チリの風 その1051 2023年7月3日ー9日

先週は南の旅で山歩きはできなかったので、今週、大雨の後、初めて山に入りました。仲間といつもの第1展望台に上がりましたが、なんと、その前は枯れて何もなかった地面が、緑の草で覆われていました。生命力ですね。ちゃんと草の種が生き残っていたわけです。もっとも上から街を見ると、あの雨でスモッグが消えた頃とは異なりスモッグがかなりありました。
朝、外に出ると肌寒いですが、マラソン練習も散歩も継続しています。もちろん、寒いと言っても最低気温は5度ほどでマイナスにはなりません。
土曜日、日本人学校に行って久しぶりにサッカー教室。十数名の参加者で楽しく練習しました。子供の元気な顔を見るのがうれしいです。
さて昨年、一回、講演をさせてもらいましたが、今年は2か所から頼まれました。一つは軍事革命50周年記念、もう一つは太平洋戦争の話です。
最初の方は原稿は完成、2番目の方の原稿を書き始めました。
いつも言っていますが、何かすることがあると言うのが本当に幸せです。
走ったり・飛んだりしながら原稿を書くのは最高の贅沢です。気力・体力ともに落ちていきますから、いつまで続くか分かりませんが、人生を楽しんでいます。

冬休みが開始したので、散歩で学校の前を歩いても子供の声は聞こえません。

(政治)

1)ボリッチ動向
イタリア大統領のチリ訪問
モネダ宮殿で面談した後、ボリッチはイタリア大統領とモネダで会えるのは最高の喜び、さらに彼はパタゴニアのプンタ・アレナスも訪問されるが、自分の故郷を
訪ねてもらえるのはうれしいとコメントしました。

外遊
ボリッチは来週、欧州に外遊します。ブリュッセルで国際会議に参加した後、フランスとスペインに寄って帰ってくるとか。もっとも今は外遊する時では
ないだろうと言う批判も出ています。水害の時、南極に行っていましたからね。
ボリッチとは関係ないですが、もうすぐ実施されるアルゼンチンの大統領選挙に参加する一番右の候補ミレイがチリを訪問し、チリ共和党のカストと面談したほか
演説会を実施しました。彼はチリの政権は左寄りだとし、バチェレットもピニェラも社会主義者だとしました。ピニェラは右翼なのですが?
そんな彼はボリッチを罵倒しました。チリを批判するよりアルゼンチンの破産を心配してください。

新左翼RD党のスキャンダル
南部のモリナを訪問し、水害で壊れた家に代わる緊急家屋の建設の進展の様子を見ました。そこで新左翼のRD党の件を記者団に聞かれると「すべて司法の手に任せ、不正があればそれを処罰すると言う方針は変わりません」とコメントしました。彼は問題の深刻化を防ぐため、こうした問題で出てくる非営利団体と政府の関係・コントロールの実態をはっきりさせるための委員会を作り、45日以内に最終報告書を出させることにしました。恐らく政府にとって有利な結果にはならないでしょうが、それをはっきりさせると言うのは立派なものです。
この政府基金で民間の非営利企業を援助して簡易住宅を作ると言うシステムは以前からあり、ピニェラ・バチェレットの時代でも実施されていました。ということはその頃から問題はあったけど見つからなかったのか、昔は不正がなかったのに新左翼が悪さを始めたかのどちらかでしょう。

今まで北部のアントファガスタで怪しい動きがあったのですが、それが飛び火して他の地区でも疑惑が出ています。なんでも8つの州で問題があるとか。
この住居問題のほかに学校給食でも不正があったと言う話が出ています。
野党側は、二人の大臣、住居省のモンテスと社会福祉省のジャクソンを罷免するように要求していますが、ボリッチは聞く耳を持たないと言う感じです。大臣はともかく次官は何人も辞任(か解雇)しています。内部で不正が明らかになってきているのでしょうね。そこで新聞に孤立するボリッチという論調がありました。
野党の大臣罷免の声が大きくなると、最終的には大学時代からの仲間でRD党創設者のジャクソンを外すと思いますがどうかな?私の想像です。

今日、ボリッチは陸軍学校に行って国旗宣誓式に出席しました。今年は軍事革命50周年ですから、その記念日の9月に向けて緊張感が高まります。共産党は陸軍を潰すとか自分の支配下に置くとか言い始めるでしょうね???

世論調査
ボリッチを支持するは36%、不支持は51%でした。その数字を見るとひどい不人気と思えますが、社会騒乱になったころのピニェラはそれよりずっとひどい数字でした。
先週、右翼政党の争いを書きましたが、その世論調査では次の大統領としてUDI党のマテイが20%で、共和党のカストの16%を越えました。

(経済)

1)銅価格と為替
 銅の価格は1ポンド当たり3.76ドルと先週と同じ。為替も1ドル804ペソでほとんど同じでした。
2)経済成長率
5月は何と2%のマイナス成長になりました。過去12か月でマイナス1.1%。今年のプラス成長は難しそうですね。
鉱業、特に銅の生産に影が差しています。5月は過去6年間で最低レベルとか。コデルコだけでなく民間の鉱山も不調です。
逆にリチウムの方は順調でアメリカのアルべマルデ社は1-3月に国庫に3.8億ドルを納入。これは昨年の約2倍とか。急上昇ですね。チリのソキミチ社も同じように好調らしい。
3)株式市場
 なんと過去最高だった2018年の5880ポイントを超え、今週5935ポイントが記録されました。景気の落ち込みと株式市場は動きが違いますね。
4)物価上昇率IPC
 6月の数字はマイナス0.2%と驚きの数字。過去12か月で7.6%、今年の上半期は2.1%とほとんど正常化してきています。ということはUF建てで借金をしている人は来月は支払額が少し下がると言うことです。良かったね。
大雨の後、食品の価格が急上昇しています。例えばジャガイモは40%。それに関し農業大臣は水害地の採集に問題が起きた事と運送問題もあったからでそれはすぐに正常化するだろうとしています。
5)新車の販売
 6月の売り上げは22676台と前年同月より37%のマイナス。また今年前半の販売数は昨年同期より30%の減少と落ち目は隠せません。
今年の上半期の新車の販売台数で上位の2車が日本ブランドでした。

(一般)

1)地震
 今日の昼頃、M5.6 の地震が首都圏近郊で起きました。都内のスーパーマーケットで棚に並べられていたワインの瓶が倒れ床がワインだらけになったり、ビルのエレベーターが故障して中に乗っている人が出られなくなると言う事故も起きました。もちろん、それくらいの事故でビルが倒れ死傷者が出るほどではまかったですが。その内、もっと大きな地震が来てサン・ラモン地区のビルが軒並み崩壊すると言う大事故が起きそうとか。
2)大学ランキング
 ラテンアメリカの大学ランキングが発表されました。何とチリのカトリカ大学が1位、チリ大学が9位でした。トップ10にブラジルから7校が選ばれています。
 ブラジルはそれほど大学が発展しているのですね。
 以前の結果とかなり違いますが・・・。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦が再開です。今週の結果は人気の3チームの結果はコロコロは延期、チリ大は勝利、カトリカは敗戦でした。その結果はリーグ戦の1位はワチパトとチリ大それにコブレサルの3チームが同点首位。混沌です。カトリカとコロコロは中くらいに位置します。
2)テニス
ウィンブルドンの大会でジャリーは1,2回戦を勝ち抜き、準々決勝に進出。ナンバー1のアルカラスと対戦しましたが、残念そこまで。それでもこれからも注目を集めそうです。


以上