チリの風 その982 2022年3月7日―13日

サンティアゴの最高気温と最低気温の差は20度の日が多いです。例えば31度と11度とか。
それでも秋の気配が濃くなってきました。紅葉もすすんでいます。

さて、今週は事故にあってしまいました。火曜日、マラソン練習をしていると車庫から出てきた車にぶつかりました。
私は転倒してあちこちに擦り傷。それでも何とか持ち直しました。木曜日の山歩きは山に登るのは無理でしたが、仲間と麓歩きをしました。
週末、私たちは仲間の夫婦と昼食を一緒にしました。4人で会話とおいしい食事を楽しみました。
日曜日はいつもののマラソン練習、まだ本調子ではないので、仲間の後を軽く4,5キロ走りました。
国税局に今年の家屋税に関する質問をしに行きました。
そして先月と同じように頼まれて「マプチェの講義」をしますが、その練習を毎日しています。

夜、ベッドに入って、今日も面白かったと毎晩、幸せを感謝しています。

(政治)

1)ボリッチ動向
 新大統領が就任しました。今までなかったことですが、その日、彼はネクタイをしめませんでした。
 隣州バルパライソの国会議事堂で就任式をしてから、首都に戻りモネダ宮殿に入り窓から外の聴衆に就任後の最初の演説をしました。
 宮殿前の憲法広場のあふれるほどの聴衆がそれを聞きました。約半時間のスピーチでした。
 なかなかの出来です。彼の4年間がどんな風に進むかドキドキします。汚染で苦しんでいる町の名前を上げ、大気汚染を即時抑えることにしたいとコメント。素晴らしいですね。マプチェに関しては軍隊を出して抑えるのが究極の政策ではないだろう。彼らもチリの国民だから、彼らを助ける方向にしなければいけない。
 経済に関しても全体が上向きになるべきで、一部の人間の懐を考える政策はとらない。超富裕層からの税金を上げ貧困層の援助に充てるのは当然だろう・・・・さぁどうなるかな?

 就任式の翌日、カトリックの大聖堂のミサに出席しました。カトリックは近年のスキャンダルで国民の信頼を失っていますが、新大統領としては表面は今までどおりに頭を下げるのでしょうね。
 その式典の後、ボリッチは年少児暴行事件で訴えられている神父がそこに参加していたことを取り上げ、厳しいクレームをしました。被害者の声を聞くつもりはないのか、組織として反省はないのかと言うわけです。

 さて就任式に参加した各国首脳の中で、アルゼンチンの大統領が彼を4月に招待しました。そして必要なら天然ガスをチリに 輸出すると提案してきました。アルゼンチンはチリより政治・経済ともに厳しい状況です。
 日本の小田原外務副大臣がボリッチに会ってポケモンのプレゼントをしたら喜ばれたとニュースになりました。

 さて、ボリッチ政権の問題点として、政権内の意見の統一があげられています。共産党新左翼でしょう。そして新憲法 委員会とどう接触していくかも注目されています。政策としては移民・マプチェそして麻薬対策をどうすすめるかが課題です。ピニェラは最後の時期、ほとんど有力な手を打てませんでしたから。
そのマプチェの件ですが、彼は軍隊で地区を抑えると言う方針はとらない。来週、内務大臣を派遣し、マプチェ側、被害者側の双方と会議し、段階的に軍隊を引き揚げることにしたいとしました。
全く逆の動きですが、今日、テログループの攻撃が記録されました。
さぁどうなるかな。
2)ピニェラ動向
 任期の最後の週を何とか過ごしました。最後の市民調査で彼を支持するは24%、不支持は71%でした。
 3月8日の国際婦人デイをモネダで祝いました。その日、チリ各地で街頭デモがありました。大きな混乱は無かったですが。
 新陸軍長官の就任式に出席しました。新長官は陸軍の恥になるような事件が二度と起こらないようにするとコメント。
 当然ですね。
  そしてピニェラは全テレビ局を通じてお別れの挨拶をしました。私はそれを見ましたが、なんだか、一生懸命やって来たのに運がなかったと愚痴をこぼしているように聞こえました???
 共産党の幹部が今回のピニェラ政権は歴史上最悪のものだとコメントすると、それに対して「いや違う、最悪の政権はアジェンデのそれだ」とするコメントが新聞に掲載されました。
 確かにボリッチが鉱山の国有化を図ってアジェンデのコピ―になるのは止めてほしいですね。


 さてピニェラはこの週末、家族とともにパタゴニアに行くらしい。トレス・デル・パイネの山を見ながら散歩するのでしょうか。休暇が終わって戻ってくると、彼の持っている幾つもの機関の幹部として働くのでしょう。

今週の大統領府の広報はこの二人を現職・前職ではなく「大統領」として取り扱いました。

(経済)

1)銅価格と為替
 月曜日銅の価格は1ポンド当たり4.87ドルと過去最高を記録しましたが、次の日から落ち込み金曜日は4.6ドルと先週とほぼ同じでした。これはいつも思いますが、誰かの投資の対象になっていて、銅の需要供給の値段が上下するのではないのでしょうね。
為替もいつものように上下して1ドル806ペソで終わりました。
銅価格と同じように原油価格も高くなり、ガソリンの値段がどこまで上がるか予想も出来ません。
2)物価上昇率IPC
 2月の数字は0.3%、過去12か月は7.8%。これは過去13年で最悪の数字です。
新聞にロシアのウクライナ侵入でチリ経済に与える影響として食料品・ガソリン価格の上昇からインフレが一層ひどくなると書かれています。そしてそれが経済成長率を低くすることも考えられています。
3)最低賃金の上昇
現行の最低賃金は35万ペソで、その期限は5月1日です。それではその次の日から最低賃金はどこまで上がるのでしょう。
40万ペソと言う予測と50万ペソまで上がると言う見方も出ています。
1900年は26000ペソ、2000年は10万ペソ、2010年は17200ペソと少しづつ上がってきましたが、この10年は急上昇です。

(一般)

1)コロナ問題
 毎日15000人ほどの新規患者が出て、陽性率は17%くらい、一向に良くなりません。
 それでももうコロナの問題は以前の様に大きなニュースにはなりません。
4回目の接種を終えた人は150万人。人口の8%までいったとか。ワクチンは順調に到着しているようです。
2)学校
 新学年が始まりました。通常なら生徒の参加率は病気・怪我の子供を除くとほぼ100%ですが、今年は80%弱とか。
 親か子供が、学校での授業を嫌がる・もしくは反対するのでしょう・・・・。
 新政権の文部大臣は学校に行くことを強制させてはいけないとコメント。学校で授業を受けるのが通常とする
 私の感覚とはかけ離れた大臣です。
3)ウクラニア問題
正常化が全く進んでいないように見えますね。今週、そこから脱出した2人のチリ人が帰国してきました。
日常生活が壊滅したとしています。無事に帰国できたのは幸運ですね。

(スポーツ)

1)サッカー
人気3チームの結果は最近優勝が続いていたカトリカはまた負けて3連敗。もうどこにでも負けると言う雰囲気。コロコロは明日の月曜日に試合。チリ大学は自分のサッカー場がないので、この週末の試合を実施できるところがなく延期になりました。この結果、リーグ戦の首位はニュブレンセ、次いでコブレサル、3位はクリコでした。
この先、大混戦が続きそうです。
チリの1部リーグでプレーする外人選手の分析で、大半がアルゼンチンでした。なんと54人(63%)、2番目がウルグアイ17%。ブラジルはわずか2%でした???


以上