チリの風 その998 2022年6月27日ー7月3日

7月です。今年も後半に入りました。チリのニュースで東京は150年ぶりの暑さと報道されました。厳しいですね。
サンティアゴの冬は最低気温は0度ほどでそれほど厳しいことはありません。さて今週の天気予報は少し当たって月曜と金曜日が雨でした。
金曜日は20ミリの雨だったので、土曜日のサッカー教室は中止になりました。たまには運が悪いことも起きます。私の部屋の窓から見えるアプマンケ山は雪をかぶっています。
登山は軽くカランの丘歩きをしました。
ところでマラソンはもう駄目です。昔、会社員をしている時、4月のサンティアゴ・マラソンでフルを走っていました。その頃、仕事を終えて家に戻ってきて、時間がないから軽く10キロを走ろうとしていたのですが、今ではその10キロを走るのが困難です。今週は何とか完走しましたが。いつまで続くか心配です。
いつも同じことを書いていますが、それは昔の思い出が忘れられない老人症の特徴ですね。まぁ、仕方ないですが。
それでも友人を呼んで食事を一緒にしたり、嫁さんと買い物に出かけたり日常生活を楽しんでいます。

(政治)

1)ボリッチ動向
今週はチリ最北端のアリカ・パリナコタ州を訪問しました。その地区は隣国から不法に移民が入ってくる問題が長い間続いています。その移民が犯罪集団になって同地区の安全に大きな影響を与えているとか。そこでマプチェの問題対策と同じようにそこにも軍隊を駐屯させれば良いのではと言うアイデアが出ています。その凶悪集団がアリカの後ろの丘に違法建設をして住み着いているようです。素人の私の考えでは、その一軒一軒を訪ねて違法建設を確認するのと、そこの住民の身分証明書を調べれば、大半はチリ人でしょうが、移民の違法入国問題が分かりますから、犯罪歴によって刑務所に収容するか国外追放にすれば、そのグループは消滅すると思いますがどうでしょう。チリで活動する外国の3大麻薬グループはメキシコのハリスコとシナロア、それにべネスエラから来た「アラグアの汽車」と呼ばれるグループです。
その違法建設に関連して、ボリッチは今日、日曜日にモネダ宮殿で,記者を前に、貧困層の人の住居を用意したいとしました。彼の4年間の任期の間に26万軒の家を建てて市民に渡すとか。うまく行くでしょうか?
ボリッチはマプチェのアラウカニア州も近いうちに訪問するとしています。
そこは今週、国会で軍隊の駐屯をさらに15日間の追加が認められましたが、森林会社に銃を持った覆面グループが入り込み、従業員に発砲し、重機・トラックに放火しました。
軍隊を置いても犯罪行為は無くなりません。警察や軍隊が治安を維持できないことが、他の犯罪グループには励ましになって??チリの治安が悪化する一方です。
国際問題では、ボリッチはウクライナのゼレンスキー大統領と電話で話し、チリも彼らに協力したいと伝えたとか。

さて問題の新税制に関し、メルセル大蔵大臣は過去の9名の大蔵大臣と会談し、彼らのコメント聞きました。
その後、ボリッチは新税制を発表しましたが、ロイヤリティ税など鉱山関係の企業関連の他に、所得税としては人口の3%、所得が4百万ペソ以上の人がその増税の対象になるとか。また投資のためにマンションを買いそれを貸し出している人にも新税制では税金を払うように指示します。
ところで新税制システムの目標は合計でGDPの4.1%、120億ドルです。
大蔵大臣はこの新税制は新規投資を抑えることはないとしました。国会で議論が始まります。

先日、大きな問題になったコデルコのベンタナス精錬所が、1か月の停止期間を終え、許可をもらって再操業開始。全面停止までまだまだ問題が続きそうです。同地区の区長が私たちには全く事前の相談もなく、一方的に操業再開するのはどういうことか。5年で完全に閉めると言うなら4年11か月は操業の権利があるとでもいうのかと怒っています。
2)新憲法委員会
とうとうすべての議論を終えました。委員はこれで職務を終え、7月4日の閉会式の後に自宅に戻る(失業する)ことになります。その日、委員会はボリッチ大統領に新憲法案を手渡すことになるわけです。この後、新憲法是非の運動が始まります。
どっちが勝っても社会騒乱が起きると言う予想です。
新聞の社説に、同委員会が発足した時の熱気は消えてしまった。委員会の運営方法、そして委員の素質に問題があり、国民の共感を得られなかったと厳しいコメントが掲載されました。

(経済)

1)経済成長率
 中銀発表の月例指数が発表されました。5月の数字は前年対比6.4%の上昇でした。昨年3月以来ずっと上昇が継続しています。もっとも5月の上がり方は4月のそれより低かったので風が変わって来たのかと言われます。つまり今年の第2四半期は第1四半期より数字が下がりそうです。

2)銅価格と為替
 銅の価格は6月は13.2%も下がりました。6月30日は3.74ドルでした。7月1日はさらに下がって3.62ドルでした。
 それから6月のチリの対ドルペソの下落は世界で2番目とか。1ドル920ペソでした。3月28日は780ペソでしたから、わずかの期間にそれだけ落ち込んだわけですね。
 7月になって1日はさらに下がって932ペソ。どこまで落ち込むのでしょう。
3)株式市場IPSA
6月は4993ポイントで終わりましたが、月半ば5500ポイントほどまで上がっています。今年になてから1-6月で14.9%の上昇ですから、株に投資をしている人はニッコリですね。

(一般)

1)コロナ問題
今週も1万人以上の新規感染者が出ていますが、ほとんど大きな問題にはなっていません。もう慣れてしまったのでしょうね。
それで良いのか、また緊急病室が不足するとかの問題が出るのか分かりませんが。
 
2)雨量
 6月は一月で20ミリの雨しか降らず、過去20年で2番目に低い数字でした。(年平均は80ミリです)
 この乾燥状態がどうなるかは生活に大きな影響を与えることになります。7月1日の雨は少しは問題軽減になりそうですが。
 その日、首都圏のあちこちで水があふれ車の運行に支障が出ました。雨が降らないと困りますが。雨が降ると困るわけです。
 道路が冠水した所で、女性が靴を脱ぎ、はだしで道の反対側に渡るのがニュースに出ました。冷たかったでしょう。
3)冬休み
 今週から学校は冬休みに入りました。金曜日はかなりの雨だったのに、バスターミナルに多くの乗客が詰めかけました。200キロ以上離れた場所に移動するには移動パスが必要です。それは既に4回のワクチンを接種したと言う証明書です。それを携帯電話に入れて必要なときに係員に見せるわけです。ちゃんと機能しています。

(スポーツ)

1)サッカー
チーム別の南米カップに出ているコロコロとカトリカは、今週ホームでそれぞれがブラジルチームと対戦しコロコロは勝利、カトリカは敗戦でした。
国内リーグ戦は16ゲームが終わりました。今週の結果はカトリカとチリ大学は勝利、コロコロは引き分けでした。そして順位は首位はコロコロです。カトリカは8位、チリ大学は11位です。
2)テニス
イギリスのウィンブルドン大会に参加しているガリンは3回戦を勝ち抜き、ベスト16に入りました。明日、ベスト8への試合があります。
ATP43位ですが、この大会を勝ち進めばランクがぐっと上がりますね。


以上