(政治)

1) イキケ海戦の日
この祝日、毎年大統領の演説が国会で行なわれます。所信演説でしょうか。これでピニェラの4回目、すなわち彼にとって最後の演説ですが、2時間以上マイクの前で話しました。
注目されたのは幼稚園の義務教育化。法制化されたとき幼稚園のない地区ではどうするのかな?小学校に併設するのかな? もうひとつは3人目の子どもに対する金銭援助。これは人口の減少を防ぐための苦肉の策ですね。役に立つかな?
これに関し野党側の反応は、前政権との比較の数字を並べるばかりで、会社の役員会のようだとか、まるでピニェラが次の次の大統領選挙に出馬することを公言しているようだとか、新味がない、レベルが低いと厳しい評価が続出。
大統領の国会での演説の後、バルパライソでデモ隊と警察が衝突。モロトフ火炎瓶で警官のバイクが燃やされたりしました。
この後すぐにピニェラは南米北部に外遊。コロンビアでは4カ国首脳会議に参加し、メキシコ・コロンビア・ペルー3カ国の首脳と自由貿易の促進を確認。特にペルーのウマラ大統領と近々ハーグの国際法廷で結論が出るはずの領海問題で両国間の連携にひびが入らないことを話し合った様子。
エクアドルではコレア大統領の3回目の就任式に出席。国内のガタガタより外にいるほうは気が楽かな。
2) 大統領選挙
私たちがコンセプシオンの飛行場にいるとき、すごい混雑がありました。何かと思ってみると候補者のバチェレットがサンティアゴから着いたところ。あまりの人で、彼女の姿は見えなかったが、応援団が旗を振って周りを囲んでいた。彼女は数日、この第8州を遊説する由。ツナミで多数の死傷者を出したディチャトを訪問した彼女は、私を応援するグループに震災援助の取り消しをする恐怖プレッシャーを政府はかけているとコメント。政府は全くそんな事実はなく彼女はおかしいと反応。もうドロ試合ですね。
社会党系の3政党は彼女を支援する方針ですが、ゴメスにするかバチェレットにするかはっきりしていなかった共産党もバチェレット支持を明確にしました。野党連合の左翼化でしょうか。
3) マニャリッチ厚生大臣
しかし派手でした。彼と新聞記者とのやり取りがテレビ局に撮影されました。それが放映されると話題騒然。
チリではエル・メルクリオとラ・テルセラが2大新聞です。彼はそのエル・メルクリオ紙の記者に「君とこは私をこの大臣職から外そうと画策している。それは私が反煙草主義で、禁煙法案を実施していることに対し、君の会社の関係者が煙草企業に関連しているため私を邪魔にしているからだ。ところが私は強い庇護網に守られているから、そんな攻撃にはビクともしない」なんだか最後のところはマフィアの闇の世界のようで意味が良くわかりませんが、一応、大臣の言うことは納得できます。 もちろん、この発言を受けて報道協会は政府を訪問し正式にクレーム。政府はそれを受け入れ報道の自由を保護するとコメント。厚生大臣は当然、政府首脳の意見を受け入れ、翌日、発言に不適切な点があったのをお詫びするとしました。
もちろんチリにも報道の自由なんてないのですよね。政府を攻撃するとどこかで干されるし、宣伝をしてくれる企業を攻撃することもありません。もっとも、これは日本だって同じですね。