(経済)

1) 11月の経済成長
10月はマイナスになりましたが、11月はやや上向きでプラス1から1.5%の間になりそうです。とは言え2016年は予想通り厳しいですね。専門家の意見では1.5%アップになりそうとか。
しかし2016年チリ経済の総評を一言で言えば「全く進歩がなかった」でしょう。停滞してしまったとしか言えません。
海外からの投資は鈍り、政府の新労働法案も動きが止まり、労働総連合もストはしても力はなく、政府を動かすことはできません。
チリの命綱の銅は2016年ポンド当たり2.5ドルで終えました。それは過去3年間下がり続けたのに、やっと16年に少しとは言え上がったことになります。
もっとも大手鉱山の売り上げ、利益、そして国に納めるローヤリティ税とすべて昨年より低い数字になりました。17年はどうなるかな?
2) 失業率
最近の3か月の数字は6.1%と、その前より0.1%下がりました。しかし今年の実態はあちこちで首切りが続き、実質失業率は上がっているはずです。それが表に出ないのは、失業者が自前の仕事を始め、何とか生きつなごうとしているからです。新規就業者の70%は自分で始めた仕事についたとか。
もっともマイン関連で高給を取っていた労働者は安い給料の仕事にはつきたがらないでしょう。このため鉱山が多い第2州の失業率がチリで最高になっています。
3) エネルギーコストの軽減
昨年のエネルギーコストは過去10年間で最低に収まりました。1メガワットで61ドルです。2008年には207ドルが記録されていますから、ずいぶん効率的になりました。もちろん、経費削減に大きな影響を与えたのは原油コストの減少でしょうが。ただし電力消費はそれほど急激には増加していません。
この結果、将来チリの電気代は下がることになります。
4) 株式市場
2016年のラテンアメリカの市場はほとんどが上昇。アルゼンチンは41%、ブラジルは38%、コロンビアは17%、少し下ですが、チリは11%のアップでした。世界的に上昇しているようですが、中国は12%の大幅ダウンでした。