チリの風 その1035 2023年3月13日ー19日

妻と旅行代理店に行きました。その帰り、タクシーを使うと、運転手が私を見て、あなたがマラソン練習をしているのを何回も見ましたとコメント???
今は週に2回、少し前は週に3回走っていますからね。

今週もいつもの様な毎日でした。マラソン練習に半そで半ズボンで朝早く外に出るともう肌寒いです。昼はまだ30度まで上がりますが。
山歩きのために山岳公園に行くバスに乗ると交通渋滞があって少し前の2倍くらいの時間がかかります。サッカー教室はもう学年休みに入ったので参加者が少なく先週の半分ほどでした。それでも楽しく練習しました。
先日、私がラパヌイに同伴したグループとは頻繁に連絡を取っています。彼らの公演が成功するのを応援したいです。
それからワクチンの接種に行きました。コロナではありません。インフルエンザのワクチンです。ほとんど待たされることなくワクチン接種は終わりました。
長い間、私はインフルエンザにかかったことはありません。チリではこうしたワクチンは無料です。

つまり、いつも何かすることがあって毎日楽しいです。この幸せな生活を続けたいです。

(政治)

1)ボリッチ動向
先週に続いて違法移民が入ってくる北部のボリビアとの国境の町コルチャネを視察しました。なぜ2週間連続でと思いますが、先週は大臣交替があったのでちゃんと現地で仕事が出来なかったようです。それならなぜ先週そこに行ったのと聞きたいですね。
軍隊はもう引き上げたと思っていましたが、国境線にまだ兵隊がいました。
それから先週の新税制法案拒否に関し、彼は経営者たちと面談しました。何とかそれを実現させたいわけですね。日曜日の新聞にその新税制はチリにとって自殺行為だとする企業家のコメントが載りました。
また2か月前に彼は囚人を大統領恩赦で釈放しましたが、野党議員がそれを疑問視して憲法法廷に持ち込み、今週から裁判が始まりました。
凶悪事件を何件も起こしている人間がどうして釈放されるのかと言うわけです。しかし両者のコメントを聞いた裁判官はそれでは結論を出すのは不十分としてさらなる調査を要求しました。きっと、ボリッチの異常な決断が明らかになってくるでしょう。
刑務所の組織が恩赦された人間の半数はそれを認められないとコメントしていたとか。ボリッチはそれを無視したのでしょうね。そして何とボリッチは二回目の恩赦を計画していることが発表されました。もう駄目ですね、彼の頭はおかしいです。通常ではないでしょう。これだけ疑問視されている・批判されていることを無視して同じことを繰り返すなんて。憲法裁判所でボリッチの行為は違憲だとされれば、国会で彼を処罰する議論が始まるでしょう。

それから世論調査で今一番話題になっているのは犯罪の増加ですが、ボリッチは有効な手段をとることができていません。

さて、いつも言われることですが、市民調査の結果で、彼は歴代大統領の中で最も人気のないことになっています。大統領が1年の任期を終えたときどれだけの市民の支持を得ていたかの比較です。
民政化が始まってから、最高の人気があったのは初代大統領のエイルウィンで67%の人気。最近の二人は、バチェレットとピニェラですが、45%と47%。
今年のボリッチは32%でした。不支持は62%。それがますます落ちていく可能性があるのですね。
2)警官の死亡
ビオビオ州で、取り調べをしていた警官が車に引かれ死亡しました。犯人は逃げようとしましたが、逮捕されました。彼は飲酒していたようで、即時に刑務所に収容されました。その警官の葬式に内務大臣が出席し家族に追悼の言葉を告げました。犯人はベネスエラ人でした。
全く別の件ですが、サンティアゴの中心街で警察の尋問にカルネ(チリの身分証明書)を出した3人を調べるとカルネが異常でした。それで彼らの車を調べるとなんと100枚ほどのカルネが用意されていました。偽のカルネを作って販売するのですね。もちろん即時に逮捕されました。その3人はベネスエラ人でした。
ベネスエラ政府はチリの非正規移民の国外追放システムは非人間的だと抗議しました。???ボリッチが行ったコルチャネから不法移民をボリビア側に追放するのは認められないと言うのでしょう。ボリビア政府はその追放移民がボリビア人ならただちに入国を認めるでしょうが、その他の国民などうするのでしょうか。出るのは良いが入るのはダメかな?
ボリッチはベネスエラとはうまく会話が出来ないとしています。
チリ政府がベネスエラ政府を批判するとチリの共産党からクレームが来るわけですね。
3)大統領選挙
ボリッチ政権が始まってまだ1年ですが、ももう次の選挙の話が出ています。右翼側は、最右翼の候補を出すと負けると今回の選挙でわかったので中道右翼を狙い、なんとピニェラを3回目の候補者にする動きがあるとか。新聞にピニェラの動きをフォローするニュースが出始めました。すると同じように左翼も共産党新左翼なら勝てるわけがないから、昔懐かしいバチェレットを3回目の候補にするのかな?(日曜日にバチェレットの動きが特集記事になっています)
しかしそれは大半のチリ人は厭きたと思うでしょうね。
ボリッチは与党のバラバラの状態を何とかまとめようとしていますが、全くその方向に向かう様子はありません。同じく右翼側もチリ・バモスと呼ばれるグループを中心に統一を図る動きが出ています。

新左翼のパメラ・ヒレスは髪を金髪に染めて化粧ギンギンの女性議員ですが、各自の厚生年金基金を引き出して自由に使えるよう提案し、初期のころはそれが法律になりました。私は皆さんのために働いていますと大声を出していますが、その彼女が大統領候補になりそうだとか。新左翼の一部は彼女を熱狂的に応援するでしょうね。もちろん第1次選挙で、彼女は3%ほどの投票を得て落選するでしょうが。しかしまだ彼女の話題はあります。なんでも6回目の引き出しを議会に提出するらしい。それは4月で、新憲法委員の選挙の前です。つまりその提案が出されれば、与野党の争いではなく与党内で中道左翼と新左翼共産党の争いになり、さらなる引き出しを拒否するボリッチ政権には大きな打撃になります。彼女をどう抑えるか、仲良くするかをボリッチは考える必要があるわけです。

2001年には議会に6の政党がありました。その20年後の2021年には21に急増です。多くが新左翼グループです。昔はすべての政党の動きが私の頭の中に入っていましたが、20にもなるとその政党名もよく分かりません。その新左翼が、合併して勢力をつけようとする動きとそれを拒否するグループに分かれています。
次の選挙で彼らは半減すると言うのが私の予想です。

憲法委員会の選挙の日が近づいていますが、市民の間では全く盛り上がりません。

(経済)

1)銅価格と為替
大変なことになりました。銅価格が急落です。先週より下がって1ポンド3.91ドルでした。一日、火曜日ですが、4.04ドルに上がったのですが一日だけでまた下がりました。4ドルのラインが遠くなっていきます。このため為替も1ドル832ペソと大幅なペソ安になりました。
するとチリの誇る世界最大級のリチウムの採掘をどう図るか話題になっています。ソキミチなどに渡している採掘権をどうするか、銅鉱山のように国営鉱山にすると言うアイデアもあるそうです。
2)労働時間
週40時間が国会で討議されていましたが、合意に達したようで、チリも世界レベルの週40時間労働 が法的に認められました。
3)株式市場
アメリカやスイスの銀行破綻から金融市場は混乱の極みですが、そのため株式市場も厳しい状況になっています。世界の株式市場は今週落ち込みましたが
チリのIPSAも5.2%下がりました。

(一般)

1)コロナ問題
 新規患者は4000人を超えています。先週に比べて患者数は25%上昇です。
しかし入院患者、緊急病棟患者などは減少の方向で、最悪状態の患者数は最高だった時期の10000人超から88人まで激減とか。病気になっても重症にはならないと言うことですね。
2)山火事
モネダ宮殿で山火事対応策が政府と民間機関の間で検討されました。どのように復興をしていくかの議論ですね。火事は今まで43万7千ヘクタールが消失し8000人ほどが被害にあっています。焼死者は26名です。既に256か所がコントロールされ、5か所にまだ火が残っているとか。
3)空港利用
2月の空港利用客は前年より27%アップですが、それでもコロナ以前のレベルにはまだ到達しません。それほど落ち込んだわけですが、元に戻りつつあるのは明白ですね。
4)ロラパロサ
金曜日からサンテイアゴでロックコンサートが始まりました。若者でごった返し、土曜日は7万5千人の入場者とか。私はそこに行ってみたいとか、その演奏を聴いてみたいと全く思いませんが、それは多分、50年以上前にアメリカでウッドストックがあったとき若者が殺到し大人が嫌がったのと同じでしょうね。


以上