チリの風 その1061 2023年9月11日ー17日

今週も忙しく楽しい毎日でした。
カマラの月例会の日に、軍事革命50周年記念の講義をしました。オンラインで78名の参加者を前に1時間ほど楽しく話が出来ました。
そして今は次のチリの歴史の講義の準備を始めました。前回と同じではなく新バージョンです。
スポーツも久しぶりに登山教室。土曜日に10数名の参加者で楽しく歩きました。マラソン練習は週日10キロを走りました。でも日曜の朝は霧雨になり走るのを止めました。
後期高齢者になってもこうしてすることがいろいろあり、心身ともに何とか正常というのが最高の喜びです。
いつまで続くか分かりませんが、毎週努力をします。

そうそう家屋税を払いました。後期の1回目ですが、何と前期より大きく下がりました。家屋価格が上がって税金が増えると言うのはありますが、なぜ下がったのかな?
高齢者への援助かとも思いますが、それならなぜ今年前期は通常額だったのでしょう?

弟から連絡が入り「兄ちゃん、阪神が優勝した」と。私たちは神戸の出身です。

(政治)

1)ボリッチ動向
9月11日の記念行事のためモネダ宮殿の前にテントが張られなんと3000人が集まりました。その集まりは意外なほど国際的でした。メキシコの大統領をはじめ、現職や元大統領など多くの政治家が集まり50周年に対するチリの姿勢を見守りました。現職ではメキシコのほか、コロンビア、ボリビアウルグアイそしてポルトガルでした。そのほかにも元首脳や各国の高官が参加しています。
その後ですが、キリスト教民主党DCの党首ウンドゥラガが「その日、DCは軍隊側に位置してアジェンデに敵対した」と自己批判しました。もちろん党内で大騒ぎでしょうね。
いつまでも左右の対立を続けるなとする批判に関し、共産党の議員が軍事政権に殺された私たちの仲間は自己批判せよとするのかと反論しました。しかしお互いに批判しあうと言う姿勢を続けることがチリの安定を妨げると言うことを分かってほしいです。一般市民が極右と極左を認めなければよいわけですが。
その後は、彼はお祭り気分で10月にチリで行われるラテンアメリカオリンピックの選手村完成式に行きました。もちろんその大会が終われば、そのマンションは売りに出るわけで
政府は低価格でそれを庶民に渡します。
ところで彼の両親が住むプンタ・アレナスで問題が起きました。誰かがその両親を脅すパンフレットを家の前にまきました。それがボリッチを嫌うのか、彼の父親が過去に起こした問題から
来るのか分かりませんが。悲しいニュースですね。
2)新憲法委員会
第2回の委員会も終了に近づいています。新憲法案作成の投票が始まっていますが、右翼の中で極右の共和党とそれ以外のチレバモスが対立しました。共和党案をチレバモスが拒否しました。
左翼も分裂気味ですが、右翼も大変です。さぁどんな新憲法が作成され国民に提示されるのでしょう。なんだかその新憲法草案が出る前に否決が決まりそうですが。
今週、左右の大統領だったバチェレットとピニェラが今のままではまた国民に否認される、それを防ぐためには新憲法草案は国民に認められる内容にするべきだと訴えました。
素人の私は、ピノチェットの作った現行憲法のどこをどう変えるのかはっきりさせれば国民がそれを承認・否決する決断がしやすいと思いますが、どうでしょう。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド当たり3.80ドルと少し良くなりました。しかし1ドルは886ペソとペソ安が続いています。
2)経営状況
今年は大企業の60%が予想より経営状況が悪いと考えているようです。厳しい状況ですね。
ガソリン価格が上昇しました。これからもそれが継続するかもしれないとか。
中銀の公定歩合を更に引き下げて経済活動を活発にする必要があると言われます。

(一般)

1)社会騒乱
9・11には再度社会騒乱が起きると考えましたが、意外でした、それほどではなかったです。逮捕者は108名でした。
先日、高校で放火事件がありましたが、今週もその近くの道路で白服を着たグループがバスを止め、それにモロトフ爆弾で攻撃し、2台が全焼しました。2019年から未成年で火炎爆弾を投げて逮捕され有罪になった29名の記事が出ましたが、周りに影響されると言うのが明白です。
先週書いた麻薬組織のアラグア鉄道が判事などを脅迫した事件で、確かに検察から彼らに裁判の時に証人になった人の書類が渡されていたことが明らかになりました。その組織は南米のほとんどの国で活動しているとか。どこまで行くのかな?
南部地区のマプチェの問題は毎週同じで、今週もグループが家屋に放火し車とも全焼しました。中にいた夫婦は負傷して病院に運び込まれました。そこにマプチェのパンフレットが置かれていました。
2)お祭り
9月は11日の軍事革命記念日が終わると18日の建国記念日に話題が移ります。オヒギンス公園の会場の開会式が行われ、そこで大統領はクエッカを踊るのですがボリッチは足のけがをしたと遠慮しました。昨年は下手な踊りを見せたのですが・・・
しかしこの何年間かコロナ問題で、お祭り騒ぎは抑えられていましたから、通常に戻ると言うのはうれしいことです。
月・火曜日が祝日で4連休ですが、52万台と言われる多くの車が首都圏から郊外に出ていくとか。もちろん、飲酒運転などで多くの交通事故が起こります。
そのお祭りの日に雨の予想がありますが、どうなるかな?日曜日は小雨でした。それでも雨の上がった夜にはオヒギンス公園は満員の客でした。
今年は雨が多いと言われますが、この数年極端な乾燥状態が続き、大きな問題を出しました。今年は大雨で水害続出と言われますが、10年・20年前の水量と同じで今年が異常に雨が降ると言うのではなく、元に戻ったと言うことらしい。今週も南部で大雨になり3つの州で水害になっています。なんでも1万人以上が自宅から出られない状況とか。
土砂崩れ
これが最近の大きな話題です。バルパライソ州のコンコン地区で大きな土砂崩れが起き4つのマンションががけ下に落ち込みそうです。200家族ほどがそこに住めなくなり、家財を運び出しています。またいつか戻ってこられるか分からず、大金を払って購入したマンションが無価値になれば将来どうなるでしょう。
そんな危険なところにビルを建てた会社、それを認めた州・市の責任はどうなるのでしょう。保険会社は払わないでしょうね。

(スポーツ)

1)サッカー
ワールドカップの南米予選の2回戦が行われました。チリはホームでコロンビアと対戦し0対0の引き分け。予選参加チーム10チーム中の8位とほとんど最下位にいます。悲しいですね。
専門家のコメントですが、チリがこれほど落ち込むとは思わなかったとか。
2)テニス
デイビスカップ戦でチリはスウェーデンと対戦し3対0で勝利を収めました。意外と強いですね。ところがその後は負けが続きました。残念。
3)ラグビー
初めて世界選手権に出場したチリですが、日本に負け、続いてサモアにも負けました。それでも世界大会にこうして参加しているのが嬉しいですね。

以上