チリの風 その1009 2022年9月12日ー18日

2年間、コロナ問題で18(ディエシオチョ)と呼ばれる建国記念のお祭りは中止でしたが、今年は今までと同じように全国各地で盛大に行われました。

ただサンティアゴの天気があまり良くなかったのは残念でした。
オヒギンス公園の会場が一般市民にオープンする式典でボリッチはサンティアゴ区長の女性とチリの国民ダンスのクエッカを踊りました。子供のころからやっていなかったのでぎこちなかったですが、何とか踊りました。なんでもモネダ宮殿に先生を頼んで数時間もクエッカの練習をしたとか。土曜日、その公園の会場になんと4万人が入場とか。飲んで踊って、夜中までコンサートを聞いて騒いでいました。
私の住居の近くで、踊る場所があったのですが、そこを娘と通過した時、司会の人が一緒に踊りませんかと誘い、彼女は踊りました。親の私は最悪レベルですが、彼女は通常チリ人レベルでバッチリ決めました。
さてスポーツはいつものように今週も楽しみました。マラソン練習は3回走りましたが、その中でいつも歩くカランの丘コースを走りました。早足で1.5時間の所を55分で走りました。登りはきつかったです。
来週、学校で仲間と二人でする特別授業チリの歴史の予行演習を私の所に先生を招待して二人で実施しました。
ちゃんと決まって嬉しかったです。

台所の花壇で生まれた2羽の小鳥の1羽は死にましたが、生き残ったのはすくすく大きくなっています。
この様に毎日何かすることがあって、それを楽しめるのが幸せです。


(政治)

1)ボリッチ動向
 久しぶりにピニェラがテレビの番組に出ました。そこでボリッチを批判しました。「この半年間(大統領に就任した3月から今日まで)新憲法承認を目指して仕事をしていたようで、国民の課題、例えば犯罪の増加から安全性が下がっていることなどに注目していなかった」
 もちろんボリッチは即座に反応して、「彼は私を批判する自由を持っている。私が彼の政権を批判していたように。しかし大事なのはその批判の内容で、彼の4年間の政権で犯罪数が大幅に増加していることを忘れて私を批判するのはレベルが低すぎる。もう少し状況を見ながらコメントしてほしい」
 世論調査ではボリッチを素晴らしい大統領と思うのは30%しかいませんが、半年ぶりに見たピニェラの話し方 は、私の眼には悲しいほど老人ぽかったです。

 似たようなことですが、社会騒乱があったころは毎日の様にデモ隊と警察がぶつかり、負傷者が出ていました。
 その負傷者が警察の暴力で身体機構に問題が出たと政府を訴えました。ピニェラ政権時に145件の訴えが出ましたが、その内49件だけが認知されました。ところが、ボリッチになってから、今はそういう負傷はほとんどありませんが、ボリッチ政権は何と296件のクレームを受け入れました。過去にクレームした人を全部認めたのかな?
障害年金の額は現在の所26万ペソから52万ペソとか。
イスラエル問題
ボリッチは新イスラエル大使と面談するのを拒否しました。その理由はパレスチナ問題ですが、同地区の少年をイスラエル軍が殺したからで、それに反対するボリッチはパレスチナの側に立ったわけです。
パレスチナは感謝していますがイスラエル政府は激怒です。
しかし思い切った判断をしたものですね。そういう事件はどこでもあるでしょうから。・・・もっともすぐに頭を入れ替えて今月末にその新大使と面談するとか。彼は1967年の6日間戦争で決まった領土を守ってほしいとコメントしています。何それ?と言う感じですね。
私はその戦争のすぐ後に大学を休学し、1年間イスラエルキブツに行きました。そのゴラン高原も歩いたことがあります。イスラエルパレスティナの争いは複雑です。
キリスト教のミサ
土曜日にキリスト教の新教プロテスタントの感謝のミサにボリッチは参加しました。バチェレットやピニェラの時は政府批判のコメントがでましたが、今回は国会だけでなく国が分裂の状態になっているのを何とか手を組むように変えていく必要があるとしました。

そして日曜日、旧教カトリックのミサに参加しました。
もっとも昔と違ってチリ人の宗教熱は大きく下がっています。
そのカトリックのミサの後、モネダ宮殿に戻り、関係者で18のお祝いを楽しみました。招待者がクエッカを踊りましたが、ボリッチは踊りませんでした。
ボリッチは国連総会に参加するため、明日、ニューヨークに飛びます。
2)新憲法
この月曜日から国会で議論が始まりましたが、全く進展がありません。次回は政府を関連させないとか、委員会に今回の様に素人ばかりではなく憲法のプロも入れるとかのコメントがあるようですが、右翼も左翼もバラバラで前進するのは不可能な感じです。どうなるのかな。
今月の新憲法是非の投票で60%がノーでした。2年前の投票では新憲法を作ろうと言う人が80%でした、2年前の新憲法は要らないとする20%の人の他に今回40%の人がノーに投票したわけです。つまり新憲法を希望した80%のうち半分が考えを変えました。それは新憲法委員会の人間のレベルが低いとか、複数国家など理解しがたい条項が多かったからでしょうが、風が大きく変わったわけですね。
次回はどんなふうにそれに取り組むのでしょうか。

(経済)

1)国際レベル
ムーディズの発表でチリのレベルはA1からA2に下がりました。社会混乱に経済低迷がその原因とか。外から見てもチリは落ち込んでいるのですね。
チリはTPP11にまだ加盟していませんが、チリの現状を見て、将来を考えるなら、国際化を進めるのは当然の動きで、その条約に加盟するのは必要不可欠だと新聞の社説に出ました。
ボリッチのまわりには随分、孤立主義の人がいるのですね。それに加盟するとチリの自由な権利が縮小するとか言っています。
2)銅価格と為替
1ポンド3.54ドルで終わりました。一日3.77ドルまで上がったので、チリにとって最高の週だと思いましたが、 最後は先週より落ち込みました。しかしたった2日ほどで銅価格が大きく動くのは不思議ですね。いつも言うように需要が動いたとか、銅のストックが変わったなどではないですね。誰かが売りに出す、買いに出ると言うのがその動きの理由でしょうね。さて銅価格が下がったので1ドル917ペソとペソ安になりました。

(一般)

1)学生デモ
今週も3回ありました。今までは高校生でしたが、今週は大学生が中心。この先も継続しますね。デモがあるたびに幾つかの地下鉄の駅が封鎖されます。それくらいならまだ我慢できるかもしれませんが、全線が止まれば市民生活に大きな影響が出ます。理由があってデモをするなら理解できますが、最近のデモは全く不可解です。
 
同じようにマプチェ問題も継続です。今週もアラウカニア州で放火事件がありましたが、従業員の家に覆面部隊が押しかけ放火します。家屋が大きく燃え上がった段階で引いていくらしい。しかし会社の事務所や倉庫でなく一般従業員の家に放火するのは、この地区は俺たちの物だ、お前たちはここから出て行けというわけで
すね。いつも書いているように、その地区に住むのは難しいです。
新内務大臣のトアのコメントです。前大臣が3月にそのアラウカニア州にマプチェと面談しようと行きましたが、銃を撃たれ、全く面談もなく、首都に戻りました。それに関し、新大臣はそのアイデアは良かったが、準備が整っていなかったとコメント。自己批判の一つでしょうか。
国会で南部の州に軍隊を派遣する特別法案がまた可決しました。7回目の延長とか。
2)コロナ問題
今週も数字は安定して低めで1日の新規患者は3000人ほど。陽性率も9%ほどです。今日は更に下がって2000名で8%でした。
予想として建国記念のお祭りが終わった後、第8波が来ると言うのと、このまま収まっていくだろうとする意見に分かれています。さぁ、どうなるかな?
建国記念のお祭りは金曜日から月曜日までの4連休ですが、首都圏から30万台の車が郊外に出て行ったとか、事故を起こさずに帰ってきてほしいですが、今日まででもう30名ほどの交通事故死亡者が出ています。。

(スポーツ)

1)サッカーリーグ戦の終わりが近いですが、人気チームの今週の成績はコロコロ、チリ大学そしてカトリカの3チームが全部勝利を収めました。それでコロコロはほぼリーグ戦の優勝を決め、チリ大学は2部に落ちないで残れそう。カトリカは中盤から上位に足を延ばしています。
2)テニス
デービスカップのチリ対ペルーがリマでありました。それの結果は・・3対2でチリの勝利。同クラスに残ることが出来ました。危なかったけど。


以上