パッとしない晩秋の雰囲気が続くサンティアゴです。木曜日の気温は最高最低が13度と8度でした。日曜日の朝、雷の後少し雨が降りましたが、午後は太陽が出てうれしかったです。
自宅待機令が出ていますから、部屋の窓から外を見ていますが、週日・週末とも歩行者は少ないです。道路を挟んだ向こう側にある薬局の外にほとんど毎日数人が並んでいます。中に入れるのは一人だけだからです。そこに警官が来て外出許可証を持っているかどうか調べ始めました。警官がノートに何か書いていましたが、多分、その人は許可証を持っていなかったのでしょう。罰金ですね。
私は週に2回買い物に出ますが、もちろん携帯電話にその許可証を入れて出ています。
いつまで続くのかな、この状況。でもしかたない、部屋の中でのんびりした毎日を楽しみます。近くにマンションがいくつかありますが、すべての部屋で、大人、子供、老人がひっそり生活しているのでしょうね。
(政治)
1)ピニェラ動向
ピニェラはテレビカメラの前で現在のチリはコロナウィルスと経済危機の二つの重要・緊急課題を持っていることを強調し、
そのため国民の団結が必要としました。
政界にも与野党の差なく話し合いたいと提案しました。これを受け、政府側と与野党代表がテレビ会議をして2週間以内に
共同合意案を出すことになりました。
IMFの予想では今年のチリのGDPは今まではマイナス4.5%でしたが、それがマイナス8.5%まで下がる可能性があると
されました。
ただ必要ならチリには239億ドルの貸し付けが可能としています。
先週から250万個の段ボールに入った食料品を家庭に配る作業が始まっていますが、1週間で15万7千個しか行かず、
いったい何時になったら作業が完了するのでしょうか? ピニェラはこれから作業を迅速に進めるとコメントしていますが。
嫁さんの友だちの家にこのダンボ―ルが着き大喜びしたとか。
それから低所得層に特別援助を提供しますが、収入が38万ペソ以下の人に最低30万ペソを援助するとか。ちゃんとその人の所に
届くかな?
2)国会
議会で最大回数など再選条件を決めたようですが、若手はともかく、古手の議員は即座に自分
の身に降りかかる火の粉ですから右翼も左翼もいろいろ条件を付けるでしょうね。
給与を下げる案も同じでしょう。
3)マニャリッチ厚生大臣の失言
その1「私たちがやっていることはトランプで城を作っているようなもの」
これは正解かな?
その2 「こんなにチリで貧富の差がひどいなんて」
せっかく自宅待機令を出しても東部の地区は住民の動きが50%以上少なくなっているのに、
中部・南部地区では15-20%しか減少していません。その地区の人は自宅待機を守っていない
わけです。おっちゃんが「私が市場の手伝いをして毎日日銭を稼がなければ、子供の食事が
用意できません」とコメント。
病気に感染したことが分かっても15%の患者は仕事を続けているとか。
警察のコントロールでコロナウィルスの感染者リストに入っている人が車を
運転していて拘留されるケースも出ています。
野党からマニャリッチのこの発言に関し大臣になった人間がチリに格差があることを知らなかったの
かと厳しい批判が出て、ピニェラに彼を罷免する要求が出ました。
まだピニェラの信認はあるようですが、いつまで続くかな?
4)アルゼンチン問題
アルゼンチン政府はコロナウィルスの現状として自国とブラジル。チリなどと比較する表を
作りましたが、そのチリの数字がまた実際より多いものでした。もう2回目ですから、単なるエラーでなく
意識的に自分たちの方針はブラジルやチリより優れているとしたいのでしょうね。
大統領が少し前にチリの野党とテレビ面談をして励ましましたが、チリの左翼を助けるより自国の財政破綻のことを
考える方が大事なのではないでしょうか。
(経済)
1)失業率
2-4月の失業率は1982年以来の悪い数字の9%と発表されました。特にひどいのは青年層で21%。
ところで、首都圏の場合4月は15.6%とか。全国平均の数字は2-4月ですから、毎月悪い方向に数字が
上がっていくのは明白です。もうどうしようもないと言う状況です。
2)ラタム航空の倒産手続き
ラタムはアメリカで倒産要請の11条を申請しました。
まだ倒産を宣言したわけでなく、緊急事態なのですべての提案・援助を受けると
いうもの。それが機能しなければ倒産になります。何と21億ドルの損失とか。
チリのランがブラジルのタムと組んでラテンアメリカの最大航空会社ラタムになりましたが
ここに来てその規模の大きさが逆効果になったわけ。チリ政府は何らかの手を打つのでしょうか。
それほどひどくはなくても乗客がほとんどいないバスや地下鉄も危機的状況でしょうね。
3)銅価格と為替
銅の価格はポンド当たり2.45ドルと上昇、為替は1ドル813ペソでした。
(一般)
1)コロナウィルス
国際機関が南米でコロナの影響がひどいところとしてブラジル、ペルーそしてチリを名指しました。
そこまでひどい状態になっています。このままの状態が続くと、2か月後の8月4日に10万人当たりの死亡者数は
チリは66人、ブラジルは64人、ペルーは58人になりそうとか。これはワシントン大学の推定数字です。
首都圏は完全封鎖され3週目に入っていますが、患者の数は一向に減少しません。それどころか上昇の極み。
患者総数は今日まで99688名。死亡者数は1054名。病気が治癒したのは42727名。
毎日患者数が5千人も増え、一日の死亡者が10名から、20名、30,40そして今週は50名まで急上昇。
もう救急車が患者を病院に搬入してもすぐに入院できません。首都圏から地方の州に多くの患者が輸送されています。
もっとも首都圏から患者を移送されたバルパライソの病院関係者が自分たちの所も精いっぱいやっているのに突然、
首都圏から患者を運び込んでくるのはいかがなものかとコメントしています。
空軍機で遠くの地区への輸送も珍しくありません。
それでも人工呼吸器は、今週も到着しましたが、まだ少しは余裕があるとか。
もっとも機械の問題は余裕があるとしてもそこで働く医師、看護師の人の問題は大丈夫かな。毎週続けて
週に7日も働けるわけはありませんね。厚生大臣も週に7日、働いています。いつまで体力が持つかな?
今週は、その部門で働いていた医師が死亡しました。国会議員、そして公共省大臣が発病しました。
それから首都圏の死亡者の22%が老人ホームの住人だったと言うのはショックなニュースです。
クルーズ船の場合と同じで人が集まっているのが問題を拡大するのですね。
そんな中で秘密クラブとかパーティをするグループがいて病気の拡大が止まりません。
2)移民の問題
今までのボリビア・ペルー・べネスエラに今週はコロンビア移民も加わって、自国の大使館の前にテントを張って座り込み、
帰国の援助を求めています。
昨年まで、チリの景気が良かったころ、チリに行けば新しい人生が始まると合法・違法の移民が大挙して100万人を
超える人が詰めかけてきたわけですが、今年に入って風が変わり、仕事がなくなってしまいました。
移民の半分が困っているとすると、1万人や2万人の問題ではないですね。それでその4か国の大使館は自国の移民難民
と対話をしないのでしょうか。それにしても4か国の大使館が全部、扉を閉めていると言うのは異常ですね。
以上