れています。どうなるかな?

(一般)

1)マプチェ
南部のクラカウチン地区で家屋が放火されました。そこにマプチェの政治犯を釈放せよと書かれたパンフレットが置かれていました。このほかに水力発電をする施設が崩壊される事件も起きています。
国会で南部地区の特別区扱いがまた国会で認証されました。
南だけでなく北部にも不法移民問題が継続で連日、ボリビアから移民が入ってきます。ちゃんとテレビのカメラに映されていますから証拠は十分です。どうして政府は手を打てないのかな?警察だけで無理なら軍隊を使えば良いのに。トア内務大臣は最北端部を訪問し、この不法移民問題の実態を確認しました。
それに関係ありませんが、テレビのニュースに福島原発の排水が今年海に流されると言うのが流れました。日本のイメージが悪くなりますね。日本政府はこれでは海水汚染はしないと発表しているとコメントされました。それならどうして今まで貯めていたのでしょうか?
山火事はそれほどひどくはありませんが、首都圏とその南でまだ継続です。
2)夏休み
バケーションが始まりました。チリに隣国アルゼンチンンから多くの観光客が来ています。ところでチリの外務省は市民に不要不急の場合ペルーに入国しないように要請しました。ペルーの混乱は深刻ですね。
3)社会の安全
これが最近のチリのとって最重要事項とされています。チリ経団連会長が、それは一般市民だけの問題ではない、外資を含めた資本家の要請でもあるとしました。毎日のテレビのニュースはこの犯罪関連が多くです。コデルコから盗まれた大量の銅を積んだコンテナーが見つかったとか。犯罪グループも作戦を立てて盗んでから外国への販売まできっちり仕上げているのですね。
首都圏のフロリダ区の区長カーターは「首都圏で麻薬組織が毎年規模を大きくしているのは容認できない。私が責任を負っているこの区に麻薬組織の家屋が見つかれば、法律にのっとってその家屋の崩壊をしたい」としました。裁判所に出した申請が容認されれば、即時に壊すのですね。彼は最右翼のUDI党関連者です。新左翼はそれに反対するでしょうか?人が住める住居を壊すなんて人権問題だと言うかな?
4)コロナ問題
新規感染者数や陽性率は大きな動きはなく。通常です。ただし収まってきていると言う雰囲気はありません。政府は今年のワクチン接種をどう進めるか検討中とか。

(スポーツ)

1)サッカー
 昨年のリーグ戦の勝者コロコロとチリカップの勝者マガジャネスがスーパーカップ戦で対戦し、マガジャネスが勝ちました。
今年のリーグ戦は来週から開始です。


以上