チリの風 その1050 2023年6月26日ー7月2日

月が替わって7月になりました。この先どうなるのかドキドキします。大袈裟ですねと言われそうですが、高齢になってまだ新しい道を探すというのは楽しいと言うのか厳しいと言うのか分かりません。
さて移住の希望地フルティジャールの南部の旅を終えて戻って来ました。ほとんど毎日雨でした。もっともずっと雨が降るのではなく降ったりやんだりです。
不動産屋と数か所の候補地を見ましたが、いずれも魅力のあるところでした。私はそこへ移住すれば、近くの学校で日本の歴史・文化の授業をボランティアでさせてもらいたいので、ホテルの近くの3校に行って話をしました。いずれもメールで校長・理事長とコンタクトしてほしいと言われました。
それから近くの町プエルト・バラスに行ってもうすぐ訪日する知り合いの青年に日本の観光・歴史の話を1時間半ほどしました。

日曜日はちゃんと仲間とマラソン練習をしました。霧がかかって肌寒い朝でした。
どこに住んでも何もしないで部屋でボケっとする毎日は送りたくないので、心身ともに健康を維持したいです。
こうして毎日幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
今週の話題は、先週の続きで新左翼RD党の動向と大水害の進行です。
ところで大統領府が発表した今週のボリッチ動向は一つだけです。住居省の新次官を任命した。それだけです。毎日、何もしていないか何も公表できないかのどちらかですね。
RD党関連で問題になっている住居省(呼び方は家屋省よりよさそうです)関連で、ボリッチはモンテス大臣に関しては「自分は彼を信用している。捜査するつもりは全くない」としましたが、警察の手が入れば全体像が明らかになるでしょう。
事件の基礎はRD党員が作った貧困層援助の組織に政府が基金を援助したと言う事ですが、それがどう使用されたかが問題です。
その話題の中心になっているぺレス議員は2週間ぶりにマスコミの前に顔を出し、「自分にやましいことはない。党首がやってきた運営に問題があったのだ」と責任逃れをしました。
RD党に関しては、新聞の社説で歴史から消えていくようだと書かれています。
その党を作ったジャクソンは自分たちは昔の古い世代とは考え方が全く違う。新しいチリ・新しい世界を作るのだと言っています。自分は議員としてもらう給料を半分寄付するとしましたが、その寄付を受ける組織は彼らが作ったもので、集まったお金は次の選挙の資金になるとか。口の上手いのはプロですね。そういうシステムにボリッチが参加しているのは当然で、そのうちボロが出るかもしれませんね。ジャクソンとボリッチは大学紛争の時からの仲間です。
汚職問題が疑られるのはRD党だけでなく、他の諸党(共産党とか)も問題視されています。

野党側は新左翼のエラーをどうすれば最も有効に使用できるか検討中とか。それから従来の右翼グループで一番右はUDI党でしたが、近年それよりまだ右の共和党が勢力を伸ばしていますから、UDIを代表する次期大統領候補マテイ(彼女はプロビデンシア区長)はどうすれば共和党のカストと対抗できるか仲間と作戦を立てているらしい。

(経済)

1)銅価格と為替
銅の価格は先週よりかなり下がり1ポンド3.70ドルでした。年初は4ドルを大きく超えて4.3ドルに近づいていたのですが。
為替はそれほど動かず1ドル801ペソで終わっています。2か月ほど前は1ドル900ペソを超えていましたからペソ高が鮮明ですね。
株式市場IPSAは先週と風が代わり、急に上向いて6月は5787ポイントで終わりました。3期連続の上昇で2018年1月の過去最高記録を超えるポイントまで行くのではと言われます。
2)新税制
ボリッチの残りの任期期間を何とかしのぐためには新税制が欠かせませんが、大蔵大臣と工業・商業機関のトップの話し合いは上手くいきませんでした。
それではどこに焦点を当てて税金を上げられるのかと新聞に疑問視されています。何しろ頼みの銅価格が低め安定ですから。
そして今年になって首都圏のマンションの賃貸し料が下がっています。都内の区によっては20、30%も昨年同時期より安くなっているとか。増税は困難ですね。

(一般)

1)犯罪
 マプチェの地区で金曜日3回連続で住居が襲われました。誰かが住んでいるところへ多くの銃器で攻撃をかけます。殺そうとしているのか、弾丸が当たれば死亡することはわかっていて攻撃しているかです。そして過去5日間で12回の攻撃とか。もう毎日と言う感じですね。ほとんどすべてがマジェコ地区です。ボリッチが政権を握ったとき、内務大臣のシシェスがそこを訪問してマプチェと面談しようとしたところです。その時は彼女も銃撃を受け、すぐに首都に戻りました。
今日、都内で数人のグループが現行の警官に近づき(その時は仕事中ではなかったので私服でしたが)この警官のばかやろうと襲い掛かりました。彼は銃を持っていたので、それを取り出し、グループに発砲しました。二人に当たって倒れました。すぐに病院に運び込まれましたが、一人は死亡、もう一人は重傷です。
警察署はこのニュースに反応し、同警官を即時免職にしました。この事件は正当防衛になりませんか?
犯罪が継続しているのは明白ですが、警察もちゃんと仕事をしています。毎日のように犯罪組織の摘発が報道されますから。
犯罪とは関係ないですが、元警察軍のトップがピニェラ政権の時の社会騒乱は通常・正常レベルではなくモネダ宮殿が崩壊するのではないかと心配されたとコメントとしました。ボリッチのグループがそのリーダーだったのですが。

2)水害事故
 21000人の被害者が出ていますが、問題は少しづつ軽減しています。
さて南部のリカンテンの病院に川の水が流れ込みました。そこに働く88人の職員の中で27人の自宅が水害に会いましたが、病人の看護が重要としてその人たちは通常勤務を継続とか。仕事の後に家の掃除ですね。素晴らしい。ありがとう。
政府は被害者への援助を早急に実施したいとしています。
今年の始め、山火事で多くの被害が出た地区があります。そして半年して今度は水害です。
サンタ・フアナとチヤン地区です。山火事で家屋が全焼し、その後掘っ立て小屋を建てて生活していました。つまり苦しみの中の安定だったのでしょうが、水が床上浸水してくれば、そのままそこには住めません。どんな悲しい思いか想像するだけで気の毒です。


以上