チリの風 その1044 2023年5月15日ー21日

先週のやや異常な気象が終わって今週は通常の晩秋の気配のサンティアゴです。
火曜日は天気予報では一日中雨でしたが、月曜日の深夜にやや道路が濡れるほど雨が降っただけでした。今日は予想が当たって午後に小雨になりました。
雨の少ないここでは少しでも雨が降れば最高です。倉庫から暖房器具を出しました。まだ使ってはいませんが。
もちろん、いつもと同じように毎日を楽しんでいます。
山歩きは仲間と第3展望台に。滑って転ぶと言うこともなく楽しく歩きました。いつものように3時間コースをそれより速いスピードでした。
ラソン練習も日曜日に仲間と楽しく走りました。週日の夕食にチリ人の友人を招待して、妻の作った手料理を楽しみました。
いつものように幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
今日5月21日はイキケ海戦の祝日です。ボリッチはそのイキケに行って、海軍の行事に参加しました。太平洋戦争の時、イキケの沖でチリの駆逐艦エスメラルダが敵艦に攻撃され、艦長のアルツーロ・プラットは敵艦に乗り込み殺されました。それでチリ海軍のシンボルになったわけです。私はチリ人の考えとは違って、彼でなく同僚のほかの艦長がこの戦いの英雄だと思いますが、いつかそのうち報告します。
5月7日の新憲法委員会の選挙で、与党側は敗北を喫しましたが、ボリッチの基盤の新左翼は、ボリッチは今までの中道左派の路線を歩み、彼の基礎の新左翼の考えを疎んじていると批判しています。
新委員の活動が始まりました。さぁどんな結論が出るのでしょう。
国会で野党が内務大臣を糾弾する動きがありましたが、問題にはなりませんでした。ピニェラの時に左翼がしていた嫌がらせと同じですね。

養育費問題
 裁判所で出された判決を守らない人が多くいるわけですが、それをどうして正常化するか新しい法律が出来ました。その未払の親の持つ資本を(例えば厚生年金の積立金)その支払いのため引き下ろすのを認めるとか。
 ボリッチは長い期間がかかったがこうして正義の道を進むのは素晴らしい喜びだとしました。なんでも養育費未払で訴えられている人はサッカーの試合を見に行けないことになるとか。チリサッカー連盟の会長パブロ・ミラドは「この政府はレベルが低い。子供にプレゼントするお菓子について論議しているようだ」とコメントしました。もっともその後で、私のコメントも内容が低いと自己批判

イサプレ民間健康保険
ボリッチは好きであれ嫌いであれ最高裁がイサプレの会社に支払いを命じたことは実施されるべきだとしました。この9月にそれが実施されると一部若しくは大半の会社が倒産する可能性があるとか。同連盟会長はシステム自体が終了するかもしれないとコメントしています。もちろんそのシステムが崩壊すれば、国営フォナサを使っていないチリ人、つまり過半数は健康保険から外れます。また病院・診療所などの倒産の可能性もあるとか。ということは大量の失業者が町に溢れますね。
モネダ宮殿の内閣府長官は「イサプレは判決をどのようにして実行するかという話をせず、この判決では自分たちは消えていくと否定的なコメントしかしない」と批判しています。

軍隊
内部の問題ですが、組織の中で汚職関連など不正な行動が確認されています。もちろん軍部のトップが怪しい行動をしたことは過去にもありました。是非をはっきりさせてほしいですね。
海軍兵士がイキケの道路上で人を殴り殺したと逮捕されました。そして軍から追放されましたが、殺人罪としてどんな裁判になるのでしょう。殺人の理由がよく分かりませんが、現役軍人が殺人をするなんて不可解です。

報道の自由 
今回発表された報道の自由度でチリは世界180か国の中で83位の低迷でした。私はチリで起きている情報をテレビ・新聞そしてユーチューブから入手していますが。報道の自由度は高いと感じます。
プロの見る目と素人の私の眼はそれほど大きく異なるのですね。
アジェンデとキューバカストロが話し合った様子をユーチューブで見ました。銅鉱山の国営化がされた後でしたが、アジェンデはマスコミがその国営化に反対して自分を批判するとクレームしていました。
それは報道の自由があるのでしょうか無いのでしょうか?ニクソンキッシンジャーにアジェンデを潰せと命令し、チリの新聞社に金を渡して反アジェンデの記事を書かせよとしたのは本当なのでしょうか。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド3.73ドルと先週より低い数字にとどまっています。しかし為替ではチリペソは1ドル799ペソと良いレベルです。
銅の場合、民間の企業と同じくコデルコ銅公社が操業していますが、年内にリチウム関連の国営企業を立ち上げるとか。
大蔵省は経済を活発にするための資本として銅鉱山のローヤリティ税を考えていますが、それにリチウムも関与してくるわけですね。
なんでもチリ国内の302の市役所(町役場)がそのローヤルティ税の恩恵を受けられるとか。その合計の予想は1.7億ドルです。

2)建設業界
 財政改善のため、建設業界の援助をボリッチは約束しました。建物を建てて、それを販売する分野はチリ経済に大きな影響力を持っていますからね。

(一般)

1)マプチェ問題
 軍隊をアラウカニア地区に駐在させる法案が発効して、もう1年たちました。しかし今週も今までと同じく、同地区で放火事件が続出です。1年で400件近いと言われますから、毎日事件が起きているわけですね。
 反政府運動は趣味でやっているのではないですから、そのグループの生活費を出すため、組織は資金が必要です。それを麻薬でやっていると言われますが、その問題をマプチェ問題とは独立させて麻薬の販売は認められないとする観点から、その組織を洗い出すのは正当でしょうね。
 マプチェとは関係ないですが、道路の安全通行を図る警察・役所の動きで多数の自動車が検閲され、驚くほどの高い違反者が見つかりました。つまり今まで規制が上手く実行されていなかったと言うことですね。 
さてチリ人グループがアメリカで窃盗などの犯罪を繰り返していると言われますが、駐チリのアメリカ大使はチリへの特別ビザ方針を変えるつもりはないとしています。

2)旅行
4月のサンティアゴ空港の利用者は前年対比27%アップで、コロナ問題の前の最も高い数字にあと10%まで接近とか。今年中にコロナ問題以前まで戻るでしょうね。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦は前半が終了しました。15試合の段階でトップ3チームはコブレ・サル、ワチパトそしてコキンボ・ウニドスです。
人気3チームはコロコロが5位 カトリカは4位とチリ大学は6位とパッとしません。


以上