(経済)

1) 経済成長率
4月の段階で今年度のチリGDPは5.1%が見込まれていましたが、最新の8月での見通しは4.2%と約1%のダウン。
頼みの綱の鉱山関係ではコストの増加、エネルギー源確保の問題、ファイナンス問題が原因となり生産増加計画を達成できない、また新規事業が始められないようになっているらしい。もっともそれはチリだけの問題ではないでしょうが。 銅の価格は3.3ドルとけっこうな値段が続いています。
2) ランチリ問題
これは経済の問題か政治の問題かわかりませんが、アルゼンチンで営業するラン航空がブエノスアイレス空港の車庫の使用権を取り上げられそうです。契約期間はまだ10年以上あるのにアルゼンチン側はランチリに10日以内に出て行くよう命令を出しました。ランとしては裁判所、またチリ政府を通じてアルゼンチン政府に解決要求を出していますが、見通しは不明。チリを訪問中のアルゼンチン外相にチリのモレノ外相がこの問題を持ち出しましたが、一私営会社の問題に口は挟まないと介入を拒否されました。
飛行場に整備工場を持たないと運営できませんから、ランはアルゼンチンから撤退を余儀なくされますが、アルゼンチン国内便の3分の1はそのランですから、同国内の移動に大きな影響が出るのは疑えません。ランはブラジルのタム航空と合併して現在はラン・タム航空になっていますが、アルゼンチン関連の営業比率は総売り上げの15%くらいとか。
しかしアルゼンチンは契約を守らず無理難題を吹きかけてきますね。以前、政府間の契約のあった天然ガスの輸出を理由なしに止めたこともありますが、悲しい歴史の繰り返し。
3) チリペソは過去6ヶ月で対ドルは7%の切り下げ。今週は1ドル510ペソでした。一番切り下がった通貨はブラジルのレアルで17%、アルゼンチンのペソも11%下がっています。