チリの風  その1081     2024年1月26日ー2月4日

先週は最高気温30度の日が続きましたが、今週は何とそれが35度にまで上がりました。先週の最高気温は36.7度、今週は37.2度でした。
雨はもう長い間降りません。そしてこの暑さがまだ続きそうとか。その暑さは老人には厳しいと言われます。
と言いながら、私は今までと同じような毎日を送っています。
スポーツはマラソンが3回、登山は1回、第4展望台に。それに丘歩き一回。ほとんど毎日、朝早く気温が上がらないうちにスポーツです。
もちろん、原稿を書くのも続けています。それから昨年はあちこちで講演をさせてもらいましたが、今年も同じ機会がありそうです。
さぁ来週もこの暑さに負けずに元気な毎日を送れるかな?

(政治)

1)ボリッチ動向
バケーションから戻ったボリッチはすぐに月曜日に南のチロエ島に飛びました。あちこち回って島民とコンタクトしました。3日間もその島に滞在です。
現地の学校で、この校舎の増改築をして皆さんに喜んで勉強してもらいますとコメントしました。
本土と島を結ぶチャカオの橋の工事がまだ完成しませんが、ボリッチにがんばってほしいものです。その島にある幾つもの教会が世界文化遺産になっていますが、建設されて百年をはるかに超えてしまうと一部で破損が起きています。その補修工事を始めてほしいと言うコメントがでています。ボリッチ頼むで。

さて、彼は現在三つの問題を持っています。まず増加していく犯罪をどのように抑えるかです。その他には二つの不正事件があります。政府の貧民家屋援助金を不正に抜き取った新左翼系グループを明確にして裁判にかける。最後は4年前の社会騒乱の時の負傷したデモ隊員に出している特別年金が不正に使用されていると言うものです。
まず犯罪を抑える件に関し、政府は与野党のすべてに犯罪削減委員会を設立しようと持ち掛けました。これは野党系の区長(市長)が政府は犯罪を抑える動きをしないとクレームしているからです。すでにあちこちから警察が犯罪を抑えきれないなら軍隊を使用すべきだとされています。ただ与党の共産党は意味もなく軍隊を政治的に使用するのはいかがなものかと党の体質をはっきりさせています。新聞にボリッチ案は左翼右翼の違いを超えた合意点が見込まれるから有効だとされています。どうなるでしょう。
新左翼の不正事件に関してはボリッチは裁判所に任せると自分の意見を出していませんが、もう一つの社会騒乱の特別年金では20数名の受給者に関し、年金受給資格はないとし、権利を取り消すようです。遅かったけど正常化ですね。ついでに何故それらの資格のない人に特別年金を出し始めたのかをはっきりさせれば、次回のエラーが防げると思います。もっともその社会騒乱が起こったのはピニェラの時代だから、特別年金の問題も彼の責任だと言う意見もあります。社会騒乱の問題ではなく特別年金の問題なのですが、左翼の中にはピニェラに責任を取らせようとするのでしょうか?
2)地方選挙
先週予想したのと同じことが起きています。共産党社会党を批判しました。それは首都圏の共産党員のサンティアゴ区区長が再選を狙っているのに、社会党が自分たちの候補者を応援し始めたからです。社会党にすれば当然の権利ですが、共産党にすれば嫌がらせになります。もちろんもっと続きますね、これから。
それには関係ないですが、元大統領のラゴスが引退を発表しました。元大統領の中でもかなりの重鎮で影響力も持っていました。疲れたと言うよりもう飽きたのでしょうね。彼がピノチェットをテレビカメラの前で批判したのは驚きました。殺されると思ったからです。しかしそのころと比べると同じチリでもわずかの間にイメージは大きく変わりました。ピノチェットの時代は自由・希望は無かったけど、犯罪もほとんどなかったですからね。

(経済)

1)経済成長率
中銀発表のイマセック指数は、昨年12月は予想より低いマイナス1%となり、2023年通算では0.2%のマイナス成長になりました。何とかプラスで終わらせたいと言われていましたが、残念、マイナス成長でした。
2)失業率
昨年の第4四半期の失業率は8.5%と前年同期より0.6%アップでした。まだ苦しい実情が改善されません。
3)銅価格と為替
銅価格は3.83ドルと先週とほぼ同じでした。ただ為替は1ドル928ペソとペソ安になっています。中銀の公定歩合の動きが関係しているのでしょうか。

(一般)

1)山火事
先週の予想どおりこの週末のテレビのニュースの中心は山火事でした。
首都圏の隣のバルパライソ州は7か所で火事が起きました。家屋の火事も3千軒になり、その中で1300軒が全焼です。死亡者が百名も出ました。さらに行方不明が300人もいる由。明日になれば死者数が増えて行方不明の人が減少でしょうか?さてその火事の多くが放火と思われています。もう一人逮捕されたらしい。しかしこれだけの大火事の多くが放火とはなんと悲しい事実でしょう。
同地区では夜間外出禁止令が出ました。昨日に続いて今日もですが、夕方6時からです。観光地のビーニャの海岸には多くの観光客が来ていて、6時になっても引き上げない人をそこを管理する海兵隊が注意をしていました。
それからオヒギンス州でも山火事が大変です。ラ・エストレジャで1540ヘクタールが燃えています。ナビダでも400ヘクタールとか。
もちろんそれ以外の州でも山火事は出ています。
ボリッチは「これだけの被害が出たのは2010年の大地震以来のことだ。被災者の援護を全力でしたい。」とコメントしました。

全然関係ありませんが、金曜日の夜にパソコンに向っていると部屋がかなり揺れました。地震の前兆でしょうか?
 
2)犯罪
週末の新聞の特集記事でラテンアメリカ諸国の犯罪の増加が書かれました。チリだけではないわけです。各国が問題を抱え、それを軽減しようとしているわけですが上手くコントロール出来ないわけです。中米で一番安定していると言われるコスタリカで昨年は10万人当たり17.2人の殺人があり、過去最悪の数字とか。
社会騒乱の時はボリッチのグループは警官を嫌っていましたが、今は警官の活躍を望み、更にそれで十分でなければ軍隊を出すことになりそうです。
ボリッチが住んでいる家のそばでデモが起きました。その地区で犯罪が増加していると言うわけです。大統領の居住地区なら警察の警戒があるので犯罪は減少すると思われますが、現実は違うのですね。

(スポーツ)

1)サッカー
パリオリンピックの南米予選で、チリはアルゼンチンと対戦し、0対5の惨敗でした。これでオリンピック参加の夢は消えました。
参加の10チームが2組に分かれ、各組の2位までが決勝トーナメントに出ます。その4チームはチリが入っていたグループからはアルゼンチンとパラグアイ
もう一つの方はブラジルとベネスエラでした。チリがアメリカ杯で優勝した事もあるのですが、今はグループの下の方に落ち込んでいますね。

以上