チリの風 その1043 2023年5月8日ー14日

晩秋から初冬へ向かっていると思われた気候ですが、今週末は最高気温が29度まで上がり、結構暑くなったサンティアゴです。先週までジャンパーやオーバーを着ている人が目立ちましたが、今週は半そでの人が
たくさんいました。カランの丘に登ると下の街がスモッグに包まれていました。これから大気汚染問題が深刻化してきます
それから病院に行って静脈血栓症の血液検査をしました。朝7時前の地下鉄に乗りましたが、そんな早い時間でも仕事に行く人がけっこう乗っていました。
先週は、委員の選挙でしたが、今週の話題はサンティアゴ・マラソンです。なんでも3万人以上の参加者とか。そのうち40%は女性でした。金曜日、ユニフォームをもらいに行って気合を入れ、そして日曜日の勝負に挑みました。
その結果は?会場のオヒギンス公園は2号線なので1号線のロス・エロエス駅で乗り換えます。プラットフォームに行って驚きました。乗客が端から端まで溢れています。全部マラソンランナー。
レースが開始しました。私はぶつかるのが嫌なので後ろの方からスタート。スタートラインまで行くのに5分以上かかりました。それでもどんどん抜かれます。大きな通りに出たら自分のスピードで走れるようになったので1キロ6分の感じで走りました。分岐点の所で後ろを見たらまだ多くのランナーがいました。最初の頃私を追い抜いた赤服の大男がヨレヨレで走っていましたから、彼の前に出ました。しかし道路にあふれるほどのランナーがいるのは不思議でした。そして怪我もせず無事に10kを完走しました。昔はこのレースでフルマラソンを走っていたのですが。
さてフルマラソンの上位入賞者は全部ケニア人でした。この日テレビが同マラソンを4時間中継しました。それがユ-チューブに載ったので、私も何とかその一部を見ました。私の走っている場面は無かったです。
今週も幸せでした。

(政治)

1)ボリッチ動向
先週、プンタアレナスで投票を済ませサンティアゴに戻ってきたボリッチは記者団を前に「結果を真摯に受け止める。しかし現在の政府方針を変更するつもりはない」とコメント。記者団から質問が出始めるとさっさと退陣して後は大統領府の長官に任せました。先週のチリの風に書いた通りですね。
惨敗ともいえる選挙の結果をどう判断するか、それをどう生かすかについて与党内の会議が繰り返されました。ボリッチはいつもと同じように与党内の結束を訴えています。
それから最低賃金を50万ペソにする(来年度からですが)と鉱山のローヤリティ税を下げるアイデアを出しています。
2)新憲法委員会
 各グループの結果より興味を引いたのは白紙投票・無効投票の数で何と合計250万枚を超えました。投票総数1250万人の20%を超えています。つまり「俺は投票したくはないのだが義務制度なのでここに来た。
俺にとっても君たちにとっても時間の無駄だぜ」と言っているのでしょう。義務制を外したら投票率は激減でしょうね。どっちが正しいのかな?
それから今まで民政化してから大統領を出し、チリの政治を担ってきた中道左派キリスト教民主党とPPD党が一人も当選しませんでした。両党ともに大統領を出しています。壊滅的な打撃ですが、両方とも ボリッチと離れ、野党になろうかと検討しているとか。それは今まで私たちを支援してきた人にとって共産党新左翼は受け入れがたいと考えているかもしれないと考えるからです。
 さて50人の委員の内訳は野党側が33名(共和党が22名、その他の中道右派が11人)与党側は17名(そのうち共産党はわずか2名)その他に先住民代表が一人選ばれました。
新委員会が始まる前から、前回と同じ失敗になりそうな雰囲気です。
3)イサプレ
大崩壊の兆しです。最高裁がイサプレ民間の健康保険会社に14億ドルの払い戻しを命じましたが、それを即時払う力はなく、無理強いすると一部の若しくは多くの会社が倒産すると言われます。
それならその支払いを何年でやらせるかが次の課題でしょうね。これはボリッチ政権の失敗ではなく、それ以前のすべての政権が適切な処置をしてこなかった累積です。なんでもイサプレ加盟者一人当たり平均100万ペソも支払うことになると言われます。

(経済)

1)銅価格と為替
 銅の価格は1ポンド3.74ドルと大きく下がりました。にもかかわらず為替は1ドル785ペソとペソが強くなっています。中銀が公定歩合11.25%を引き下げないで高めに据え置いたのが為替レートでチリペソが強くなった原因かもしれません。銅の価格は将来も大きくは下がらないと先日、プロの人の確認がありましたが、かなり下がっています。
2)IPC物価上昇率
 4月は0.3%の上昇。これは過去12か月では9.9%、今年の1-4月合計は2.1%で、落ち着いてきているのが分かります。このまま継続するかな?ガソリン価格が今週大きく50ペソも下がりました。
3)株式市場
 選挙の終わった翌日、月曜日市場の動きはプラスが目立ちました。なんでも2.3%の上昇で5608ポイントと昨年9月以来の高い数字になりました。
 共和党が勝つのは喜べる。新左翼共産党が勝っていれば、ここから逃げなければと思うのでしょうか。

(一般)

1)大気汚染
 古いエンジンの車はサンティアゴでは週に一度走行禁止になります。例えば月曜日はナンバープレートの末尾の数字が2と3の車です。
 これは8月31日まで続きます。これは通常の日で非常事態になればさらに厳しい規制が出ます。
2)犯罪
マプチェの事件は一向に縮小しません。今週2日間で9件もの襲撃事件が起き、9名の負傷者と多数の被害を出しています。
同地区に特別法案として軍隊の駐屯を認めていますが、それが1年を経過しました。しかしマプチェの攻撃は一向に収まりません。じゃ軍隊の意味はないのと思われますが、統計では同地区の犯罪はそれ以前に比較して30%減少していると報告されています。
ピノチェット軍事政権のころはこうしたマプチェの反政府運動はほとんどなかったわけで、今も軍隊が出て同じような状況なのにどうして問題がおさまらないのかと考えましょう。軍隊(武器)は同じでも問題に対する軍の姿勢は大きく異なりますね。軍事政権時なら兵隊はマプチェでもそれ以外の人間でも、違法行為をするなら射殺することもいとわないとしていました。
今は法律に則って犯罪を抑えると言うわけですね。どっちが良いとは言えないでしょうが。
それからアンゴルの刑務所で囚人のマプチェに刑務官が捕虜になって大騒ぎになりました。その刑務所を調べれば、マプチェは刑務所内で自分たちの家のように家具などを持ち込み好きなような生活を楽しんでいました。刑務官がそれを取り調べる・取り押さえことが出来ないのですね。殺すぞと脅さるのかな?
3)山火事
サンティアゴより北のサパジャール地区で山火事があり350ヘクタールが延焼中です。
もう夏が終わったので山火事は消えたと思いましたが、まだそうではなかったようです。かなり派手に燃え上がっています。
ヘリコプターで空中から散水しています。

(スポーツ)

1)サッカー
 先週は選挙で国内リーグ戦はお休みでした。それで今週は1週間に2試合ありました。人気チームの結果はコロコロは1勝1引き分け。カトリカは1勝1敗。チリ大学は1敗
もう一試合は明日の月曜日。
この結果、リーグ戦の順位は1位ワチパト、2位はコブレサル、3位はコロコロ、そしてカトリカは4位、チリ大学は6位です。ただチリ大学が明日勝てば3位に上昇します。
来月チリ代表が友好試合をしますが、対戦相手がキューバボリビアなので、気合が入っていないと言われます。
国際連盟の発表で1993年にはチリは世界で60位。それは徐々に上昇し98年には15位ほどに上がりました。それがまた下降し2002年には84位になりました。再度上昇気流が来て2016年には4位まで行きました。それがまた落ち目で現在は31位。
誰もこの先どうなるか分かりませんね。


以上