チリの風 その1024 2022年12月26日ー2023年1月1日

とうとう新年になりましたね。明けましておめでとうございます。
さて2022年はどうだったでしょう。コロナが始まって3年になりますが、昨年はその中で規制がほとんどなく自由に生活できたのが私にとっては最高にうれしかったです。自宅待機が何か月も続くと、日本の方は想像できないでしょうが、人生が変わります。
それがいつまで続くのかもわからないし・・・
私がチリに入国したのは1979年ですから、昨年で43年、今年は44年目になります。世界一周の途中にチリに入り知人・友人が一人もいないサンティアゴは3日の滞在予定だったのですが、それが43年ですからね。不思議です。
チリに世話になっているからチリを助けたいし、日本のこともチリ人にしっかり伝えたいです。
いつまで楽しい人生が続くかわかりませんが、今年もいろんな計画があり、楽しい毎日になりそうです。

(政治)

1)ボリッチ動向
 世論調査ですが、ボリッチを支持する・拒否する人の数が出ました。
 支持するとしたのは政権が始まった3月は54%。それが12月には34%に下がりました。拒否するとしたのは3月が42%、12月は65%。もういつもの傾向が確認されています。これがそのまま継続して支持が10%、拒否が80%とかになったら国会も彼を罷免するような議論が出るかもしれませんね。彼があっさり辞任することはないでしょうが。
 じゃ、国民は何を希望しているのか、それもちゃんと世論調査で出ています。
 ところで今日、彼はブラジルに飛びました。新大統領の就任式に参加する為です。彼の大好きな外遊ですね。
 社会犯の恩赦
 ところが仕事の最終日30日に彼は犯罪人の恩赦を発表しました。3年前の社会騒乱で逮捕された多くの人間のうちの13名です。
 不思議なのは内務大臣がその恩赦を発表したときは11名で、後で2名追加されました。大臣が名前を書き忘れることはないでしょうから,後で誰かが追加2名を指示したのでしょうね。ところでその恩赦になった人間ですが、放火とか破壊とかの凶悪犯で有罪になっています。
 右翼と戦った左翼と言う雰囲気ではありません。
 世論調査では国民は現在の急増する犯罪を抑えると言うのが政府の最も重要な仕事と考えています。この社会犯恩赦の発表をした内務大臣は記者会見で犯罪を抑えると言う最重要な事項を与野党が一致して実践したいとコメントしましたが、それなら火炎爆弾を警官に投げた犯人を釈放するのは大きなエラーでしょうね。彼女はこれ以上恩赦ないとしましたが、多くの有罪者の中からどのようにこの13名を選んだのでしょう。
 ボリッチの失政のシンボルになるのではないでしょうか。
 恩赦の中の一人は左翼ゲリラグループのメンバーで社会騒乱とは関係なく銀行を襲って逮捕されました。共産党は彼の恩赦を評価しています。
 もちろん野党側はこの恩赦に反対し、後で2名追加した不手際の法務大臣を国会で糾弾するとか。
 大統領府の動向報告書にはこの事項は掲載されていません。
 それでもボリッチはアメリカのタイム誌に就任を大きく書かれたり、ブルームバーグ誌ではボリッチは昨年の世界に影響を与えた50人の中に入っています。
 ところで今年の政界で勝ち組負け組と言う記事が大晦日に出ました。新左翼で議会の議長にえらばれたミロセビッチが勝ち組、前内務大臣のシーチェスとボリッチの学生運動時代からの仲間ジャクソン大臣は負け組のトップとか。
 そうそう新憲法委員会の議長をしたマプチェの女性ロンコンは私が議長にえらばれたとき、ボリッチはこの先、私のそばにいるとコメントしてくれたのにそれが薄れてしまったのが残念とコメントしました。9月4日に新憲法が拒否されたのでボリッチにとって彼女は価値がなくなったのでしょうか。
 ボリッチが経済関係関連事項で大ヒットを打つとは思えませんから、日に日に人気が落ちていくのは間違いないでしょうね。
 検察長官
 もういつもと同じようですが、二人の候補者が出てボリッチはその一人を推しているとか。
 議会で承認されるかな?そのうちの一人はフェースブックでピニェラを批判したことがあるらしい。
 新憲法
 もう国民の興味は薄れていますが、今年はまたそれに関する選挙があります。国民はどう対応するでしょう。
 右翼側はほとんど興味はないし、左翼側は新憲法委員会に識者を入れるというアイデアを嫌っています。委員は全員市民にするべしというわけです。

(経済)

1)銅価格と為替
 昨年の最終数字は1ポンド3.84ドルで為替は1ドル852ペソでした。
 その銅価格は1月4.38ドルに始まり3月には5ドルに近づいたこともありましたが、7月から下降が始まり結局3.84で終わりました。
 為替は1ドル850ペソで始まり、7月に1000ペソを超えましたが、またペソは勢いを取り戻し戻し852ペソと年初と同じレベルになりました。
 さてチリ株式市場IPSAは昨年22%の大幅上昇を記録しました。日本はマイナス9%、アメリカのダウジョーンズもマイナス9%ですから、チリは世界的に見てトップクラスですね。珍しい。
2)最低賃金
昨年は40万ペソでしたが、今月から少し上がって41万ペソになりました。たくさんの人がにっこりするでしょうね。

(一般)

1)コロナ問題
 一日当たりの患者数が今週は6千人に増えています。また陽性率も20%まで上がっています。でもコントロールは全くありません。
 ただ今まで自由だった入国が、中国人と中国からの旅行者にはPCR検査が入国時に要求されるようになりました。

2)山火事
鎮火されていない山火事が16も記録されています。南部のビオビオ州(第8州)はナシミエントとサンタ・フアナで家屋や学校が燃えました。
 ユンベルも火が町に近づいているとか。その南のアラウカニア州(第9州)はルマコなどで1700ヘクタール、200件の家に火がついたとか。
 山火事とは関係ありませんが、この大みそかの花火大会がほとんど全国で禁止になりました。

以上