チリの風 その997 2022年6月20日―26日

この木曜日、かなりの雨が降ったサンティアゴです。雨の中、傘をさして買い物に出ました。別に雨がやんでからでも良かったのですがたまには雨の中を歩いてみたかったからです。来週は3日も雨が降る予想です。さて冬至の日が過ぎました。これから毎日少しづつ日が伸びますね。
来週の月曜日がカトリックの祝日になったので、3連休として首都圏からこの週末、郊外に多くの車・人が出てゆきました。

金曜日、久しぶりに大使館に行きました。選挙の投票です。しかし日本は変わっていますね。ネットを使えば瞬時に投票が出来るのに投票用紙を郵送するのですから。そのうち世界で日本だけ取り残されるのでは??
山歩きは、仲間と一緒に石塔へ。近くの丘に上がってから下に降りる冒険コースでした。雨の後だったので、サンティアゴの街が遠くまでくっきり見えました。
ラソンもいつものように週日一人で10キロ、日曜日は仲間と走りました。
このほかにも毎日のように、用事・仕事があって面白かったです。
いつものように幸せな毎日でした。

(政治)

1)ボリッチ動向
コデルコのスト突入と終焉
 コデルコの労働者がストに入ったので、毎日、多くの金が失われると言われました。なんでも一日当たり何百万ドルになるだろうとか。そんなに?
精錬所の労働者グループの代表は共産党員でした。共産党は現政権で与党側ですが、労働者のリーダーになるのは得意ですからね。
今まで、こういうストは数週間、ひどい時は何か月も続きましたが、今回は何と1週間にもならず終焉。どういう合意事項があったのか良く報道されませんが、全く不思議な終焉方法でした。
新聞の社説にこれに関してベンタナス精錬所完全封鎖を実施するための、事前の政府の準備が不自由分だったことが明白だと厳しいコメントが書かれました。
その精錬所は、独立した1部門ですが、採算が悪く、毎年赤字でした。このため精錬所を閉めるアイデアが2011、2015,2019年に出ています。
つまり今回は4回目です。それだけ効率の悪い、そして大気汚染のひどい工場を維持していく必要はないですね。
しかしストに入った労働者の
声はコデルコ幹部やボリッチ大統領より大きかったわけです。どうしてストが解決したか、その内、秘密が漏れてくるでしょう。

それから労働時間を週40時間とすることを政府案にして、国会に送ります。
新税制は7月1日に政府案が発表されますが、それに先立ってマルセル大蔵大臣は過去の大蔵大臣と会談する予定とか。プロの意見を聞くのは大事ですよね。
社員で所得税を払っている人は過去16年で16%から25%に上がっています。
マプチェに関しては、一向に状況は良くなりませんが、また国会に軍隊駐屯案の承認を要求しました。素人の私には何故その期間が15日で、頻繁に延長するのか分かりません。少なくとも3か月にすれば、6回分になりますからね。最右翼のUDI党の議員が、「私たちは政府案を承認するからボリッチは、仲間の人間の説得を図る必要がありますね」と馬鹿にしていました。
世論調査でボリッチを支持するは25%、不支持は44%でした。もういつもの数字ですね。

2)新憲法委員会
与党グループのキリスト教民主党DCの元党首9名が新憲法の是非について各自の自由にさせたいと発表し揉めています。普通、党として賛成反対を明白にするものですが、これに関して党が二つに分かれているわけです。党員の一部が新憲法反対のグループを作って行動し始めました。
そうそう委員会の最終日に元大統領を全員招待しましたが、4人が全員出席を拒否しました。何かその裏にあるのですね。
来週に新憲法委員会の全行程が終わります。なぜか、お疲れさまでしたと言う気にならないのですが。
鉱山関連の新憲法案に関し討論会がありましたが、委員がチリや世界の実情をちゃんと理解しているのか心配です。
世論調査では新憲法を拒否する人の方が認証すると言う人より多くなっています。9月4日の投票の結果が、どうなっても社会騒乱が起きるだろう予想されています。

(経済)

1)銅価格と為替
銅の価格はポンド当たり3.75ドルと先週から10%も下がりました。2021年12月以来の最低の数字です。
このため今週は対ドルでペソが大きく落ち込み、1週間で41ペソも下がりました。この数字は2009年以来の大きな落ち込みです。
為替は1ドル918ペソになりました。それは歴史上初めての記録です。中銀は手持ちのドルを売って、この動きを抑えるらしい。
この先どうなるのか極めて不安定な状況が続きそう。
このため輸入品が多い肉などの値段が上がり、消費者物価指数はまた大幅アップになりそうです。

(一般)

1)コロナ問題
 今週も一日の新規感染者数が1万人を超えました。ピニェラの時は厚生大臣がテレビの番組で感染者数について発表・解説をしていましたが、ボリッチになってそれは無くなりました。1万人を超えると大騒ぎをした感染者数が今ではほとんど取り上げられません。余裕が出てきたのか、5次の波でもう慣れてしまったかのようです。金曜日も土曜日も新規感染率が17%台と104日ぶりの高い数字でしたが、厚生省はそれほど驚かなったようです???

2)犯罪の増加
サンティアゴの大規模集会場で行われていた数千人が参加したパーティの途中、銃の発砲があり、4名の負傷者が出ました。その他に、街のディスコでも発砲事件があり負傷者が出ました。
なんだかアメリカ合衆国のようですね。
ボリッチが銃の所持を禁止する法案を用意していますが、それに抗議するデモがありました。国内で正規に販売された銃器が犯罪に使用されたとは報道されていない。つまり不正に入った銃器、もしくは盗難されたものが犯罪に使われているわけで、正規のルートを無視する・廃棄すると言うのは過ちとしています。どうでしょう。

(スポーツ)

1)サッカー
1部リーグと2部リーグの全チームが当たるチリカップで、コロコロとカトリカは勝って、準々決勝に進みました。私の予想ではそのどちらかが優勝するでしょう。もう一つの人気チーム、チリ大学は明日に試合が予定されています。


以上