チリの風 その1094 2024年4月29日ー5月5日

毎日最高気温が10数度で最低気温は0度に近い日が出たサンティアゴです。雨は火曜日と水曜日にほんの少し降りました。太陽が当たるベランダの椅子に座って新聞を読んでいます。
夜になると電気ストーブを使います。街路樹の紅葉が素晴らしいです。
今週もいつものように寒い中頑張っています。
スポーツはいつもの通りです。マラソンは2回、その内1回は10キロを走りました。とにかく完走が目的で早い遅いは問題ありません。昔フルマラソンを走っていたころは週に50.60キロを走りましたが、それはもう夢です。10キロ走れば満足です。登山は山歩きと丘歩き。ちゃんと歩きました。メーデーの日に山に入ると公園係員はいませんでした。
私は会員ですから入山料は不要です。そして歩いているとマウンテンバイクの人がなんと30人も。多くの人が中高年でした???
土曜日はサッカー教室。久しぶりに参加者が20名ほどと多くなり楽しくプレーしました。昂来クンが帰国することになり練習の後、日本での活躍を祈って胴上げをしました。
ある手続きをするため銀行に行きましたが、素人の私にはかなり複雑で必要な書類を受け取るのに2時間もかかりました。
日本に送るチリ土産を買いにセントロの民芸品市場に妻と行きました。多くの外人観光客がいました。ちゃんと必要なものを購入できました。
日曜日は妻の親戚の中年夫婦2組を招待して昼食会を実施。楽しく時間を過ごしました。
いつまで続くか分かりませんが、こうして今週も幸せでした。

(政治)

1)ボリッチ動向
国連の要職についているステイナーが来チして、モネダ宮殿でボリッチと面談しました。
イスラエル問題が世界で話題になっていますが、ボリッチは最初からパレスチナの援護をする体制を変えません。
以前、大統領恩赦がありましたが、それによって刑務所から外に出た男が、出所直後に同じような犯罪を犯し、恩赦が間違っていたと批判を浴びました。その頃は何とか逃げていたボリッチですが、今週ラヂオ放送界との面談であれは私のエラーでしたと反省しました。

報道の自由大会に出席したボリッチは演説しているときに二人からクレームを受けました。それは2年前のメイデイの時サンティアゴでデモをしていた南部からの報道関係者が発砲され死亡した事件の事です。報道の自由を守ろうと大統領は言うが報道陣が射殺されても何も言わないのは何故だとクレームしたわけです。ボリッチは「その発砲した犯人は警官ではない。誰が犯人なのか、政府も皆さんと一緒に追跡をしたい」としました。

警察軍の長官が今月に辞任することになっていましたが、先週の警官3名殺人事件の決着が着くまで、恐らく10月まで継続することになりそうです。共産党はそれに反対の声を上げています。自分たちの仲間をいじめた警察のトップを早く追放しようと言うわけです。
その3名の警官殺人事件については詳しい動きが分かりません。私はマプチェか麻薬関連のグループの犯行だろうと思いましたが、捜査は進んでないようです。
ところで下院議会でテロリスト法案が可決されました。テロリストの犯罪と認められれば判決が厳しくなるわけです。社会の安全(犯罪を抑える)は緊急課題ですが、そのためには
警察・陸軍の強化・提携を進めなければなりませんが、与党側はそれを嫌がるので、政府は野党の説得ではなく与党の説得が問題です。

この犯罪に関する件ですが、今週50名ほどのベネスエラ人が本国に強制送還されました。チリで刑務所に入れておくより本国に送った方が良いとの判断ですね。
なんでも今週サンティアゴでベネスエラ人が襲われ、お前たちはここに住むなと言われたとか。彼らの言葉は同じスペイン語でもチリのそれとは大きく異なるのですぐわかります。関西弁の私が東京に行けばすぐにここの人間ではないと分かるように。それからペルーから観光に来ていた人が泥棒に殺されました。ペルー政府はチリ政府に抗議の声を上げています。
日本は外人に扉を開けないとされていますが、私がチリに来た1979年はチリにはほとんど移民はいませんでした。軍政下で就職の可能性は低かったので外国からチリにくる移民はいなかったわけです。それがチリの景気が良くなると移民の数が急激に増えたのですが,それが違う問題を起こしているのが最近の傾向です。
同じチリでも、南米でも、時代によって様子は変わるわけですね。
私もその移民の一人ですが・・・。

2)健康保険
チリには国営のフォナサと民営のイサプレの2種類があります。そのイサプレが巨額の借金を持っていることからそれを運営する会社の一部の倒産が心配されています。
会社の倒産があれば病院などに入るべき金が消えるとか、患者がその保険で病院に行く時、通常の割引が受け取れません。新聞にこうした重要事項の問題を政府は解決に向けて真摯な対応を怠っているとされました。

(経済)

1)銅価格と為替
今月15日からサンティアゴで世界銅会議が開催されます。専門家のコメントでAI産業により銅の需要が急増し、この先2,3年は高値が継続するとか。もっとも今週はその見解と異なり1ポンド4.41ドルと下がりました。
 為替は1ドル939ペソでした。株式市場IPSAの数字は6559ポイントと好調持続です。
昨年の外国からの投資は217億ドルで2015年以降の最大額でした。
失業率は今年の1-3月平均で8.7%になりましたが、数字が前回より下がったのは16か月ぶりです。
3月の経済成長率は0.8%の上昇で1-3月では2.5%となり、今年は何とか上向いていきそうです。
しかし首都圏の家屋の販売は1-3月で7.5%も下がり2年前より低いレベルです。
ガソリン価格が30ペソ(約2%)上がりました。

(一般)

1)メイデイ
5月1日は労働者の祭典ですね。チリでは商店などが全部締まります。都内の中心道路で労働者連合CUTの集会が開かれ多くの労働者が参加しました。最も4年半前の社会騒乱の時は百万人以上でしたが、今回は数万人ほど。連合会長が労働者の集結が新しい社会を作り上げると演説しました。デモ隊の一人が持っていたプラカードに「約束守れボリッチ」と書かれていました。7月から最低賃金が50万ペソに上がりますが、CUTはボリッチ政権中に63万ペソに挙げるよう要求しています。
そしてデモ隊の一部が近くの商店のドアを壊して中に入り商品を奪って行きました。以前と同じことです。警察が来てデモ隊に放水しました。
2)肥満
チリの典型的な問題ですが、小学5年生では60%が肥満とか。運動をしないで腹いっぱい食べるのですね。
3)ビーニャの山火事
もう4カ月経ちましたが、火事で家屋が全焼した人はテント暮らしの生活が継続です。政府は簡易家屋を早急に設置すると約束しましたが、実行されていません。
それから掘っ立て小屋が集まった貧民村がこの2年で全国で30%増加したと言われます。その多くは不正建築です。それを移民の家族に高い値段で貸すケースがあるとか。不法に入国した
移民は正規の賃貸契約が出来ないからですね。麻薬などの犯罪の巣になると言われます。それが分かっていればその一掃を図るのが正解のように思われますが、どうかな。
4)陸軍事故
チリ北部で軍事訓練をしていた連隊に死亡者が出ました。気候を無視して強硬演習をしたのでしょう。以前にも同じような事故がありましたが、気合を入れるというのも限界があるわけですね。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦のリーグ戦はチリ大学(1位)とコロコロ(7位)は引き分け、カトリカ(5位)は勝利でした。


以上