(政治)

1) バチェレット大統領
公務員の賃上げの件で、国会で投票がありました。政府案に対し、全員反対、賛成票はゼロでした。しかし、野党が政府案を否定すると言うのは理解できるが、与党側の議員が全員反対なんて。おばちゃんどうしてるんかな?
もう政府と与党の関係は破滅ですね。与党側はバチェレットが無能とは言わず、大蔵大臣が世間を見る目がないとしています。それならバチェレットが彼を入れ替えれば終わりです。
しかし3.2%と言う物価上昇率ほどの賃上げが精一杯と大臣は言い、それでは誰も満足しないと議員が反対。無い袖は振れないと言うのは世界共通でしょうが、チリの国会は違うわけです。                        チリの国会議員はラテンアメリカで第2位の高給と発表されましたが、彼らの給料を削ればよいのではないでしょうか。バチェレットはそれに関し表舞台に立って自己批判するとか、各党の党首を批判するとかしていません。
彼女のしたコメントはそれとはまったく別で、テレビのニュースで「みなさん、もっとスポーツをしましょう。健康を保ち肥満症などの病気を抑えるのは運動です」 
その意味でも今週の日本人学校の運動会、良かったですね。  ところでバチェレットはそのコメントを自分にも言わなければだめですね。あまりに肥満症ですから。
今週発表の世論調査でバチェレットを支持する層が少し増加し24%に、拒否するが71%と少し減りました。こんなおばちゃんに少しでも人気が戻ってきたなんて。不可解ですが、数字はそれを示しています。
半年ほど前、雑誌に彼女の息子夫婦が起こした不正事件のカバル社問題が書かれました。彼女はそれを認めず、大統領ではなく個人として裁判所に訴えました。ところがそれを先日、取り消したので、裁判所はそれまでにかかった費用約2百万ペソを彼女に支払うよう指示を出しました。
結局雑誌社の言い分が勝ったわけですね。 
その裁判の原因になった息子の妻が、彼女は国外出国を認められていませんので、アメリカに行けるよう特別処置を願いたいと依頼しています。アメリカに出てもうチリには帰ってこないのかな?
2) キリスト教民主党DCに続いて、弱小党のラディカル党も政府との関係を凍結すると発表しましたが、それは長くは続かず、国会の最低賃金法案否決をどう取り扱うかと言う特別会議に両党とも出席しました。
世論調査で次の大統領選の候補者として浮かんでいるのは野党のピニェラと与党では社会党の元大統領ラゴスとラディカル党推薦の元TVキャスターのギジェルですが、ラゴスの古いイメージが人気を落としています。このため彼を推すはずの社会党の議員がギジェルに接近中とか。勢いのある方に引きつけられるわけですね。どうなるかな? 
 そのラゴスはもう一人の候補者、社会党党首でアジェンデ元大統領の娘のイサベル・アジェンデ社会党からは一人だけ、つまり彼を候補者に推せないかネゴしたらしい。それをイサベルが公表しました。ラゴスは二人の間の会話を公表するなんてとクレームしています。イサベルはラゴスでなくギジェールを応援するかもしれません。
3) 年金デモ
現在の年金システムが始まったのは1980年の11月。軍事政権の時です。ピノチェットの作ったシステムなんか使いたくないと共産党系が言ってもあまり意味がない気がします。 このシステムは世界的に優れていると国際機関が認めているわけで、共産党は時代遅れと言うのはソ連の崩壊からはっきりしています。IMFもそれについて改革・改善するのは理解できるが、基本は変更しないよう勧めたいとしています。
この金曜日のサンティアゴの年金反対デモで市内バスが2台火をつけられ全焼し、さらに道路が封鎖され大きな交通渋滞が発生しました。
バチェレットは新法案で年金額のアップを捻り出そうとしています。そしてこれを最優先項目と言っています。
この反年金グループはこれから年金とTPPに反対し学校占拠を実行するとか。全く意味が分かりませんが??      
さてバスやトラックへの放火はマプチェ地区では日常茶飯事です。今年に入って放火事故は91件、機械への放火が27件、教会への放火が18件、そしてそのほかです。政府の無能ぶりは目に見えています。もしくは取り締まるつもりが無いのでしょう。しかしこの二つの放火犯罪は理由がはっきりしています。政治的示威行為です。
分からないのはプンタ・アレナスの車の放火事件。今週もありましたが、今年に入って30台が全焼。何を目的に放火するのでしょう。