(政治)

1) 大統領選挙
候補者の受付が締め切られました。何と史上初の9名が立候補。誰でも立候補ができると言う感じかな。人気から言うと上位はバチェレット、マテイそれにマルコ・エンリケ・オミナミの順です。
テレビの討論番組にはその9名が並ぶわけですが、2時間の番組の中で白熱の議論はありえませんね。誰が何を言ったか覚えるのも難しい。どう考えても9名は出すぎ。敷居が低すぎるのかな?ところで受付が締め切られた後にその9名の詳しい履歴が新聞に出ません。何でかな、不思議な気がします。バチェレット側は政府の選挙への介入を批判しています。バチェレットが地方周りをすると各地で反バチェレットの動きがあり、それは各地の役所が仕切っているというもの。政府側はバチェレット政権のときも同じことがありましたよとコメントしています。
2) チェイレの辞任
ピノチェットがチリの4軍(チリは陸海空に警察軍が加わった4軍体制)を代表して軍事革命を起して40年たちました。テレビの番組で「アジェンデ政権の千日」と言う番組がありますが、その頃のチリは確かに遅れた感じがぬぐえません。もっとも日本も40年前はかなり遅れていましたね。
軍事革命の正当性が討論される限り、チリの正常化や近代化は遅れると言われますが、自分は左翼と思っている私でも、アジェンデ時代の状況は正当とは思えません。
その頃にあった、労働組合が会社を占拠し、社長を締め出すなんてことが想像できますか?
私はチリでタイヤの仕事を30年間しましたが、昔、北部の最大手バス会社の社長から、「昼食を取って事務所に戻ってくると扉が閉まっており、開けろと怒鳴ると、中からこの会社は今から労働組合が管理すると回答があった」と聞いたことがあります。警察に訴えても、それは会社内のことで警察は介入できない・・・本当の話ですよ。
さて先日のチリの風にアルゼンチンに逃げたチリ左翼夫婦の悲劇が出ましたが、今週、逆にアルゼンチンからやってきた夫婦が、チリで軍に追われ行方不明になった問題がでました。政府の公式発表では二人は逮捕を逃れるため爆弾で自殺したとなっていました。その夫婦の子供は教会に預けられたらしい。その子供が自分の親は自殺したのではなくチリ軍隊に殺されたと訴えたので、調査がおこなわれ、最終的にそれが認められチリ陸軍の兵隊が何人か有罪になりました。その頃、その部門に中尉として働いていたチェイレは後に出世して陸軍長官になりました。彼は軍のトップにあるとき、これまで軍が犯した過ちを認めざるを得ないと自己批判して注目を浴びました。それまでのすべての長官は、左翼の過った動きに軍は対応したのみとしてきたので奇異な感じもするほど。 ところが、その被害にあった子供が(今は中年ですが)下級兵士だけでなくチェイレにその殺害事件の指揮責任があると訴えました。チェイレは陸軍を退役した後、現在チリ選挙管理委員会トップの重職をしています。彼はその問題に関し、下部から受けた報告書では二人は自殺となっており、自分はそれを信じていたと当初は譲りませんでしたが、度重なるプレッシャーに、最後はその職を辞任し、委員会の1委員に降りました。やっぱりまだ何か隠しているのでしょうね。  週末に先年、警察と対決して射殺された青年を記念した日に、公共バスが2台、火炎爆弾で燃やされました。こんな事故が9月11日まで続くのでしょうね。