チリの風 その983 2022年3月14日―20日

最高気温が30度の日が続いていたサンティアゴですが、立秋の日、日曜日は曇って涼しかったです。
さて今週も忙しく毎日を楽しみました。
一番、緊張したのは金曜日で、午前中、不動産屋に付き添われて中高年女性がここに来ました。
彼女はここの近くの一軒家に住んでいますが、ご主人がなくなったのでそこを出てマンションに住みたくなったとか。最後にここが気に入ったとコメントしました。
午後は仲間に頼まれたマプチェの講義をしました。質疑応答も入れて1時間半ほど話しました。
先月はパタゴニア、今月はマプチェの話をしましたが、この調子だと南部移住の夢が実現すれば、現地のチリの学校で日本の歴史や文化の話をすることになるのでしょうか?
さて木曜日の山歩きは仲間と第1展望台の上に位置するサボテン公園へ行きました。そこのサボテンに寄生植物が赤い花を咲かせているのを見ました。
それから一人で郊外のマイポ峡谷にいって散歩しました。そこまで地下鉄とバスを乗り継いで片道2時間です。
久しぶりに娘が来て夕食を一緒にしました。彼女の毎日の生活の様子を聞きました。
土曜日は久しぶりの日本人学校のサッカー教室。20名ほどの参加者で楽しく練習しました。
ラソンは、先週の事故の後、また10キロを走れるようになりました。日曜日のマラソン練習はいつもの通り、仲間と楽しく走りました。

私は幸運です。

(政治)

1)ボリッチ動向
大統領に就任して1週間がたちました。
いろんなことがありましたが、やっぱりマプチェ問題が最大の話題でしょうね。内務大臣は即時、その第9州アラウカニアに飛び、マプチェ側の組織とその被害を受けた側の両方に面談しようとしました。ところが、現地に着いてすぐに、彼女の近くで銃弾が飛び回り、予定を中止しました。(その内務大臣は出張から帰ってPCR検査をしたところ陽性でした???)
マプチェ側は政府は右でも左でも同じだ。自分たちの土地に無断で侵入し、武器を使ってそこを取り上げた凶悪政府の後継者だとするのでしょうね。歴史的にはそれは真実です。
しかし現実的にはそうした動きでは同州の発展はなく、これからも苦しい生活が続くと言うことを考えた方が良いと思うのですが、どうでしょう。新憲法委員会で同州の自治州化が出されています。

外遊
ボリッチの最初の外遊は4月の初めにアルゼンチンに決定です。
先週の就任式で同国の大統領がボリッチにすり寄りましたね。

憲法委員会
ボリッチはこの件で、新憲法国民投票で否決されれば、また社会騒乱が起きるのではないかと心配するとしました。
共産党はこの件に関し、政府は中道ではなく、新憲法制定に向けて動くべきだと警告しています。
もっとも政権内で新左翼と旧左翼の混乱・対立がいつも噂されています。

大統領の恩赦
この前の社会騒乱で逮捕された犯人を釈放する動きがあります。
私にすれば放火・略奪事件の犯人は政治犯ではないですが、ボリッチにすれば昔の仲間と言う感じかもしれません。
選挙前からそれを公約していたボリッチはその中の183人に関し、ピニェラ政府が国として裁判所に訴えていたのを取り消しました。
その一人は火炎爆弾を投げていました。私の想像では、彼はそれが人生の楽しみで、デモがあれば必ず爆弾を持って参加し、それが燃え上がるのを見ると、にっこり笑って家に戻っていたのでしょう。有罪ではないですか?

環境保全エスカス
ボリッチは公約通りその条約にサインをしました。それはラテンアメリカ・カリブの諸国が環境保全で同調しようとする条約ですが、ピニェラはサインするのをためらっていました。既に24か国がサインしています。
これが通ると大気汚染問題などに手を入れやすくなりますね。この条約は国会に送られました。

首都圏の水不足
ボリッチは水不足から断水が起きる可能性があると警告しました。新聞に、区によって各自の水の消費量が大きく異なると発表されました。一日・一人当たりの水の消費が多いのはピルケが211リットル。バルネチェア198リットル。逆に少ないのはエル・タボで25リットル、エル・キスコ26リットルです。大変な差がありますね。その理由は説明されていません。私の住んでいるラスコンデスは87リットルでした。それほどひどくなないですね。

警察首脳の不正問題
陸軍の場合と同じですが、不正問題は継続です。どうしてそういう組織を改善できないのですか?
内部の監査組織を見直すとか、不正事件のトップを重罪にするとか、ボリッチには手を打ってもらいたいです。
 

(経済)

1)経済成長率
 昨年のチリの成長率は11.7%で、なんと世界4位の高さ。(1位はパナマの18%でした)
 コロナで落ち込んだ2010年のマイナスを取り戻しました。個人消費・新規投資・貯蓄増加とかがプラスになっています。
 ただ今年はそれには遠い、低い数字が予想されています。

2)銅価格と為替
1ポンド4.65ドルと先週より少し上がりました。為替は1ドル798ペソとペソが少し強くなっています。
2020年に2.1ドル程まで落ち込んでいますから、同じ量の生産で2倍以上の収入ですね。
チリの国営銅公社は国庫に大きな額を毎年納入しています。その2020年は12.9億ドルでしたが、昨年は何と55億ドルと急上昇。それが今年もまだ上がるかもしれませんね。

(一般)

1)コロナ問題
新規患者数は連日1万人以上、陽性率は15%ほどと悪い数字が継続ですが、もう病気の件は話題にならなくなっています。
確かに緊急病棟が足りないと言うことはないようです。自宅待機令などの規制は首都圏ではありません。

2)ロラパロサ音楽祭
もうコロナ問題は終わったのでしょうか、この週末、久しぶりの音楽祭が都内で開催され、毎日7万5千人の観衆が集まりました。
全く距離を置かないで、マスクもしないで満員の観衆が音楽を楽しんでいました。大丈夫かな?

3)女子学生デモ
学校内で暴力行為、性的いじめなどが止まらないと女子学生の抗議デモがありました。
ボリッチはどんな手を打つのかな?
4)夏時間の終わり
来月、4月2日の土曜日から、夏時間が終わり、自然時間に戻ります。つまり朝は1時間、太陽が出るのが遅くなり夕方は1時間、夜の来るのが遅くなるわけです。
5)山火事
パタゴニアの中心のフエゴ島の山火事は1か月以上燃え続き、1300ヘクタールを焼きましたが、今週やっと鎮火したらしい。良かった、しかしいつまた山火事が起きるか分かりませんね。

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦の結果ですが、人気3チームの成績はコロコロは勝利、チリ大学は引き分け、カトリカはまた負けて4連敗。
順位は首位はコブレサル、2位はコロコロ、3位はニュブレンセでした。ただ3位のチームは明日に試合があるので、それに勝てば1位になります。
1部リーグ16チームの中でカトリカは7位、チリ大学は10位と振るいません。
もうすぐ、ワールドカップの南米予選の最終戦があります。どうなるかな?
ワールドカップの南米予選の最終戦が近づいています。あまり期待できませんが、対ブラジル。ウルグアイに勝てば本大会に出られるようです。


以上