(経済)

1) チリペソの上昇は国内で問題になっています。世界の国とチリの金利が大きく差があるため、それがチリペソの切り上げの要因になっていると言われます。(そのほかには銅の売り上げ増が大きいでしょうが)
つまりチリは今年に入って2%、金利を上げましたが(0.5%から2.5%へ)他の国、例えば日本や米国はほとんど金利なしの状態で、欧州も今年に入って金利の変化はなしで、このためチリに外貨が流入するとか。政府は中銀の独自性を尊重するとしながら、ペソの切り上げがこれ以上急激に進まないよう依頼しているらしい。
2) チリ経済は8月に7.6%の成長を見せ経済の好調維持を数字で示しました。このため2011年以降の見通しも徐々に上昇し2014年まで年間成長は5%以上をキープしそうとか。まぁ銅の価格がポンドあたり3ドルを越えていれば、これらの予想は全部当たるでしょうね。中国が成長を止めて銅の購入をストップしなければ銅の価格が下がることは考えにくいです。
3) 何でも今年に入って車の販売が異常に増えているらしい。9月は29000台の売り上げでこれは過去最高とか。また通年でも20万台で、前年対比80%のアップらしい。別に給料が大幅アップになっているわけではないのに、この販売急増は消費者が各自の近い将来を明るいものととらえているからでしょうね。2年前の世界経済危機の後、将来はどうなるか分からないと消費を控えていた層が、ここにきて一気に財布の紐を解いたのでしょう。確かに来年の給料は5%アップと予想されると新聞に出ていました。
チリ国民の消費は日に日に多くなっているようで、先月は愛国記念の週間を中心に大騒ぎが続き、その結果、9月の物価上昇は0.4%アップになりました。派手に飲んだり食ったりしましたからね。ランチレ航空も9月の乗客数は全年対比国内・国際線を含め14%のアップ。立派なものです。
4) チリで1・2位を争う超高層ビルの一つが経済不安から建設中断になっていましたが、それが再開されたことはもうお伝え済みです。用事があってそのビルの前を今週通りましたが、工事はフルで行われていました。以前は儲かりもしない工事に金を出す馬鹿はいないと言っていたオーナーが、今は「はよせんかい」と工事のスピードアップを要求しているのが聞こえそうです。
もう同じことの繰り返しですが、チリのドル箱、銅の国際価格が上がる一方で国としてこれ以上、要求できないほどの収入が見込まれ、おまけに銅価格の高値安定から銅鉱山にかかるローヤリティ税についても与野党の間で合意に達しました。
このためペソが対ドルで切り上がる一方で今週は1ドル480ペソまで落ちました。
今年に入ってどこに投資をしていれば一番利益が出たかと言う表がありましたが、それによると最も効率の良い投資は1位は国内投資信託で33%、2位はが株でサンティアゴの平均株価上昇は31%、3位は金の投資で23%でした。もしドルに賭けていれば5%の損失でした。しかし1年もしないうちに30%も利益が出るなんて奇跡のようです。ただ今週、サンティアゴ平均株価は下降を続け4700ポイントまで落ちました。100ポイント以上の下降です。最もほとんど人はそれを気にしていないようです。何しろ30%も上昇していますからね。