チリの風 その1062 2023年9月18日ー24日

日本の残暑と逆に残寒が続いたサンティアゴです。
今週も忙しく楽しく過ごしました。
登山は、いつも歩いている3時間の展望台コースより上の分岐点まで4時間歩きました。そこを目標にしたのはその辺りに野に咲く花が集まっているからです。
ラソンは2回。そのうち1回は10キロコース。最近で一番良い記録がでました。日曜日は仲間と3人で楽しく走りました。
それから久しぶりに近郊のマイポ渓谷へ。階段を上って行って、街を下に見ながら2時間以上散策しました。
土曜日のサッカー教室は・・残念、参加者が少なくて中止になりました。
今週の最大の話題は息子と2年ぶりに会った事です。彼は東京で働いていますが、出張でチリに来ました。元気いっぱいでした。
こうしてほとんど毎日、スポーツを楽しんでいます。この元気がいつまで続くか分かりませんが、人生の最後の段階を精いっぱいがんばります。

先日、台所の隅に野鳥が卵を産みましたが、それが孵って2羽の赤ちゃんになりました。

(政治)

1)ボリッチ動向
18 日 18の建国記念日はモネダ宮殿から彼はオープンカーに乗ってカトリックの大聖堂へ。道端にそれほど多くの市民が彼を見守っていませんでした。
大司教がお祝いのミサで「国の統一を図り、軍事政権下で行方不明になった人の消息を調べ明らかにしてほしい」と要請しました。
19日  軍隊記念の日です。陸空海そして警察の4軍がパレードをし、ボリッチがそれを見守りました。4時間も続きました。政府で治安を守り切れないと軍隊が街角に立って国民を見守る必要がありますが、そうなれば軍事政権に逆戻りですね。
20日  ニューヨークに飛んで国連の総会に出席しました。自然保護のアピールをしました。その他にも軍事革命50周年の話もして、アメリカ政府のチリへの干渉があったこともコメントし、ニクソンの名前を出しました。またアメリカ政府のキューバやベネスエラへの経済制裁を批判しました。それからウクライナの大統領ゼレンスキーと面談しました。最後にワシントンに行き、そこで軍事政権に殺された元外相レテリエルの墓参りをしました。
2)新憲法委員会
最後の段階に近づいて、投票が始まりましたが、最右翼の共和党が政府を厳しく批判しています。この委員会の作る新憲法草案を国民に承認させる努力をしていないと言うわけです。妊娠中絶の件に関して新聞にどれが自由なのか権利なのかはっきりさせてほしいと書かれました。
3)ピニェラのコメント
アルゼンチンを訪問中のピニェラは4年前の社会騒乱に関し、まるで革命がおこったと感じさせられたほどの苦しみだったとしました。
暴力グループは教会・学校・病院・商店・記念碑と目の前にあるものを壊し続けたからです。それは反右翼の左翼グループでした。
ピノチェットがその時、大統領なら軍隊を出して反対勢力を力で抑えたのでしょうが。

(経済)

1)銅価格と為替
銅価格は3.71ドルと下がり、厳しい状況です。そのため為替は1ドル882ペソになりペソ安が進んでいます。
2)チリ経済の動き
世界の経済自由度というランキングの発表がありました。チリは今回は24位から30位に落ち込み今までラテンアメリカのトップだったのに、コスタリカに越されました。 ただ南米の中ではまだトップです。10年前は世界7位まで上がっていたのですが。今年はシンガポールが首位でしたね。
チリの国営産業では常にコデルコ銅公社が首位でしたが、今年の上半期は、国立銀行とエナップ石油会社に追い越されました。コデルコは銅価格の下落と生産量の落ち込みでは無理もないですね。さぁ今年の後半はどうなるかな。あまり変化は無いようですね。

失業率
今年になって会社の都合でクビになったのは30万人を超え、前年より16%も増えています。
家屋販売数
7月の新居の販売は前年対比10.3%の上昇とか。少しは良くなっているのですね。

(一般)

1)建国記念のお祭り
 首都圏で一番大きな会場はオヒギンス公園ですが、そこのフォンダ(屋台)のオーナーが今年は昨年の2倍の利益が出たとニコニコ顔。
 昨年もお祭りはありましたが、今年はコロナ問題が完全に終わり、集会をコントロールするような規制は全くなかったです。
 新聞にチリ社会の正常化が戻ったとされました。良かったね。
2)犯罪行為
 アルゼンチンから肉を持ち込むトラックが襲われました。グループが銃で運転手を抑え、後ろの扉を開けて中の製品を盗み出すと言う手段です。
 それから南部のアラウカニア州でマプチェの犯罪グループ関連で11名が逮捕されました。そのうち2名は警官でした。(一人は現職、もう一人は退職警官)
 彼らは情報をマプチェに渡していたのでしょうね。先日、同グループが家屋に放火し、夫婦を銃撃した事件が起きましたが、今年になってその種の凶悪犯罪は三日に1件と頻繁に起きています。警察・軍隊が立ち向かっているわけですが、ひどい状況がおさまる様子はありません。
ベネスエラから来た麻薬組織のアラグア鉄道が検察官を脅し、彼らに関する裁判で証人になった人の情報を流した件が問題になっています。
彼らは裁判に力で介入しているわけですから問題の深刻さは当然ですね。
彼等のメンバーは40名以上がチリで刑務所に入っています。同グループのリーダーはベネスエラの刑務所から脱出しペルーかチリにいると言われます。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦で人気3チームの結果はコロコロは勝利、チリ大学は敗戦、カトリカは勝利でした。この結果、今週の段階で首位は変わらずコブレサルでした。コロコロは3位で優勝が目指せます。
2)ラグビー
世界大会でチリはイギリスに惨敗しました。これで3連敗。最終戦は隣のアルゼンチンです。結果は惨めでも初参加できただけでも素晴らしい。

以上