(政治)

1) 動き
今週は目につく大きな動きはありませんでした。しかし与党内の結束の乱れは顕著です。
その2つの例ですが、検察のトップを選ぶ手続きと国立監査委員会のトップを選ぶ手続きが遅れています。政府が選出した人間が国会で認証されない可能性があり、国会対策が急がれているからです。監査委員会の件では政府が推薦する人間に問題点がありました。彼は大学院で勉強した時に奨学金を受けながら、それを未だに返金していません。長い間、政府機関の上層部にいて、良い給料をもらっていたのに恥知らずにも返済を遅らせていた様子。結論は簡単ですよね。全額支払ったら候補者にすると決めれば1分で片が付きますね。 検察関連の方も候補者の中からバチェレットが来週中に一人選出し、それを国会に送る仕組みですが、政府選定の人間が国会で承認されるかどうか疑問視されています。つまり両方とも与党内で政府案を承認しない議員がいるわけです。
もっとも先の地震・ツナミの被災地援助から国民のバチェレットを見る目が良くなり支持率は25%、不支持は70%と先月より若干回復です。まだ不支持が圧倒的ですが。
2) 政治資金問題
現在、政治家の中で最も市民の人気の高いのが与党グループに入っていないマルコ・エンリケ・オミナミ(MEOメオと発音します)ですが、政治資金の不明朗から検察の訊問を受けることになりました。左翼系の国会議員が、これが裁判になる事態になれば、次回の大統領選挙で彼は私たちの候補者になる可能性は無いとコメントしています。
キリスト教民主党の党首は先のツナミ問題で疑問視されましたが、彼の選挙資金問題もかなり危なくなってきています。もっともバチェレットの息子夫婦も国会で継続審議されることになり、政府内にこの問題を闇に葬る動きをしている人間が見えてきたとか。ブラジルのおばさんもやばいが、バチェレットもそうなる可能性がありますね。
3) 政府機関のスト
刑務官と市民登録局の職員がストに入っていましたが、刑務官は合意に達したとかでストは中止。登録局の方はスト続行中でカルネ(身分証明書)やパスポートの発行が遅れています。ごく一部の職員は仕事を続けているので、前日から泊まり込みで順番待ちの人が長い列を作っているとか。
4) ボリビア問題
ボリビアの攻勢の前に、チリ側は防御態勢が出来ていなかったとか、情報の共有化に問題があったなど自己批判が出ています。ボリビア政府はチリの外相を招待し、ボリビアのテレビ番組に出るよう要請しましたが、彼はボリビアのラヂオ局を選び、討論場所をボリビアでなくチリとしました。ボリビア側はこれに大ブーイングを浴びせています。