チリの風 その1008 2022年9月5日ー11日

先週、サンティアゴは春になりましたと書きました。しかし・・
月曜日の最高気温は29度でした。 
なにそれ、春じゃないでしょう。夏ですよ。ところが水曜・木曜日は小雨になり木曜日の最高気温は10度。
それ、春じゃない、冬でしょ。まだ安定していないと言うことですね。
月曜日、チリ大学病院に行って血栓症の薬が効いているか検査しました。朝6時40分の地下鉄に乗りましたが、ガラガラでした。
朝早く行く理由は早朝は病院に患者は少ないですが、少し遅くなるとあふれるほどの人が並ぶからです。
その他はいつもの様でした。土曜日の登山教室は12名の参加者で4時間の山歩き。楽しく歩きました。
ラソンも週日は一人で10キロ走りましたが、日曜日は雨で仲間と走るのは延期。
以前報告したチリ人で漢字遊びのゲームを考えた女性を招待して、それをどう完成させるか話し合いました。彼女の仲間のチリ人の男性も来ました。さぁうまく行くかな?
ところで、今日から夏時間になりました。1時間時計の針が進みました。朝は薄暗いけど、夕方は1時間明るくなります。
2週間前に台所の花壇に鳥が卵を二つ産みましたが、それが孵って新しい鳥が誕生しました。
来月、嫁さんと1か月で日本一周の旅をする予定でしたが、コロナ問題がおさまらないので来年に延期します。残念です。

(政治)

1)ボリッチ動向
 内閣改造
6名の大臣が入れ替わりました。 その内4名が女性でした。それから新左翼共産党系でない、以前の中道左翼系の人が多かったです。
それより話題になったのは、いや問題になったのは、新内閣発表が90分も予定より遅れたことです。
何それ?と聞かれそうですね。大臣と合わせてその下の次官も変更することになりました。内務省は大臣と次官を両方とも変更するはずでしたが、その次官は、共産党員で、3年前の社会騒乱の時から、「チリの警察は何だ。人民を殺す・迫害するのを任務にしているのか、それを認めるピニェラ政権は何だ」喚いていました。その人事が分かった時、与野党からクレームが出て、ボリッチ政府を混乱にする最悪の人事だとされました。それでその90分で彼を外し、同省次官をそのまま据え置くことにしたわけです。
共産党党首は我々を認めない人事で容認しがたいとコメント。一部の陣営から、それなら共産党はボリッチ政権から引き揚げようかとする声が出ました。
ボリッチはこの金曜日、第1回の新内閣会議を実施し、「我々は国民のために働く。与党に参加する党のために働くのではない」としました。惨めですね。そんなコメントをするなんて。
政権の基礎を新左翼共産党から従来の中道左翼系に方向を転換したと言うことでしょうね。元大統領のラゴスやバチェレットの影が後ろに見えるかな?
新聞の社説にこの人事に関し、解決できない問題、例えば凶悪犯罪・麻薬組織の増加、そして経済停滞があるが、もしそれ等が解決・軽減できなければ、再度社会騒乱が戻ってくることになるだろうとされています。確かにもっとも重要な政府の仕事ですね。
 
2)新憲法
今回のやり方では新憲法は作成できないと分かったので上下院の議長とボリッチは面談して、新憲法をどのように実現できるか考え始めました。明日の月曜に何かのアイデアが出そうとか。
憲法委員会の促進派の自己批判と言う記事が出ましたが、新憲法を国民の待つように仕上げることが出来ず、委員会のイメージを下げる行動が続いたと言うのが最悪だったのでしょうね。
憲法が拒否された先週の日曜日の夜、一部の地区でデモがありましたが、それほどの規模ではなかったので、チリにも常識が戻ったのかと思わせました。
国際機関の人間開発ランキングで、チリは191か国中の42位に入り、ラテンアメリカではトップとか。3年前までは、私はそう思っていましたが、最近はそうではないねと感じます。

(経済)

1)銅価格と為替 銅の価格は1ポンド3.62ドルと先週よりずっと上がりました。このまま以前のレベルに戻るかな?
そのためペソも安定し、1ドル881ペソでした。
中銀が新憲法が承認されなかったので、それがチリ経済に与える影響はほとんどなかったと発表しましたが、良かったねと言いたいところ。
2)消費者物価指数IPC
しかしIPCは全く手を緩めず上昇し、8月は1.2%でした。そして過去12か月の数字は14.4%となり、過去30年で最悪とか。
これがチリ経済に強く影響し、来年の経済成長は極めて低いものになりそうとか。

(一般)

1)高校生デモ
憲法推進派が怒り狂って起こすデモはほとんどなかったのに、今週の高校生運動はまるで3年前の社会騒乱を思い出すようです。4日続けて高校生グループのデモがありました。公共バスに火をつけ全焼させる事故が起こっています。以前と同じ白いオーバーオールの服を着たグループがモロトフ爆弾をぶつけます。また地下鉄の駅でタダ乗りをして中に入り駅のホームに座って線路の前に足を出します。もちろん事故になるのは当然ですから地下鉄は運航停止です。おまけに近くの商店に入って商品の略奪を実施。
3年前と同じ状況です。
テレビカメラの前で、リーダーが政府は教育改善に全く手を付けないと厳しい批判していますが、それが暴力デモの正当化にはならないでしょう。
文部大臣は、こうした暴力行為は認められないとコメント。
前のピニェラ政権の時は警察が前面に出て押さえつけようとしましたが、ボリッチはそれをしていません。
来週も継続するのかな?
今日、9月11日はピノチェット軍事革命の起こった日です。今年は49年、来年に50周年となります。
モネダ宮殿の前の広場にアジェンデの銅像が立っていますが、その前で共産党社会党が追悼式を上げました。数人の大臣が参加しました。
毎年、極左層が反軍事政権の抗議デモを起こしますが、今年もモネダ宮殿の前と、中央墓地で警察と衝突。警官が2名負傷しました。
その墓地に行ってボリッチはアジェンデの墓の前で祈りました。
2)マプチェ問題
今週も同じです。第8州ビオビオ州のウワルキで、高圧鉄塔がダイナマイトで壊されました。もちろんその地区は停電です。マプチェのパンフレットが置かれていました。同地方で道路が封鎖され、交通が遮断されました。そして金曜日に2軒の家屋への放火と車両が燃やされました。いつもと同じですね。
親子でリーダーが逮捕されたマプチェグループはまだ活発に行動しています。
3)コロナ問題
もうほとんど話題にならなくなりました。マスコミでも報道されません。ピニェラの時の強制管理が、ボリッチになって自由奔放になり、前厚生大臣は全く存在感がありませんでした。それで新大臣に変わったのでしょうが、新しい大臣はどう動くのかな?
今週の新規患者は5千人ほど陽性率は10%くらいです。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦が始まりました。人気3チームの結果はコロコロとカトリカが勝利。チリ大学は引き分けでした。コロコロはウニオン・エスパニョールとホームで戦いましたが、何と3.5万人の観衆。もう完全にコロナ以前の情況に戻っています。さてその結果、首位はコロコロで2位に9点差で万全。カトリカは10位、ところでチリ大学は13位と2部リーグ落ちに近いところです。


以上