(政治)

1) 憲法改正
全テレビ局の同時放送でバチェレットは憲法改正作業に入ることを報告しました。それによると現憲法は軍事政権下で作成されたもので現在の民主主義にそぐわないと考えられるとしました。国民がそれにどう関連していくのか(たとえば国民投票の実施。市民調査では63%がその国民投票を希望)などの詳細は逐次明らかになっていく模様。しかしこれって、日本の憲法問題とよく似ていますね。
2) 国会議員
今週は先週と違って盛りだくさんです。一番アホな話はこれで、下院議会で法案成立のための投票をするときに議員数が足りなく流れました。120名の議員の内、出席はたった34名。欠席に罰金を9万5千ペソ徴収するそうですが、欠席者の議員名をすぐに公表してほしい。次回の選挙でそいつらを落としたい。白紙投票も棄権もあまり役に立ちません。後援会を彼らは持っていますからね。有効なのは投票所でどの党でも良いから新人に投票することです。これできっと風は変わりますよ。私は知らないやつでも新人に投票します。
3) 数か月前にバチェレット政府に依頼された委員会が国民の信頼を取り戻すために政府・議会はなにをしなければいけないかと言う文章をまとめました。DC党議員のウォーカーはその委員長エンゲルは政治を知らない素人で、そんな委員長のまとめたものに意味があるのかと噛みつきました。同じ与党の社会党議員が「内容についてコメントするならともかく、彼が政治の世界を知らないと批判するのは全く許せない」と逆のパンチ。しかし与党側の分裂は目に余る。
それを聞いたエンゲルは憲法を改正しても議員の資質を替えないと国民の信頼は取り戻せないとしました。その通りです。
4) 監査庁のトップとして政府から推薦された人間が国会で否決されました。例の奨学金未払いの男です。内務大臣はバチェレットに責任がいかないように、彼を推したのは私ですとコメント。マスコミから「その人が国会で拒否されたら私は大臣の職を辞しますと言いましたね」と問われると、そんな大げさに言う必要はないでしょうと逃げました。
なんでもイエスと投票するはずだった議員が、裏切ったみたい。それは誰ですかと聞かれると、そんなレベルの話はしたくないとまた逃げ。それから医者の診断書を出して国会を休んでいた与党の議員が、それを無視して投票に来ました。内務大臣に泣きつかれたのでしょうね。しかし病気と言って休んでいる人間が投票に来れるなら、医師の診断書も値打ちが薄いですね。こういういかさまは過去にも何度か例があるみたい。内務大臣は次の候補者については口を割りません。
5) 検察トップ
検察トップのチヤウワンは最後のプレゼンテーションを行い、バチェレットはそれに参列して、彼の功績をほめました。 しかし、この1、2年ですね。検察がこんなにマスコミに登場するようになったのは。政治家と大手企業の癒着を問題にしたのが世間の注目を浴びるようになったポイントですね。もちろんバチェレットの息子夫婦問題もホット・ニュースです。バチェレットは自分の推薦する人間を国会に連絡、議員はそれを受諾するかの検討に入ります。監査で失敗したので、焦ったのか、名前を隠したままエクアドル訪問の旅に出、その後、候補者の名前が公表されました。まさか、最後まで迷って飛行機の中で考えたのではないでしょうね?
5名の候補者の中で有力とされた二人に国会議員はコンタクトを始めていました。まさか「今回は君に投票するから、いざとなったら私をしつこく攻撃しないでね」と言ったのではないでしょうね。ところがバチェレットが選んだのはその他のアボット。議員は来週、どう投票するでしょうか?
6) ボリビアの海問題
今週ボリビアのモラレス大統領は盟友のエクアドル、ベネスエラの大統領と面談。その席でマドゥロは「この先に君と一緒にボリビアの海で海水浴がしたい」とコメントして拍手を受けました。これについてコメントを求められたチリの外相は「すぐに海水パンツを買わないように」とアドバイス。 その後、バチェレットはエクアドル訪問が計画されていたので、この問題に関して、敵地エクドルへの外遊をキャンセルしたほうが良いか閣内で話し合われましたが、予定どうり外遊に出ました。
さすが政治家は顔を作るのが上手い。そういう状況だったにもかかわらずエクアドルのコレア大統領はバチェレットに会うと旧友を待っていたとばかり抱き合って、にこやかに面談に入りました。鉱山関係を主にしてチリとエクアドルの経済協力を進めると言う合意事項に達した由。
チリ側は大半の大臣がバチェレットに随伴しましたが、それは大統領面談がどうなるか(喧嘩別れにならないか)心配だったのでしょう。コレアは「ボリビアの海問題は2国間の問題です。円満解決を願います」と平気な顔で言い切りました。なんやこいつ。
野党側から「バチェレットはおちょくられている。エクアドル訪問はすべきでなかった」と強いクレームが出ました。