チリの風 その1037 2023年4月3日ー9日

秋の雰囲気が深まってきたサンティアゴです。夜が寒くなりだしたので毛布を出して使い始めました。さてこの週末、復活祭の祝日で3連休だったので多くの車が郊外に出かけました。40年前はカトリックの祝日という雰囲気が溢れていましたが、最近はイースター祝日と言ってもカトリックのイメージは消えています。
今週もいつもと同じく毎日いろんな事が出来て良かったです。税務署で今月支払う家屋税の書類を受け取りました。係員に以前は3月に私の住居に届けられたのに今は何故そのサービスがないのですかと聞くとコロナ問題からですと回答あり。本当かな?
それから先月契約した新しい携帯電話の会社に行ってローミングの事を聞きました。
スポーツはいつものようにマラソンと登山をしました。走り始めは肌寒いですが、ゴールするときは汗びっしょりです。登山は仲間と第2展望台に行って素晴らしい景色を楽しみました。その日は私たち以外誰も登山者がいなかったので全く静かでした??。それに近郊のマイポ渓谷に久しぶりに行きました。そこの中心の町サン・ホセまで地下鉄とバスを乗り継いで約2時間かかりますが、そこで麓歩きをしました。ところでそこのバスは65歳以上は半額です。地下鉄も老人パスで半額以下。日本にもこんな老人待遇はあるのですか?
さぁ、明日から妻と二人で 南の旅を楽しんできます。いつも幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
アルゼンチンの大統領フェルナンデスが来ました。訪問の詳しい理由は分かりませんが、破産が噂されるアルゼンチンは大変ですね。その面談の後にボリッチは「今回の山火事でチリが危機になったとき、彼と電話で話をすると助けてやるよとヘリコプター・消防隊員をチリに送ってくれた。それが危機を乗り越える大きな助けになった・・・・」と感謝のコメントをしました。
ウクライナのゼレンスキー大統領がテレビ面談でチリの国会議員と話しました。「皆さんの協力を感謝します。特に大統領のボリッチさんに」与野党が彼を応援していたのに新左翼共産党は知らん顔???
犯罪を抑える新法案が討議されていますが、警官が自衛のために銃を使えるようにする点でもめています。一応法案は成立しましたが、それに反対する新左翼はそのクレームを憲法裁判所に持ち込むとか。新左翼共産党はボリッチにとって最悪の仲間です。政府と与党が争うのは世界でチリだけですね。
ボリッチは市民の安全を守るため15億ドルを用意して実施したいとしました。その計画の一つに安全省の設立があります。大蔵大臣はその財源をどこから出すか検討中です。ガソリン税を上げると言う話がありましたが、それは中止(延期かな?)になりました。
何と警官がまた射殺されました。この一か月で3人目です。警官を守れとするデモがありモネダ宮殿の近くの道路を埋めました。少ない人数ではなかったです。
その犯人はまだ逮捕されていませんが、外人の名前が挙がっています。彼の警察軍の葬式に大統領経験者がほぼ全員参加しました。ボリッチがそこに行くと「何もできない大統領」と集まった人から暴言を受けました。
この件に関し政府は警察軍(私服と制服の2グループ)の長官と面談しただけでなく、与野党の代表とも面談し、これに関しては与野党の声を合わせて対応したいとしました。
ただ毎週書いているように与党側の分裂は深刻ですね。今週は社会党の党首が、サンティアゴ区の区長を批判しましたが、その区長は共産党です。
ボリッチの人気は下位低迷ですが、新左翼共産党を政府から外すと発表すると人気が急上昇するかもしれませんよ。毎週、これからチリはどうなるのかドキドキします。

来月の新憲法委員会の選挙はどうなるのでしょうか?テレビでその選挙の各グループの宣伝が始まりました。 全然盛り上がりませんが。

(経済)

1)銅価格と為替
 1ポンド4.01ドルと何とか4ドル台を維持。為替はペソ安で1ドル818ペソでした。
2)中銀予想
 今年のGDP予想は前回の発表ではマイナス1.75%からマイナス0.75%でした。それが今回は少し上向きになりマイナス0.5%からプラス0.5%です。
 しかし中銀発表の2月の成長率は0.5%のマイナス成長だったので、為替が一気に20ペソもペソ安になりました。過去12か月ではマイナス0.6%でした。
 世銀の予想では今年のチリはマイナス0.7%になるだろうとのこと。
 物価上昇率は3月は1.1%と厳しいですが、5月に過去12か月の数字が10%を割って一桁台に戻るとか。ただ前回の中銀予想の今年の数字は3.6%から4.6%と悪くなりました。
 このため中銀は公定金利を維持することにしています。政府の政策によってこれらの予想は大きく変わりますね。
 中銀と大蔵省の意見が合わないとのコメントがありますが、考え方が違うのではなく世界の経済の動きに対応するだけでなくボリッチの意見をどう実現させるかでニュアンスが異なってくるわけです。
3)新車の販売
 昨年の新車の販売は新記録になりました。日本からの車は前年よりかなり下がって5.5%で5位でした。中国が40%と圧倒的にトップです。
 私はいつも道路で車のブランドを見る癖があるのでおかしいな、10%以上は間違いないはずだがと思いました。
 調べると日本のブランドでもタイ・インドネシア・メキシコとか世界各地からチリに送り込まれていました。なるほど。

(一般)

1)移民問題
 犯罪組織の増大が問題ですが、特に麻薬関係はほとんどが外国から来た組織です。したがって移民問題と言ってもその中の犯罪組織が注目されるわけです。
 そこで街の中で歩いている人を無差別にチェックをして不法移民の場合は逮捕できるとするアイデアが出ています。もちろんそれをやり始めるともっと警官が殺されますね???
 今週、北部のアントファガスタで不法建築の家屋が壊されました。ほとんど雨の降らない地区なので屋根はトタンを置いているだけと言う感じでしたが、何ヘクタールもの大きな公共の土地に何十という家屋が建設されていました。それを警官の護衛でブルドーザーが壊していきます。反抗する人間がいて、何人か逮捕されました。
 家族が外に出て私たちの住む家を壊してどうするの?夜になれば私たちはどこに寝るのと泣き叫んでいました。全員が外国人でした。何でもその公共の土地に家を建てるのを許すとマフィアの組織が金をとって認めていたとか。
 2022年の数字でチリには140万人の移民がいて、一番多いのはベネスエラ人で30%とか。そのうち半分くらいは不法移民なのでしょうか?
 この週末に警官のコントロールを無視して逃げようとした車が警官をひき逃げしそうになったので警官がそれを止めようと発砲しました。犯人グループの一人が死亡、2名が逮捕されました。
 これは移民とは関係ありませんが。

2)コロナ問題
 今週は新規患者数は1000人前後、陽性率は6%くらいで低め安定です。

以上