チリの風 その1037 2023年3月27日ー4月2日

月日の立つのは早いものでもう4月になりました。今日から夏時間が終わり自然時間になりました。朝は1時間早く始まり、その替わり夜は早く来ます。最高気温は30度を割って少し涼しくなったサンティアゴです。
スポーツですが、マラソン練習は週に3回走りました。サンティアゴラソンが近いからかな?登山は山には入らず近くのカランの丘を歩きました。
サッカー教室は学年末休みなので参加者が少なく中止になりました。そんなこともあるのですね。スポーツだけでなく文章を書く仕事も進んでいます。
いつもの静脈血栓症の血液検査を病院で受けました。朝6時半過ぎに家を出て病院に。私がその日の最初の血液検査の患者でした。医師の面談で結果はばっちり。
戻る時そこからセントロ(中心街)まで1時間ほど歩きました。ゴミ袋が破られてゴミが散らばっています。かなりの数でした。中のゴミを調べて、使えるものは持ち帰るのでしょう。川の近くの道路には以前よりずっと多い、多分百人ほどの露天商が店を並べていました。それは違法ですが、それで生活している人がそれほどいるわけですね。
さて南部の町フルティジャールに行くことにして旅行代理店で航空券を買いました。そこは将来の移住目的地です。妻と二人でバケーションとしてそこで休むだけでなく、不動産屋の宣伝で魅力のある家が出たので、それも見に行きます。

今週も幸せな毎日が続きました。

(政治)

1)ボリッチ動向
 国際会議から戻って来たボリッチが最初にしたのは警察官の葬儀への参加でした。警官殺害は先日もありましたが、今回の場合は犯罪グループの発砲した弾丸が女性警官に当たり 死亡しました。
 ボリッチは警察を全力を挙げて支持・援護するとしました。市民の安全のための法案を国会で議論し、犯罪者の罰則強化など早急に成立するよう努力するとか。
 世論調査で市民の関心は犯罪の増加を抑えることと以前から言われていました。ボリッチの警察への接近は与党内の分裂を拡大しているとか。3年半前の社会騒乱の時、新左翼共産党は右翼政権は警察を使って市民を虐待すると批判していたのですから、それを自分たちがやるのは受け入れ難いでしょうね。
 この件で新聞の記事になったのはボリッチの変身の件です。動物で皮膚の色を変える種類がありますが、ボリッチもその一種だろうとしています。しかし何と新左翼のメンバーの一人があの社会騒乱の時、警察に嚙みついたのは過ちだった、自己批判するとコメントしました。?
 その女性警官を殺害した事件の犯人の一人は大統領恩赦で刑務所から出た人間でした。2020年ですから、ピニェラの時の恩赦です。右翼がボリッチの恩赦を批判するなら自分たちの側のピニェラの恩赦も批判すべきですね。
 ところでそのピニェラは3年半前の社会騒乱の時に人権侵害があったか調べるために検察に呼ばれるとか。彼だけでなく、当時の政府中枢も呼び出されそうです。右翼が左翼を責めるのに対抗して左翼もこうした嫌がらせをするのですね。
 今年は軍事革命50周年です。各種の催し物があるでしょうが、この問題は左右の諍いを拡大し、社会問題になることは間違いないです。ボリッチが上手く抑えることは不可能でしょうから2回目の社会騒乱になりそうです。
 ボリッチは4年の任期をちゃんと収めることができるのでしょうか。その話をしていると友だちが、ペルーの例と同じですが、国会と大統領が対立してボリッチは 4年間その職を続けることはないだろうとのこと。どうでしょう?
2)国会
 国会で大統領は2回しかその職に就けないと言う法案が検討されています。つまりバチェレットやピニェラは3回目の挑戦はできない可能性があるわけです。
 ピニェラは候補者になるのを喜んでいるようですし、バチェレットは首都圏の区長とベトナム訪問とかニュースになっています。もっともバチェレットに関して日本から彼女は無作為と責任転嫁を続けて、チリをジリ貧に追い込んだ張本人だとするコメントがありました。


 さてチリの外相はベネスエラ政府は不法移民としてチリから国際追放になった同国人が飛行機でベネスエラ領土に送られてきたら、それを受け入れると確認したとコメントしました。その費用はだれが払うのかな?
 また先週拒否された厚生年金の6回目の引き出しが実現すれば、約500万人もの人の年金基金がゼロになるとか。政府がアホなのか本人が馬鹿なのか?しかし何と今月の中ごろに再度国会でこの問題を議論するとか。議員のレベルが低すぎる?

(経済)

1)銅価格と為替
 1ポンド4.05ペソと先週とほとんど変わらず。ただ週の半ばに4.1まで上がったのですが、残念なことに最後に下がりました。為替は1ドル789ペソとペソが少し強くなっています。
コデルコ銅公社は世界最大級の銅の生産会社ですが、昨年の国庫への納入額は27.5億ドルと前年対比63%の減少になりました。生産額の減少と価格が下がった事が原因ですが、国にとっては厳しい状況ですね。と書くと大問題のようですが、一昨年が良すぎたので、過去10年間で、昨年は3番目に良い年でした。
 もちろん私営の企業も同じだったでしょう。今年はどうなるかな?
 銅に並んだ重要品目になってきたリチウムですが、昨年の生産量は1位がオーストラリアの32万トン、チリは2位の21万トンでした。次いで中国、アルゼンチンです。しかし埋蔵量は1位はチリで4950万トン、2位はオーストラリアの3300万トンです。チリはまだまだ生産量を上げられそうですね。

 同じような例ですが、チリ株式市場を代表する30社IPSAは前年より128%も上がり250億ドルの利益を計上とか。確かに昨年は良かったのですね。
2)生活費の比較
 OECD諸国の生活費の比較が行われました。住居費・交通費・教育費・食費…などの総合比較です。チリの価格は安い方から6番目。平均より低いレベルでした。
 日本やドイツはチリの価格より33%ほど高いとか。
3)求人
2月の求人は9.7万人と前年対比56%のマイナス。景気が落ち込んでいるのは明白ですね。今年のGDPは大丈夫かな?

(一般)

1)社会騒乱
29日は青年闘士の日でした。1985年に軍事政権に反抗して暴れた青年が殺されたわけですが、同じようにその日首都圏のあちこちで暴動騒ぎがあり75人が逮捕され、8名が負傷しました。その中に警官も入っています。
 その事件の前にアプリアシオン高校の前で道路の封鎖があり、警察にモロトフ爆弾が投げられ交通渋滞が起きました。同じようにIN高校の前でも事件が起こり3人が逮捕されました。
 南部のラ・アラウカニア州で木造の橋が燃やされ、マプチェの暴力活動を批判する二人の議員に脅迫状が届けられました。
 犯罪の増加という件では、殺人は2004年から2021年までに約3倍に上がっています。
2)コロナ問題
新規感染者数は一日2000人程度、感染率は10%以下と落ち着いた状況が継続です。緊急病棟などは空きベッドがたくさんあるとか。
3)タダ乗り
 サンティアゴの公共バスのタダ乗りはMTTの発表で44%でした。大雑把に言うと二人に一人は料金を払わずバスに乗るわけですね。私は日本人学校に行く時と山岳公園に行く時、バスを使います。いつもタダ乗りする人がいるのを見ます。公共運送が利益が上がらず赤字なのでバス代を上げると言われると悲しいですね。それを防ぐのは簡単です。バス代を払ったかどうかビップカードを調べればよいわけです。係員をバスに派遣して各自のカードを調べ払っていなければ罰金を取るようにすれば、すぐに無料乗車は無くなります。ピニェラもボリッチもそれをしませんけど。
4)山火事
先日ボリッチが火事の後に建てている簡易住宅を見に行きましたが、今週のニュースでは現場の人ががっかりとか。政府は冬が来る前に簡易住宅を建て終えると約束したのに全然進んでいないと言うわけです。ボリッチが悪いのか部下が悪いのかですね。

(スポーツ)

1)サッカー
 チリ代表はパラグアイに3対2で勝ちました。しかしそれほどの喜びはありません。チリがアメリカップに優勝したとき、輝いていた選手がそれから10年経過してもまだ代表になっています。もう40歳に手が届く年です。どうしてそんな選手をチリ代表で使うのでしょう。20歳代の選手を使って経験を積ませるのが大事ではないのかな?パラグアイとの試合は前半負けていたのですが、後半に出場したサンチェスが2点を挙げて逆転勝ち。
 次のワールドカップの予選にまだそんな古い選手を使うのかな?
 国内リーグ戦は、何らかの理由で実施されていなかった試合が行われ、今日の段階で首位はワチパトとカトリカが同点首位、人気のチリ大学は5位、コロコロは7位です。

以上