チリの風 その1010 2022年9月19日ー25日

今年も例年通り、日本人学校でチリの歴史の授業を仲間と実施しました。そういう機会があるのが素晴らしい。次はチリの学校で日本の歴史の講義をしたいです。
それから今日、娘が、彼と二人で欧州へ移住しました。
その前に彼の両親も招待して全員でお別れ昼食会をしましたが、私が何十年も前にしたように二人も旅に出たわけです。いつかチリに戻って来るのか、もう帰ってこないのか分かりません。
二人の幸運を祈ります。

その他はいつもと同じです。山歩きは第3展望台に、その日の最低気温は1度で手袋をしていても指先が冷たくて震えました。マラソンは週日一人で10キロを走り、週末は仲間と一緒に走りました。と言っても3名ですが。土曜日にサッカー教室があるはずでしたが、雨のために中止になりました。

毎日、こうしていろんなことがあって、それを楽しめるのは幸せなことです。

(政治)

1)ボリッチ動向
国連で演説
その内容が大統領府の行動報告に掲載されました。「チリは世界を必要とするし、世界もチリを必要とするだろう」と言うのが彼の考えの基本でしょう。
それに加えてフランス大統領とニュージーランド首相、アメリカの元大統領オバマとも面談しました。

TPP11問題
与党グループの新左翼共産党はこの条例に参加するとチリの自由が制約されると反対しています。
大蔵大臣はチリの進歩のために政府は条約加盟をする方針で国会で承認されるのを待つとしました。
つまり現政権の基盤になっている2グループがボリッチに反抗しているわけです。
外務大臣7名がこの条約が批准されるよう願うと発表しました。
ところで、ボリッチは他の項目でもその左翼を批判しました。
それは左翼は左翼陣営に問題がある時、イエメンやサルバドールの問題は批判するが、べネスエラ、ニカラグアそしてチリの場合は口を閉じてしまうと言うわけです。ボリッチが自陣の基盤の左翼の批判をするとは気合が入っています。この先どうなるのかな?
その2グループから離れて、社会党やキ民党などの中道左派グループに入っていくのでしょうか?

先の内閣改造で、問題になりましたが、政府内で意見の統一がないというのが最悪の状況です。ボリッチに統率力がないのは明白ですが、各党・グループが好きなことを言って分裂・破綻に接近ですね。今週も大統領側近の職員に入れ替えがあったらしい。


2)メールの漏洩
軍隊が使っているシステムに誰かハッカーの手が入り、秘密メールが数多くもれました。
もちろん、マスコミにはその内容は何だったのかと言う詳しい内容は出ていませんが危ないことになったのは間違いないでしょう。そのうち内容について漏れてくるはずです。
関連者が辞任したり、問題は深刻化しています。
3)イスラエル大使問題
その大使はテレビの番組に出て実情をコメントしました。彼はチリ政府の大使承認をされていないので各種の会合に参加できないとか。外務大臣もいつまで続くかな?
外務大臣は各国大使の任命にも多くの疑問を残しましたから大統領の信任は極めて低いといわれます???

4)新憲法
国会で議論されていますが、ほとんど進展はありません。
今月初めの投票で新憲法は拒否されましたが、そのおかげで投資家などは安心したとされていますが、この先どうなるかはまだ心配の種とか。
さて中道左派グループは新憲法を革命として考えるのでは無く、現憲法を改善すると言う方向にしたいとコメントしました。
それを実施しようとする新グループに黄色グループと言う名前が付いています。何それと言う名前ですが、私は黄色グループに期待します。国を潰すのが新憲法の目標ではないですから。投資家援護というつもりではなく、チリの安定を願うからです。
1980年の軍事革命時に作られた憲法を変えるのは国民の願いだと言われますが、その憲法中道左派の大統領ラゴスが一度手を加えて変更しています。つまり全部がピノチェットの作品ではないわけです。ラゴスがやったのと同じように必要な点を改善していこうとするのは可能だし、大惨事を起こさない方法でしょう。

(経済)

1)銅価格と為替
 銅価格が1ポンド3.38ドルと先週より大きく下がりました。もちろんそれが影響して1ドル943ペソとペソ安になっています。もう一度1000ペソまで落ちるという予想もあります。これはチリに大きな影響を与えますね。
 8月までのこの1年間のチリの物価上昇率は14.1%とこれまでになかったほど上がっていますが、ラテンアメリカの中でべネスエラ・アルゼンチンに次いで3位とか。
 ロシア戦争の影響はどの国にもあるわけですが、チリの場合、それ以外の影響が大きいわけですね。
 OECDの発表では今年のチリの経済成長率は1.9%になるだろうとのこと。
 それは心配される数字だとコメントされましたが、落ち込んできたのが明白ですね。
 さらに新税制が上手く行かなければ支出は抑えられないから国債が増えていくでしょう。
 現在はGDPの40%以下ですが2030年にはそれが55%まで上がると予想されています。
 来週に、その新税制について議会で論議されます。

(一般)

1)ディエシオチョ18の総括
この月曜日までの4連休でしたが、その間に交通事故による死亡者が38人と対前年で12人増えました。
昨年より、国民の移動する数・距離が増えたのでしょうね。飲酒運転が増えたのかな?
首都圏のオヒギンス公園の入場者は5日間で25万人とか。そこで屋台を出していたオーナーはニコニコ顔でした。
天気は今ひとつでしたが、2年間、禁止になっていたお祭りが再開されたことから、一般市民が溢れるように会場に入り、飲み食いに大盤振る舞いをしたのでしょうね。たまには良いかな?
同じようにサンティアゴ空港の使用者は今年に入って8月までで150万人と前年対比40%の上昇です。
2)コロナ問題
 少し前に5回目のワクチン接種が討議されましたが、風は全く逆の方向に向かい、10月1日からマスクの着用が強制されなくなります。バスや地下鉄、国内線の飛行機の中でもマスクは要りません、また博物館・レストランなどに入る時に要求された移動パスが不要になりました。厚生大臣は、コロナ問題が消えたわけではないので、今回の措置が変わり、将来また規制が復活する可能性はあるとコメントしました。
3)マプチェ問題
 南部で木材を積んで走っていた貨車が転覆しました。線路が外されていたからです。しかし毎週、同じような事件が継続です。マプチェのパンフレットがあったようです。
 政府は国会に軍隊を同地に駐在させる特別条例の延長を要請中です。
 先日逮捕されたマプチェのCAMグループのリーダーのジャイツル裁判はまだ進んでいません。
  野党議員がボリッチはアメリカでもカナダでも行くけれど。南部のアラウカニア州には行かない。チリにそんなところがあると知らないのかなと疑問の声を出しています。
 

(スポーツ)

1)サッカー
 今週は世界各地で国際親善試合がありました。このため、国内リーグ戦はお休みでチリカップ戦が行わました。
 ホームとアウェイで戦う準々決勝の1回目です。もう1試合でベスト4が決まります。
 さて国際親善試合でチリはモロッコとスペインで戦いました。テレビで見ましたが、もう見たくないと言う感じで、モロッコに圧倒されました。0対2で負けましたが、内容はもっとひどい差がありました。今から数年前ならモロッコ辺りには4対0の圧勝と言う感じでしたが、今はどことやっても勝てないよ言う雰囲気。
 なんでも545分間、ゴールをしていないとか。悲しいですね。


以上