(政治)

1) 軍事政権下の被害者援助法案
テレビカメラの前で国会議員が罵り合っていました。今週の最高の話題です。軍事革命の後、左翼側の人間が抑圧されたのは事実で、それらの人を前政府が援助しようとしたのは間違いではありませんね。しかしそれを利用して無関係の人間が恩恵を受けようとするのは?
また、何と高給を取る国会議員の中にも、社会党などに、この恩恵を受けている議員がいるみたい。その議員のそばに右翼の議員が近寄り「この恥知らず」と罵声を浴びせます。国会の中でも左右が怒鳴りあって。見苦しい限り。「私がこの恩恵を受け始めたのは国会議員になる前です」だってウーム。
労働大臣のマテイは2008年、バチェレットの時代、社会党員でバチェレットと親しかったジョイグナントがこの援助法案を悪用し、恩恵をばら撒き、それに反対する派を力で抑えたと発表。バチェレットはそんな人は私は知りませんと全く反応しません?
2) ピニェラの外遊
全然ニュースにならないと思っていましたが、オバマ大統領との面談は1面でした。そうか、ピニェラがトップでなくオバマがトップか。失礼。(確かにオバマと会ったアメリカのニュース以外は報道されません)
会談の結果、何でもラテンアメリカでは始めてチリ国民がアメリカ入国するときにビザが不要になりそうとか。
今月の市民調査の結果ですが、ピニェラを支持する人の数が以前より増え、彼を拒否する人の数が減少しました。政府関係者は「政権末期になってやっと国民の皆さんに私たちの言動が認められました。言葉だけでなく実績で示す私たちの姿勢が。これで胸を張って最後の日まで働けます」
(最も拒否する人のほうが、まだ数の上からは多いので人気がないことは否定できませんが)
同じ調査で各大臣もチェックされていますが、先月までしっかりした人気のあった女性庁の大臣が、教育大臣になったところ坂を下るように落ちました。つまり誰がやっても教育大臣は上手く行かないことが証明されています。
それから政府側の大統領候補の応援のため、二人の大臣が辞任しました。UDI党のロンゲイラにはラビン社会開発大臣、RNのアラマンにはクルス・コケ文化大臣が応援に入ります。野党側から政府崩壊の危機と揶揄されています。

3) バチェレット
堂々と政府批判を始めていますが、足元に問題も。彼女の息子が何台もの高級車を所有することに関し、ラヂオ・ビオビオ社のモスチャシ氏が疑惑を呈しました。息子は名誉毀損で同氏を裁判所に提訴しました。息子側は「適切でない発言があったと認めれば、この提訴を取り下げる」と持ちかけましたが、モスチャシは受けません。最後、何とバチェレットの息子は裁判所まで来ているのだから当方の正当性は認めてもらえたはずだとし、裁判所から退出。
意味が良くわかりませんが、母ちゃんが次の大統領になれば、おかしなこともみんな帳消しになるだろう見ているのでしょうね。私はバチェレットには投票しません。
裁判とは別に、税務署はこの件を調べています。金の出所と、彼が政府関連の機関で働いていたので、車にかかる税金を不正に逃れたのではないかと言う疑惑のようです。
バチェレットは自分が政権を取れば、教育の無償化が進むとコメントしていますが、彼女が政権を取ったら、次の月からこの問題で(公約と違う)反政府デモが街にあふれるのでは。               
4) ボリビア
ボリビアのモラレス大統領はピニェラのことを嘘つきと批判。日本の首相が韓国の大統領を嘘つき呼ばわりすれば、即日、大騒ぎになると思いますが、チリの場合はもう慣れているのか、同国の在チリ総領事を呼び、外国元首の呼び方について適切でない発言はしないように要請。大使はもう慣れましたと言う感じでクレーム書を受け取りました。ちゃんと本国政府に送付したかな?
このクレーム書が渡されてからもう一度、モラレスはピニェラを嘘つきと呼びました。日韓なら国交断絶かな?