チリの風 その1057 2023年8月14日ー20日 

先週は最高気温が25度を越え、もう冬は終わりという雰囲気でしたが、今週はそれが10度以上下がり、土曜日は最高気温13度と肌寒い毎日でした。
ラパヌイの大きな仕事が終わったので、早く正常化しようと毎日スポーツを楽しみました。丘登りとマラソン練習です。ちゃんと10キロ走りました。
しかし週末は大雨になって、土曜日の登山教室は中止。なんと27名の参加希望者がいたのですが。
同じく日曜日のマラソン練習も道が濡れているので中止。それでも参加してきた人と3人で、走れなかったけどコーヒーを飲みながら世間話を楽しみました。
それも喜びです。
そして次の目標、9月の軍事革命50周年記念の講演の準備を進めています。その一歩としてカマラの事務所に行き、打ち合わせをしました。
毎日こうしていろんなことがあって、それを楽しめるのが幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
パラグアイに外遊しました。理由はその国の新大統領就任記念式に参加するためです。
ところでその国に行くのに彼に同行したのはピニェラ前大統領でした???左翼側のバチェレットとかラゴスなら理解できますが、右翼のピニェラを同伴するなんて私にはわかりません。自分の父親の年齢のピニェラに「叔父さん、色々教えてください」って言ったのかな?
もちろんそれは後述の政府・野党の面談に関連してきます。不思議なのはこの外遊は大統領府広報のボリッチ動向に書かれていません。

そして第3回の大臣入れ替え式を実施。今回は5名の大臣が交替しました。なんと4名が女性でした。
教育大臣アビラ(RD 党)は教員ストをうまく抑えられなかったとしてカタルド共産党)に交替。
この一連の交替で一番影響を受けたのは民主革命党RDです。その党首は自分ではもう駄目だと辞任しました。例の簡易家屋建設不正問題の中心になっている党です。それだけでなく種々の不正問題で疑惑のある組織のほとんどは(78%)現政権時に結成されたものとか。検察がしっかり働いて不正関係者は右翼でも左翼でも有罪にしてほしいもの。
ところで社会党党首が今回の大臣交替に私たちは何の関与もなかったとコメント。昔、政府の中心だった時代を思い出すのでしょうね。
そしてその後、政府と野党連合チレ・バモスの面談が行われました。そのチレ・バモスには極右の共和党は参加していません。もちろん簡単に両者が意気投合するわけはないでしょうが、ボリッチはどこまで頭を下げれば、種々の問題にどう協力してもらえるかの様子見でしょうね。ピニェラのアドバイスを使って。
勿論極右の共和党のトップのカストもその面談に関してコメントしています。後ろからチレ・バモスを操っているのかな?
そのチレ・バモスのメンバーのエボポリ党のクルスコケは議会で議論することを政府が決定しようとしているのは不可解だとしています。
もっとも今回の大臣交替は何を意味するのかよく分からないとする記事も新聞に書かれています。

憲法委員会
共和党グループがリーダーになっている今回の新憲法委員会ですが、一部の左翼委員から新憲法案が出来てそれが国民投票になる時、自分たちはノーと投票するとしているとか。社会騒乱の時、ピノチェットが作った憲法を廃棄し、自分たちの手で憲法を作ると叫んでいたのですが・・・

(経済)

1)銅価格と為替
銅の価格の減少が止まりません。今週も先週より下がり3.71 ドル。
このため為替も1ドル864 ペソとペソ安が続きます。
2)景気
4-6月のGDPがマイナス1.1%になりました。昨年はまだ順調だったのに、今年に入り1ー3月がマイナス0.8%でしたからプラス成長から大きく離れています。
好調だった株式市場も落ち込んで6400ポイントまで行ったのに今週は6133ポイントで終わりました。
この7月、700社を超える企業が倒産とか。景気回復の雰囲気はありません。フーム厳しい。
サンティアゴの公共バスが10ペソ値上げします。
景気と直接には関係ないけど、どこかで影響しますね。
3)リチウム
少し前、大きな話題を呼んでいたのがこの鉱物ですが、世界最大級の鉱山SQMソキミチは利益が急に低下しています。
一時1トン当たり59.000ドルまで上がったのに、現在は2021年以来で最低の34.000ドルになっています。どうしたの?需要が減少?

(一般)

1)月曜日
日曜日の落ちついた雰囲気が月曜日になると大きく変わって車両の通行も歩行者の数も増えます。ところが今週は・・・?
それは火曜日がキリスト教の祝日だったので月曜日に休みを取り4連休にした人が多く出たからです。
その長い休みで44万台の車が首都圏から外に出てゆき、交通事故で13人が死亡、1700人もの運転手がアルコール関連で逮捕されました。
2)子供の数
 成人女性一人当たりチリでは1.3人の子供が記録されています。その数は前年より7.2%減少になっていて、毎年人口が減っていく傾向です。
3)犯罪
いつものようにアラウカニア州でマプチェの放火事件が起き、教会・学校・家屋・車などに火がつけられました。政治犯として逮捕されている同志の釈放を要求すると言うパンフレットが置かれていました。
警察や陸軍は何をしているのでしょうか。その地区に住んでいる人は毎日ドキドキして生活しているのでしょうね。厳しい。
マプチェがすべて悪いとは言いません。「ここは自分たちの領土だ。ここに侵略してきたチリ人を追い出すのだ」とするグループが問題なだけです。
もちろん、彼らも命を懸けて戦っているのでしょうが。
4)大雨問題
この週末、大雨になり、首都圏から南の各州で被害が出ています。6月末の大雨から河川の氾濫が繰り返されているわけです。
その雨は来週まで続きそうです。


以上