(政治)

1) ピニェラ新政権
大統領府のニュースは先週の日曜日からピニェラに変わり、バチェレットは完全に消えました。その日はまだ彼女は大統領職にあったと言えるのですが。    そこで今週のチリの風は彼女の最後の日から始めます。最後の週にテレビのインタビュ−番組に出た彼女は旧軍人が人権問題で収容されている刑務所について「それを閉めるとこの4年間公約してきたが、最後までそれは実現されていない」と聞かれると、まだ私の政権はあと何日かありますよと余裕を持った対応???なんと1日前にその刑務所の閉鎖を指示する通知を内務大臣経由で法務大臣に送りました。ところが法務大臣はそれを無視、もしくは拒否しました。翌日、政権最後の日ですが、バチェレットは直接、彼に指示に従うよう命令しましたが、彼はあと数時間で終わる政権がかかる重要事項の変更をするのはいかがなものかと取り合いませんでした。その法務大臣はDC党員ですが、まるで右翼のUDI党所属のようでした。軍隊に火をつけられ大やけどを負った女性はバチェレットと直接何度も面談をしてその刑務所の閉鎖を確認していましたが、それが実施されなかったので、彼女はバチェレットを厳しく批判しています。口先だけの大統領だったとして。            
この週末にバチェレットの失政として自然保護の確固たる政策を取らなかったので、原生林などの緑が前年より数%減少したと批判。続いてピニェラはこれをどう改善するかと書かれました。
もっと重要なことですが、財政赤字がこれまで発表されていた1.7%でなく2.1%に上がったことに関してバチェレットの失政の最たるものとする意見と、以前からの継続とする意見が出ています。
しかしチリの新聞は良く機能していますね。そういう批判をちゃんと発表できるなんて。
さて新政権になって政府は動いています。それまでの停滞感は一掃されました。新法務大臣はその刑務所の件について私たちはそれを考えていませんと拒否。
もっと大きな問題の憲法改正は、新内務大臣がバチェレットの意向は全く同意しがたいので検討する余地もないと切って捨てました。
鉱山省は昨年、拒否されたドミンガ鉱山について、大気汚染問題など改善できるかどうかチェックし、公明正大に最終結論を出したいとコメント。プロジェクトが始まる可能性がありますね。
教育相も過去4年間は準備運動だけで実質的な改善が行われなかった。そんな愚は避けたいとコメント。            
まだまだあります。
警察軍の長官問題です。全く寝耳に水の感じでした。大統領就任式でピニェラに挨拶した時、ビジャロボス長官は何かを頼み込んでいましたが、ピニェラはそれを軽くあしらいました。すると翌日彼は辞表を出しました。解雇される前に辞任したわけですね。内務大臣はこれで警察軍の正常化がやりやすくなったとコメント。直ぐに彼の後任が発表されました。これまでの警察軍幹部の不祥事件は直ぐに表に出るでしょうね。
ボリビアの海問題も最後の段階に来ました。明日からハーグ国際法廷で最終論争が始まります。ボリビアはモラレス大統領がオランダに向かい、明日と明後日のボリビアの最終要請案を訴えます。その後、チリ側の最終答弁が行われるとか。どういう結審になるかな?                                 この段階で、ギジェル議員はボリビアとチリの間で領土交換をすれば問題は解決するだろうとコメント。与野党両方から今頃何を言うのかと厳しい批判を受けました。彼は先の選挙で大統領候補だった人間です。
コルペスカ漁業会社が議員にお金を渡した問題は、かなり長い間、裁判になっていますが、とうとう結審が近づき検察は裁判官にオルピス元議員に21年の刑を要求しました。他の議員にも罰金と懲役刑を要求しています。議員だけでなくその会社にも有罪として多額の罰金を払わせるよう請求しました。