チリの風 その1045 2023年5月22日ー28日

薄暗い日が続くサンティアゴです。太陽が出ません。初冬の雰囲気ですね。落ち葉を集める作業の人は毎日大変です。私の所もストーブを使い始めました。
それでも今週もスポーツをたっぷり楽しみました。登山は仲間と第4展望台へ行きました。そのほかに丘登りは違うコースを二日。そしてマラソン練習を2日。ちゃんと10キロ走っています。
ただ土曜日のサッカー教室は参加希望者が少なく中止でした。残念。
妻は以前から南部の町で続けているドイツ菓子のクラスがサンティアゴで開かれたので助手・生徒として参加。最終日にその先生夫婦を招待して夕食を楽しみました。
その夕食会とは別に、私は先生のご主人を呼んで、コーヒーを飲みながらチリの歴史について話し合いました。

いつものように幸せな毎日でした。

(政治)

1)ボリッチ動向
5月21日の海軍記念日のお祝いの集まりに、イキケの場合、市民も毎年参加していましたが、今年は大統領が来たのでボリッチの安全のため、市民は遠くからしか見ることができませんでした。
すると市民からボリッチをやじる声がたくさん出ました。毎年、大統領はイキケではなくバルパライソの海軍本部の前の集会に参加しています。

さて政府与党内で混乱が大きくなってきました。内務大臣のトアを与党グループPPD党の副党首が批判しました。その党は今まで中道左派が何回も政権を持った時の中心メンバーの党です。内部分裂がはっきりしてくるとボリッチはいつもの通り与党グループの団結を訴えます。ところでそのPPD党は来年の選挙で与党グループは全体を通して一つの候補者リストを作ろうと呼びかけました。中道左派グループと新左翼共産党が手を組めるのでしょうか?
右翼党UDIのコロマがそのトアと安全対策に関して議論しましたが、犯罪を抑えるというのは右でも左の政権でも市民の生活を守るという意味で大事ですが、それが政治論争になるわけです。
それから政府が国営企業ENAPが売っているLPガスの値段に援助を出しているのが問題になっています。政府が価格の大半を支え、その恩恵を一部の地区の人が享受します。つまりその地区の人は大きく下がった値段で購入できます。それはおかしいと野党がクレームするとトア内務大臣は実験をしてそれがどう動くか確かめるわけだと軽く回答。しかしそんな簡単な論理を実験しなければ結果を考えられないなんておかしいですね。一部で安売りするのはダンピング罪になるかもしれませんね。
それなら援助として出している額はそのままにして、対象を全国にすれば、一本当たりの援助は大きく下がりますが、問題が少なくなるのではと思います。右翼は国会に担当大臣を呼んでこのおかしな政策の説明をさせるようです。

憲法委員会
連日いろんな問題での議論がされているようです。前回と同じ失敗をしない為にはどうすればよいのか考えているのでしょうか?新聞には今回の委員選挙で大勝利を収めた共和党グループの話題が常に出ます。

民間健康保険イサプレ
毎日のようにマスコミで報道されます。イサプレがつぶれれば一般市民だけでなく病院関係にも大きな影響が出ます。大手病院のアレマナ病院は収入の90%がそのイサプレから入るので投資として病院改築する案を
延ばし、銀行と借り入れについて話し始めたとか。ボリッチは問題解決に手を出さないで時間の立つのを見守っているという雰囲気です。
ボリッチがリーダーシップをとってこうした社会・経済問題の解決に当たっているとの印象はありませんが、それをマスコミが批判しているという雰囲気もありません。自然のままにでしょうか。
それでも国が機能するなら良いですが、9月の軍事革命50周年記念のころには社会騒乱がもう一度起きるかもしれませんよ???

(経済)

1)銅価格と為替
銅価格は1ポンド3.66ドルと下がりました。このため為替も1ドル802ペソとペソ安になっています。
銅価格が毎週のように下がりますね。中国の経済成長率が予想されたものより低いことから鉱物(鉄鉱石や銅)の価格が下がっているらしい。
チリのためには中国頑張れと言いたいところですが??
リチウムに関し、コデルコ銅公社の社長と現在リチウムの採掘権を持つソキミチSQM社長が面談し、リチウムの将来について話し合いました。どうなるかな?
2)中銀の示唆
中銀が各銀行に資産の安定を図るよう指示を出しました。国際的に金融機関の不安定さが問題になっていますから、それを避けるため手持ちの資金を増やすように頼んでいるようです。もっともそれは経済の活性化には悪い影響をするとのコメントが出ていますが。 
ラテンアメリカ諸国の中でチリの経済指数は平均より下です。経済政策と政治体制の安定さが不足していると指摘されています。
もっともチリの株式市場は5642ポイントとやや下がりましたが、高いところにとどまっています。

(一般)

1)犯罪
 アンゴル刑務所に入っているマプチェの囚人が刑務官を支配下にしていたことが問題になっています。俺たちの言うことを聞けと囚人が刑務官を脅していたのですね。
 マプチェ問題が全く解決に向かわないのと同じく、チリ全体で犯罪の増加が目立ちます。テレビのニュースの大半は泥棒・強盗です。今日もマイプとラス・コンデスのモールに強盗グループが入り警察と銃撃戦になりました。
 それからチリに8つの外国人の麻薬グループが存在するそうですが、 そのうち5つはベネスエラとか。それだけわかっているならちゃんとその組織をコントロールしてほしいですね。
2)文化財記念日
この週末に記念日が来たので、各地で主要な建物・組織が一般大衆にドアを開けました。
私もそのシステムを利用して、昔ですが、モネダ宮殿や都庁事務所などに入ったことがあります。モネダ宮殿の場合、今年は内務大臣・大蔵大臣が入場者に自分たちが毎日使用している建物の案内をしました。
3)大気汚染問題
首都圏の隣のバルパライソ州でいろんな工場が並ぶ地区で大気汚染がひどく学校が休校になりました。そこは以前にも同じ問題がありました。問題は解決せず継続です。
前回はピニェラの時で左翼側は政府を厳しく批判しましたが、今回は口をつぐんでいます???
首都圏の空気もかなり汚れているようで、(準)非常事態宣言が出る可能性もあるようです。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦は7月までお休みです。来週からチリ代表が国際親善試合に参加します。さぁどうなるかな?
2)テニス 
ジュネーブ杯でチリ人のジャリーが優勝。彼は今シーズン2勝目です。世界ランキングで30番台になるとか。


以上