チリの風 その1032 2023年2月20日ー26日

最高気温は毎日30度を超え、火曜日は34度を記録したサンティアゴですが、朝晩は少し涼しくなってきました。
今週も楽しく過ごしています。スポーツですが、山登りは第3展望台に一人で登りました。マラソン練習で、週日の10キロは今年の新記録が出ました。
日曜日、仲間とマラソン練習を終えてから、来月に帰国する人を招待してお別れ会。のんびりとみんなで楽しかった昔の思い出話をしました。
誰かと出会って誰かと別れるのですね。
先週、開店祝いに参加したレストランはお客さんが列を作るほどはやっているとか。素晴らしい。
それから先月に参加した商談の第2回目があって、また参加しました。さぁどう進むかな?
今週も毎日楽しい人生を送っています。いつまで続くか分かりませんが、感謝しています。
ウクライナ戦争が2年目に入りました。それまでそこで楽しく生活していた家族が戦争でバラバラになった例は多くあるでしょう。つまり、実力・努力をしていても運がなければ困窮の人生ですね。道路に死体があちこち放置されているのを見ると苦しくなります。その人たちと私は同じように生きていたのでしょうが。

来週の週末はイースター島です。それで次のチリの風は中途半端に終わりますが、ごめんね。

(政治)

1)ボリッチ動向
大統領府の案内に彼の動向は先週の木曜日までしか書かれていません。と言うことはバケーションに戻ったのでしょうね。

それでも何かやっていると新聞には出ています。その一つはニカラグア難民の件です。中米ニカラグアオルテガ政権に反対した人たちが政治犯として刑務所に入っていましたが、政府はその人たちを釈放するとしたので、アメリカは難民として入国を認めるとしました。チリも同じようにチリにくれば居住権と国籍を与える特別待遇をするとボリッチは発表したようです。その一人の作家の女性はボリッチに感謝しチリ国籍を受領したいとしています。もちろんオルテガを支援するチリ共産党はそのボリッチ案を不愉快に感じています。左翼の議員が「オルテガは独裁者として人民を迫害している。それを認識すべだ」としています。与党内の対立はいつもの事ですね。その政治犯になっていた人の中には大統領選挙でオルテガと対決した人もいるとか。俺の言うことを聞かなければ刑務所に送ってやると言うスタイルでしょうか。昔、北米から南米に旅をしたとき、その国を通過しましたが、国というより村と言う感じがしました???。
さて3月8日にボリッチが大統領就任して2年目になりますが、内閣改造の話が出ています。大臣変更になるのでしょうか。
ボリッチの奥さんはファーストレディーの職を辞任しましたが、最近スペイン旅行をしました。その費用を彼女は政府から引き出したと新左翼議員パメラ・ヒネスが訴えています。普通、旅行するのは自分の財布から費用を払いますが、ボリッチの奥さんは国の金を使ったのかな?どこに証拠があるのかわかりませんが、身内の新左翼から厳しいコメントです。内部争いはもう毎週同じですけれど。ボリッチは貧困層を守れと社会騒乱を立ち上げたのですが、自分が金持ちになるとそれを忘れて国の金を勝手に使うのでしょうか?

それから今年は軍事革命が起きてから50年の記念の年です。左翼(特に共産党)と軍隊の間で大きな議論が起きる可能性があります。
南部と同様に北部にも軍隊の駐屯を認める特別法案がありますが、政府は北部の軍隊の撤退を明日の月曜日から実施します。それに関して北部の市町村長は不正移民が毎日途切れず入ってくるが軍隊がいなくなれば警察のコントロールはほとんど不可能になるだろうとクレームしました。来週、内務大臣が様子を見るため現地を訪問するとか。
ところで世論調査でボリッチを支持するは30%、不支持は64%でした。いつもと同じですね。ところで、このチリの風を読んでいる読者の人は支持する・しないのどちらになるかな?
2)失業率
OECDの発表で2022年の失業率は平均は5%でした。加盟国で最悪はスペインで12.9%、チリは7.9%と第7位になっています。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド当たり3.99ドルと4ドルを割ってしまいました。そのため為替で1ドル827ペソとチリのペソの価値が一気に下がりました。
銅価格の上下で一喜一憂ですが、これが4ドルを割ったままなら今年のチリは困難な状況になるのは明白です。
2)TPP11
チリが正式に加盟しましたので、多くの品目で税金が下がるでしょうね。
昨年のチリの輸出は前年対比3%上がりましたが、中国向けは5.3%アップになり、全体の38.5%とか。中国さまさまですね。メインの銅の輸出も中国頼みですし。
3)チリからの外資撤退
この3年で300億ドルが出て行ったとか。2020年は98億ドル、2021年は115億ドル、2022年は104億ドル。えっ、これからどうなるの?
あの社会騒乱以降、チリの人気・信用度が落ちたと言う証拠でしょうね。金持ちの野郎、お前たちの好きなようにはさせないぞと新左翼共産党グループが暴れたのですが、優等生だったチリがありきたりの国になってしまいました。そのリーダーだったボリッチが大統領ですから信用が戻る可能性はないですね。
新聞の社説にこの重要事項に関し政府はどう対応するのか、しているかはっきりさせてほしいと出ました。
大蔵大臣は私が担当した2022年はその前の年より少し良くなっているとニコニコ顔でコメント。ちゃんとわかっているのかな?
外資の引き上げで、閉鎖した会社は多く、その関連会社に働いていた人たちは全員、失業ですね。それがチリの失業率を上げていますが、大蔵大臣、分かっているのかな?
もっともチリだけでなく世界のほかの国でも似たようなことが起きていると言われます。

それとは関係ないですが、昨年全国で131の銀行支店・営業所が閉められたとか。銀行は利益が出ているようなのですが?
4)サーモン会社
カマンチャカは2021年948万ドルの赤字を出しました。ところが、昨年はサーモン価格が急上昇して、例えば第3四半期はキロ当たり7.8ドルになり年間合計で4470万ドルの利益が出たとか。同じサーモンでもそんなに値動きがあるのですね。

(一般)

1)山火事
 ビオビオ、ニュブレそしてラ・アラウカニアの3州の各地で何百ヘクタールもの燃えた火事があふれていますが、合計すると35万ヘクタールになるとか。157の火事は収まりましたが、まだ消火中なのが21か所もあるとか。燃えた家屋は2328軒になるらしい。死亡者は25名です。内閣府の発表でその火事の25%は人為的なものが原因とされています。森林局はそれよりもっと高い数字を考えているとか。
それに関し、政府は森林管理の会社の運営に問題があるのではと責任転嫁のようなコメントをしました。放火が多ければ、その犯罪を抑えるのは政府の責任で森林運営会社の責任ではないだろうとコメントされています。
ところでその放火に関し、マプチェの過激組織CAMが犯行宣言をしていますが、そのグループの取り締まりを政府は何故できないのかとするコメントがあります。
昔のピノチェット軍事政権の時なら、そのグループの全員を逮捕するでしょうね。

校舎の延焼がかなりの数になりますが、どうなるのでしょう。今はともかく、秋になると気温が下がり雨が降り出しますから校舎がないと授業はできなくなりますね。オンラインで授業なんてできるかな?
3月から新学年ですが、南のビオビオ州の一部の地区はこの火事のため始業式を延期して3月13日にすることにしたとか。
全国で 新学期のために児童生徒の学用品を買い求める親子があふれているようです。

全国的に夏休みの終焉で、この週末は30数万台の車が首都圏に戻って来ました。そのほかにバスで戻ってくる人が30万人になるとか。
つまり来週から交通渋滞がひどくなるわけですね。
2)ビーニャ音楽祭
6日間続いた音楽祭が終わりました。1万5千人を収容すると言う劇場が連日満員でした。確かに人気のある音楽祭ですね。
私はロス・ハイバスというグループを見たかったのですが、開始が深夜になったので不可能でした。
その満員の観衆は誰もマスクはしていませんし、距離もあけていませんから、この後、コロナにかかる人が出るのでは?
3)コロナ問題
悪くなりました。今まで一日1000人台でしたが、今週は最近、毎日2000人を超え、陽性率も10%を超えました。これからまた数字が上がっていくのでしょうか?
4)飛行場
先月は空港の使用客が200万に達したようです。
国際線は対前年78%アップで87万人。もっともコロナ以前の2019年の数字109万人にはまだ遠いです。
4)黒崎愛海事件
行方不明になっている黒崎さん殺人事件でチリ人のセペダが有罪になっていますが、その再審判が開始されました。チリでは毎日のようにニュースになっていますが、あまり進展は無いようです。

以上