チリの風 その1021 2022年12月5日ー11日

連日30度以上の日が続くサンティアゴです。なんでも先月11月は過去50数年で一番気温が高かったそうですから12月もそうなりそうです。
区役所で区民安全登録の更新をしました。ラス・コンデス区に長い間住んでいますが、登録をしておくといろんなメリットがあります。
さて今週はスポーツを楽しみました。もう10キロを走れます。コースの一部は歩きましたが、それでも事故前の記録に近づきました。
そして登山ですが、麓歩きではなく展望台まで歩きました。第1・第2・第3展望台までの3時間コースは大丈夫です。いつかアポキンドの滝まで8時間コースも歩けるようになると思います。
土曜日はサッカー教室。34度まで気温は上がりましたが、何とか最後まで楽しく練習しました。
日曜日のマラソン練習は4名で実施。私は遅いけど、久しぶりに全く歩かないで走りました。
こうして自分の身体を自由に動かせることができるのは最高の幸せです。もう日焼けして顔や首筋はかなり黒いです。
今週は嫁さんの誕生日になったので、彼女の好きなカニ料理を食べに行きました。

(政治)

1)ボリッチ動向
 チリ投資会
 28か国の参加がありました。40億ドルの投資が考えられているとか。ボリッチはその会議に出席して、各企業の代表にチリの投資は安全です。規則は最後まで変更することはなく継続しますからとしました。
 ペペ・ムヒカ
 元ウルグアイ大統領のムヒカとモネダ宮殿で面談しました。彼は南米の小さな国のウルグアイを世界にその存在を認めさせる光った国にする大きな業績を残しています。ボリッチもその後を歩いてほしいですが。
 カスティジョ大統領
 ペルーは大変なことになりましたね。彼はその朝、大統領として議会に行き、出たときは拘留されて拘置所に。
 一日でそんな大きな変化があるのですね。彼は先週チリに来た時、その問題を抱えていたわけで、ボリッチにいったいどんなコメントをしたのでしょう。ボリッチは彼を釈放するよう要求することも新大統領に応援を送ることもなく沈黙を続けています。
 ボリッチも4年の任期を完了できないと言う噂があります。まったく大統領として機能しない、チリがそのレベルを落としていくと国民の支持は最悪レベルになり、ペルーのようなケースも考えられるというわけです。
 検察総長
 新総長について大きな動きはなく、誰が最終候補者になるのかも決まっていません。さて先日、トラック業界のデモ・ストがありましたが、なんでも検察関係者がストに入ると言う噂があります。彼らは一般公務員よりずっと高いレベルの給料をもらっていますが、もっと頂きたいとするわけです。反政府運動ですね。どうなるかな?

 新憲法
 もういつもと同じで与野党ともそれを前進させる能力を持っていません。前回のように市民の投票で新憲法設置の方法を決めるとするのか委員会を、例えば議員が半数、残りは一般市民で結成するとか、方法はいろいろあるでしょうが、どれが良いのか意見が分かれ、どれを議会案として国民に提示するのか決定されません。いつも今週中に決定しますと言っていますが・・・・
 ボリッチは就任してからその新憲法の発効を目標にしてそれ以外は二番手にしていました。もちろん、彼とすれば、新憲法を成立させた大統領として後世に名が残ると考えたわけですね。ところが、国民から新憲法は見放され、放置していた犯罪問題や経済成長、インフレ抑制などは悪い方向に進み最悪の状況です。

(経済)

1)中銀情報
 これまで11回連続して公定歩合を上げてきましたが、今回は11.25%を維持。来年4月から引き下げに向かうかもとか。
 しかし中銀の来年の予想は投資は減少、成長率はマイナス、そしてインフレは継続するとしています。
 環境保全に関する投資では、ソキミチのリチウム関連などを含め今年1-11月で587件が申請されましたが、それは昨年の867件より大きく下回っており、1997年以来の最小の数字とか。投資全般が落ち目なのですね
2)インフレIPC
 11月は1%で、過去12か月では13.3%の上昇です。最近、過去12か月の数字は減少していましたが、今回は逆に上昇しました。
 つまりまだ落ち着いて いる状態ではないということです。1994年以来の最悪の状況とか。
 細かい点ですが、売り上げ額が大きく減少している例として携帯電話42%減少、パソコン42%、テレビ39%などが上がっています。


2)銅価格と為替
 1ポンド3.85ドルと上昇。そのため1ドルは879ペソとペソ高になりました。
 ボリッチも大蔵大臣もこの数字にニッコリでしょうね。

(一般)

1)ロ・バスケ教会
 8日はカトリックの祝日でした。サンティアゴバルパライソの間に位置するその教会に100万人を超える人が押し掛けました。
 コロナで2年間、この集まりは禁止されていたので、2年ぶりに盛り上がりました。
 教会の近くから教会まで膝まづいて歩いたり、もっと厳しいのは寝そべって腹部を地面につけて前進です。
 以前のお願いがかなったので、そのお礼に腹ばいで教会に入りますと信者の一人がテレビカメラに向かって苦しそうにコメントしていました。
 チリのカトリックは年々人気を失っていますが、こうした行事は根強いですね。
2)コロナ問題
 最近、ほとんど動きはなく一日あたり新規患者最高4000人、新感染率は13%ほどです。10月末に一日8000人
 19%の感染率でしたから、以前のように政府が統制をしていないのに、明らかに下がっていますね。
3)マプチェ問題
 コジプジ地区で家屋への放火が起きました。もういつものことですね。
 山火事
 マプチェと関連しませんが、高温と乾燥から山火事が広がっています。各地で消火作業が続いていますが、大変です。
4)チリ人の考え
 世論調査で現在のチリは他のラテンアメリカ諸国と比較してどうだろうと聞かれるとチリ人の回答は次のようでした。
 ほかの国より犯罪がひどい   60%
 ほかの国より経済成長が低い  44%
 政治の安定さが低い      40% 
 明らかに3年前の社会騒乱以前とはチリ人の心境が変わりました。それまではチリはラ米のトップと思っていたのですが。

 サンティアゴの隣のバルパライソ州で不法建設(空き地に勝手に家を建てる)が昨年403ヘクタールだったのに今年は650に急上昇。政府は何もできないのですね。もちろんそこだけではなく首都圏も同じですが。またバルパライソの住宅地の近くの山地にも火事が起きるでしょうね。
 北部のラスカル火山が噴火を始めました。サン・ペドロ・デ・アタカマと言う観光地の近くです。

以上