チリの風  その1076  2023年12月25日ー31日

今日で今年は終わりですね、明日から新年。毎年同じことですが、幸せが続くように祈ります。
クリスマスの25日、サンティアゴは最高気温36度を記録しました。過去50年間で最高だったとか。暑かったです。ところが28日は曇りになって最高気温19度でした。夕方半袖シャツで散歩をすると肌寒かったです???
今週の山歩きは仲間とアポキンドの滝コースの下見。滝まで7時間ですが、その途中まで5時ほど歩きました。全員が近い将来に滝まで歩けそう。
ラソンもいつものように週日一人で10キロ、日曜日は仲間と練習しました。今年はちゃんとサンティアゴラソンも完走しましたからね。
昔のように年賀状は書きませんが、メールは多くの仲間に送らせてもらいました。友情ですね。
ラス・コンデス区ではいつも大みそかに近くの丘から打ち上げ花火がされたのですが、今年は山火事が怖いと中止になり、その替わりに公園で大晦日コンサート。音楽に合わせて踊りましたが、12時になると観客は大声で新年を祝いました。
その打ち上げ花火で有名なのは隣州のビーニャとバルパライソですが、海岸沿いから花火を楽しんだ人は100万人だとか。大半が首都圏からの観光客でしょう。
私にとって今年は素晴らしい年でしたが、それは今までの努力の結果でしょう。これからも人生を楽しめるよう来年もコツコツ努力します。

(政治)

1)ボリッチ動向
 カメラの前で、「政府は犯罪抑制をしないと良くクレームされるが、実態を全く知らないようだ。政府は警察を援助し、犯罪抑制に注力する・効率を上げるよう力をつけてもらっている。今回、警察に多くのパトカーの提供を決めた」としました。ボリッチが言うのが正しければ犯罪が縮小するはずですが、実際は逆ですね。土曜日、首都圏だけでなんと9件の殺人事件が起きました。つまり結論から言うと政府は犯罪抑制をしていないと言うクレームは正しいようです。

 ボリッチは最高裁判所結成200年記念の式に参加しました。チリは古くから裁判システムが形成されていたのですね。
先の大統領の恩赦に関し、共産党党首はルイス・カスティジョを恩赦したのがモネダ宮殿に大きな問題を投げかけているとしました。
共産党は、左翼ゲリラグループのメンバーが恩赦されたことを「評価する」と喜んでいたのですが。
昨年12月に恩赦が発表されたとき、多くの批判が出ましたが、ボリッチは「今までの方針にのっとって今回の恩赦をした。恩赦されたのは暴力犯ではない」と批判を一蹴する対応でした。
新聞に、次の政権は右翼側になるだろうとする文章が出ましたが、ボリッチではこの動きを変えるのは難しいですね。今年最後の世論調査でボリッチを支持するは31%でした。何しろ健康保険イサプレ問題、厚生年金AFPなど、問題山積でどれも適切な解決を短時間にできず放置したままですから、ボリッチ支持は減少する
ばかりですね。

(経済)

1)銅価格と為替
 銅価格は1ポンド3.84 ドル。為替は1ドル885 ペソと先週末とほとんど同じです。

 ところで昨年の銅生産量のランキングが発表されました。世界1位はチリで52億トン、2位は24億トンのペルー、3位は22億トンのコンゴ、4位は中国で19億トン。チリがかなりリードしていますね。 
2)リチウム
世界最大級のリチウム鉱山を持つSQM(ソキミチ)が国営のコデルコと組んで2060年までリチウム事業を拡大します。
ストーン計画と呼ばれるこの企画はボリッチのリチウム国有化案に入っていたのでしょうね。アジェンデが銅の国有化をしたのを思い出します。
そのアジェンデを外そうとニクソンが手を出したわけですが、今回はそんなことは無いでしょう。
それから議員がこれが進めば私営企業のリチウム分野への侵入が難しくなるのは間違いないとしました。その通りですね。

しかし問題は鉱物の採掘より、価格の推移でしょう。EV車の人気が激減すればリチウムの需要はかなり減少するのでは。 今年は価格がピーク時より80%も下がりましたが、来年はもっと下がると言われています。
3)株式市場IPSA
 今年は年間で17.8%の上昇とにっこり笑って幕を閉めました。来年はどうかな?
4)失業率
9-11月は8.7%になり、前年の7.9%より若干の増加になっています。景気の回復が遅れているのは明白ですね。

(一般)

1)犯罪
毎週同じですが、強盗グループが歩行者を襲うと、それが私服の警官だったので、銃を出し発砲。犯人は死亡しました。どこかから警官の銃の使用を抑えようとする動きが出ると、政府は犯罪者に警官が銃を使用するのは合法だとしました。そうですね。その警官を逮捕するのはおかしいですね。
人権委員会がマプチェのテログループCAMと政府は話し合いをするべきだと発表しました。野党側は犯罪グループと何を会議するのだと批判しました。
同じようにCAMも軍事政権の様なボリッチ政府と話し合いの余地はないと拒否。確かにボリッチ政権の最初の失敗ですが、マプチェ問題に関し話し合いをしたいと内務大臣をテムコに送りましたが、全く無視されましたね。

2)山火事 
今までの所、24か所で山火事が起こり、そのうち20か所は消火されました。燃えたのは47ヘクタールです。1、2月にこの数字が急に大きくなるのでしょうね。
3)移民 
2022年にチリに永住している移民は162万人でした。その居住地区は首都圏に58%、アントファガスタ州7%、バルパライソ州に6%です。そしてその祖国の明細は1位がベネスエラで33%そして続いてペルー15%、3位はコロンビアで12%、ハイチが4位で11%でした。もっとも不法移民はどれだけいるのか分かりません。
 

以上