チリの風   その1077  2024年1月1日ー7日

新年が始まりました。そうは言っても先週と今週は同じような毎日でしたが。
今週のチリの風はその1077号です。来週17日に私の77回目の誕生日が来ますが、その奇遇に不思議な気がします。
土曜日、仲間を呼んで昼食会。それは頻繁にやっていますが、今回は招待したのが全員日本人でした。

日本は大地震と空港事故で厳しい年明けでしたが、日本とチリは地震の仲間ですから、次はチリで大地震でしょう。
それから北朝鮮・ロシア・中国が日本に攻撃をかける戦争が心配されますね。100年ほど前は日本がその3国に攻め込んでいたのですが。

スポーツはいつもの通り。マラソンは週日の10キロ走と日曜日の仲間との練習を実施。山歩きは第3展望台に行きました。
いつまで続くか分かりませんが、今年も順調に滑り出しました。

毎日、最高気温が30度ほどのサンティアゴです。もっとも朝晩は15度ほどに下がるし、日中でも木陰は涼しいです。ただ雨が長い間降りません。

(政治)

1)ボリッチ動向
  大学入試が終わり、その結果が発表されました。その中の最優秀グループをモネダ宮殿に招待し記念朝食会を開催しました。
  優秀な学校100の内、97が私立高校でした。
  それから何名もの大臣が経営者グループと私的に面談していたのが問題になっています。不正の温床ではないかとするわけですが、ボリッチはロビー活動は問題ないとしています。
  与党の一つPPD党の議員が政府は大きな希望をもってチリの発展を望んでいるが、現状を見ると全く成果を残さず任期を終えると言うことになりかねないとコメントしました。その通りですね。
  その例ですが、ボリッチが公約した案件の状況は下記のとおりです。
  A)厚生年金AFP改革
    現行AFPを改善、もしくは廃棄して新システムを作るとされましたが、現行システムを使って各自の年金収入を増やすために現行の払い込み分を6%増額し、その一部は政府が自由に使える(これは年金受給額の少ない人への援助)としましたが、うまく議会で議決せず。その後、2%増額をトライしたが、野党の支持はありません。
  b)最低賃金
    最低賃金を50万ペソに増額する。この公約もまだ実現しません。
  c)奨学金CAEの支払い
    奨学金を政府に払い戻す必要はないとボリッチグループは叫んでいましたが、全く変化はありません。
  d)税制改革
    ほとんど進んでいません。
  E)リチウムの国営化と鉱山のローヤリティ税
  リチウムの国営化についてはコデルコ公社と民間のSQMの連帯で、一歩前進しました。

2)国会
 議会で住居省大臣モンテの憲法違反が議論され、最終的に投票の結果、違反は無かったことになりました。彼が不正な資金を手にしていたのはなかったでしょうが、その部下・仲間のグループが不正行為を繰り返していたのは裁判沙汰ではっきりしていますから、その不正をコントロールできなかったのは明白です。そのモンテは「自分は辞任するつもりはない。自分の進退は大統領の判断を尊重する」としています。
 新左翼グループのリーダーでボリッチの学生闘争の仲間だったジャクソンはすでに政府から追放されていますが、同じ新左翼RD党の場合、2名の議員が裁判になり、さらに9名が検察から調べられているとか。同じグループのバルパライソ市長は30日間、仕事場から離れるよう命令を受けました。不正事件でしょうね。

(経済)

1)銅価格と為替
 1ポンド3.79ドルと先週より少し下がりました。為替は1ドル884ペソとかなりペソ安になっています。
2)環境投資
 昨年、それに関し承認されたのは243プロジェクトでした。それは過去26年間で最低とか。
3)イマセック経済指数
  11月のチリのGDPは1.2%の上昇でした。1-11月の合計はマイナス0.1%。これで2023年はプラス成長の可能性が出ました。もちろん今年のプラス成長が望まれますね。
4)株式市場
 IPSAは3週間連続で減少し6047ポイントになっています。
5)ガソリン価格
 ラテンアメリカ諸国のランキングが発表されました。高い順に上位3国は、先ずウルグアイで1.93ドル。次いでチリで1.44ドル。3位はコスタリカで1.43ドル。
 チリは最近、何回かガソリン価格が下がりましたが、それでもラ米で2番目に高いのですね。
 逆に安いのはベネスエラで0.04ドル。ボリビア0.5ドル。3位はエクアドルで0.6ドルでした。

(一般)

1)犯罪
今月の始め、1日と2日に首都圏で7人の殺人事件がありました。まったく収まる気配がありません。
今日の日曜日、家屋に入った強盗を警察が追いかけ、逮捕しようとするとその車が警官をひき逃げしようとしたので発砲し、犯人は死亡とか。
南部のアラウカニア州で、消火に向かう消防車が襲われ、消防員が車から逃げた後、消防車に火を付けました。マプチェの攻撃と言われます。
数年前に、荘園の豪邸に放火され、中にいた老夫婦が死亡しました。その事件で逮捕され18年の刑になったマプチェが条件付きの自由が認められ、刑務所から刑の途中で出ました。刑務官が、彼は全く反省している様子はなかったとしています。もちろん、その次の行動も計画中でしょうね。
マプチェが全部悪いと言うのではありません。自分たちの領土を不法に占領しているチリ人を追い払いたいとするグループのことです。

現在の警察軍の総裁ジャネスは4年間の社会騒乱の時は社会安定部の部長でしたが、騒乱が起きた時のデモ隊への対応がふさわしくなかったと言う疑いで調査が始まりました。デモ隊は警察は自分たちをいじめるのを仕事にしているのかとクレームしましたが、それが真実だったのか調査されるわけですね。まさか大統領だったピニェラの指示だったのではないでしょうね。
昨年パンアメリカオリンピックがチリで開催され成功裏に終了しました。しかし何と1940億ペソの不正使用が疑われています。又何それになるかもしれませんね。その責任者はすべて自分の責任だが、その不正に使用された金がどこに行ったか全力で追及したいとしました。
2)山火事
今週の数字は見つかりませんでしたが、山火事は各地で継続中です。今週、山歩きをしたプロビンシア山系の第3展望台の下山口でかなり火事で延焼した地区がありました。係官に聞くと、先週火事が起きてヘリコプターで消火したとか。登山者の煙草による失火・放火の可能性があるとか。


以上