チリの風 その1028 2023年1月23日ー29日

日本は極寒と言われるほどの寒さのようですね。サンティアゴの夏はそんな極端な暑さではないですが、週末は35度まで上がりました。
もちろん厳しいですが、公園に行って木陰のベンチに座ると汗が引いていくほど気持ち良いです。

来月の登山教室の目的地はアポキンドの滝です。最長の7時間コース。学年の最初の4月は2時間コースから始め、それが少しづつ長くなったわけです。今週、その滝コースの途中まで5時間歩きをしました。折り返し点で、木陰があったので少し横になりました。ウトウトはしませんでしたが、気持ち良い風が吹いてきて最高の気分でした。
もちろんマラソンもいつもの通り、週日一人で10キロを走り、日曜日は仲間と練習です。
それから大使館に行って在留証明書を発行してもらいました。そこで私が以前チリの会社に働いているときコンタクトがあった日本人に偶然出会いました。
彼は20年ほど前にここで働いてから日本へ帰国、最近、再着任したのです。世の中狭いですね。
もちろんその他に毎日何かすることが入って楽しく忙しくしています。今週も毎日幸せでした。

(政治)

1)ボリッチ動向
彼の好きな外遊ですが、今回は隣国アルゼンチンに飛んでラテンアメリカ・カリブ諸国共同体首脳会議に出席しました。
この会議に関し、二つの話題があります。
会議の前日にブラジルの新大統領ルラがアルゼンチン大統領と面談し、欧州のように南米でも各国が政治経済で同盟国として合意できないかとしました。
なんでも両国はその前段として共通のお金を使用する計画があるとか。チリではすぐにその共通通貨には入らない方がよいと言う意見が出ています。
もう一つは会議の席でボリッチがペルーを厳しく批判しました。「最近2か月近くで政府とデモ隊が対立し、すでに50人もの市民が死亡している。政府は彼らを保護するのが役割で殺すのは認められない」3年前にチリで社会騒乱が起きたとき、ボリッチとそのグループは大規模なデモを計画・実施しました。それを警察が抑えようとすると、彼らは警察は市民に暴行を加えるのが仕事と考えるのかと厳しく批判しました。その彼が大統領になると犯罪グループを抑えるのは警察の力が必要と大きく考え方を変え、警察を自分の懐の中に入れました。それがまた国際会議で昔の考えを取り出したわけです。ペルーは苦々しい思いですね。そのペルーの前大統領カスティジョは議会から捕捉される前の週にモネダ宮殿を訪問し、ボリッチと話し合っています。その時ボリッチは、「君のためには何でもやる」と言ったのでしょうか?
そのほかにベネスエラを取り上げ、同国の正常化をここで取り上げようとしました。他国のことにそれほど口を挟めるのと言われています。新聞に掲載された識者の文では大統領と言うより反体制グループの人間のコメントの様だと厳しい批判になっています。
その後、彼はサンティアゴに戻らず南のアイセン州に行き、同地区の市村長と会談し、同地区の道路の舗装と病院の建設を約束しました。
それから外遊の前に首都圏の地下鉄の現場に行って2号線の延長を確認しました。これが完成すると首都圏の南部に住む人は、今まで中心街まで2時間かかっていたのが30分で到着できるとか。素晴らしいニュースですね。
さて明日の月曜日、ボリッチはウクライナのセレンスキー大統領と電話会談するとか。励ますだけなのか、具体的に何か援助をするのでしょうか?彼の外交観がおかしい(怪しい)のは先の国際会議で証明されていますけれど。

ところでウクライナ問題から第3次世界大戦の可能性が出ていますが、もしそれが起きたとき、その状況の中で直接・間接の状況で安全と思える5つの国の名前が発表されました。1位はツバル、2位はアイスランド、3位はニュージーランド、4位はカナダ、そして5位は何とチリでした。どこまで当たるか分かりませんが、ほかの国より安全と考えられるわけですね。


法務大臣の国会での議論は先の社会福祉大臣のケースと同じく罷免することにはなりませんでした。与党と同じく右翼の野党も内部分裂が明白ですね。
その前大臣は先の恩赦に関して責任を問われたわけですが、私はもちろん彼女ではなくてボリッチの責任と思います。

ところで外務大臣が仲間と話してるのが録音され、それがなぜか外にもれました。どこかの番組でその外務大臣を罷免すべきとコメントされています。
モネダ宮殿の政府内で混沌・不信があふれ、それをコントロールできないとされています。悲しい実情です。来週はどんな問題が発生するのか心配ですね。

新聞の政治漫画ですが、ボリッチが監督でサッカーチームを率いています。彼は部下の選手に、「違う。逆の方向に攻めるのだ」と叫んでいます。
これって冗談ではなく本当なのでしょうか?

そして新憲法委員会の「識者委員」を選ぶ選挙に各党が候補者を出しました。そこから新委員を選ぶわけですね。元大統領のバチェレットの名前も挙がっています。世論調査の組織から私に電話が入り、3月の選挙にどのグループに投票しますかと聞いてきました。

民間健康保険イサプレは国との話し合いを止めたとか。もう裁判所ではイサプレに不利になる結審をしていますから、裁判所・政府とコンタクトしなければつぶれるのを待つと言うことでしょうか?不思議な気がします。政府は与野党議員を招待して対応策を検討するとか。

(経済)

1)銅価格と為替
 1ポンド4.21ドルと先週とほぼ同じの高値安定。1ドルは803ペソとペソ高が続いています。
 中銀は公定歩合の維持を発表しました。これを下げるとまた消費が増加し、インフレ問題が再燃するだろうと言うわけです。

 さてユーチューブでラテンアメリカの20の貧困国と言うのを見ました。もっとも貧しいのはハイチです。暴力グループの反政府運動が連日激しさを増していますが、同政府は武器を購入して警察に渡す金がないとか。チリにそのハイチから多くの移民が来ています。
そして中米の国が続き、チリは最下位の20位。つまり一番貧しくない国でした。私がチリに入国した1979年の軍事政権のころは貧しい国の上の方にありましたが、民政化してから少しづつ上がってきたわけですね。
2)サーモン
チリから世界75か国に輸出されています。主な輸出先は日本・中国・アメリカ・ブラジルです。
鮭と鱒で75万トンと前年より27%アップし66億ドルの売り上げでした。
しかしその数字はコロナ問題前の2020年には追い付きません。

(一般)

1)外国の犯罪グループ
その中で一番勢力があるのは「アラグアの汽車」と呼ばれる外人グループですが、今週そのうちの18名が逮捕されました。
1名だけコロンビア人で、それ以外はベネスエラ人でした。
刑務所に入れるより国外追放の方が良いと思いますが、どうかな?
2)コロナ問題
一日当たり2300人が最高で、感染率は一日10%以下です。低め安定ですから、もうテレビのニュースにならなくなりました。
3)山火事
 各地で山火事は継続ですが、前年対比、同時期で火事の数は5%アップですが、焼失した面積は39%アップと、火事の規模が大きくなっているのが分かります。
4)超過重問題
チリ人は飲みすぎ食べ過ぎで体重が増えると言われますが、どこかの国際調査でチリは人口の63%が肥満で、世界で34位でした。世界の平均は39%の人が超荷重です。つまりチリの肥満度は世界の2倍です。アメリカはもっとひどいとか。
5)マプチェ問題
軍隊を入れて警戒をすると言う体制をとっていますが。その結果として昨年は事件・犯罪が前年対比40%下がったとか。確かに効力があるわけですね。
6)イタリア広場
デモ隊が集まって暴動騒ぎと言うのが、今まででしたが、サンティアゴの中心地のそこでベートーベンの第9交響曲が演奏され、広場にあふれるような数の観衆が音楽を楽しみました。6000人と言われます。珍しいですね。チリも正常化してきたのかな?

(スポーツ)

1)サッカー
国内リーグ戦で2試合目が行われました。人気3チームの結果はコロコロは負け、チリ大学・カトリカは勝利でした。
それでカトリカは2連勝で首位、コロコロとチリ大学は1勝1敗で中位をしめています。


以上